運動後30分で差がつく!ヨガ・ピラティス後に体を整える食べ方

ヨガやピラティスは強度が高すぎず、ゆったりとした動きで筋肉をじわじわと刺激するため、年代問わずとても人気があります。ただ、せっかく続けても、運動後の食事のとり方を間違えると、せっかくの運動効果を活かしきれません。今回は、ヨガやピラティス後の食事のポイントについて、管理栄養士の視点からわかりやすくお伝えします。
全身の筋肉を使っているヨガやピラティスの後は何を食べるべき?
ヨガやピラティスは、意外と筋肉への負荷も高め
ヨガやピラティスの運動強度は比較的低めで、1時間あたりのエネルギー消費量はおよそ150~180kcalと言われています。それでも全身の筋肉をしっかり使い、呼吸を深めることで血行が促進されるため、代謝もじわじわと上がり、じんわりと汗をかくこともあります。特にピラティスは、体幹(コア)を鍛える動きが多く、意外と筋肉への負荷も高めです。
ジムでの筋トレよりは回復に必要な栄養は少ない
ヨガやピラティスは自分の体重を使って筋肉を伸ばしたり、体幹を鍛えたりするのが特徴で、筋肉への刺激は緩やかです。
一方、ジムでの筋トレ(ウェイトトレーニング)は、ダンベルやマシンを使って筋肉にしっかりと負荷をかけるトレーニング。目的は「筋肉を増やすこと」や「基礎代謝を上げること」です。短時間で大きな力を発揮するため、体内では“糖質”が多く消費され、筋肉には小さな傷(損傷)も生じます。そのぶん、回復に必要な栄養も多くなります。
ヨガやピラティスの後に摂りたい4つの栄養素と食品
ヨガやピラティスの後は、運動量はそれほど多くないとはいえ、筋肉や自律神経を整えるために、必要な栄養素はしっかり補いたいものです。以下の4つの栄養素を意識して摂るのがおすすめです。
- たんぱく質… 筋肉の疲労回復・合成に必要な栄養素
例)鶏ささみ・鶏むね肉、豆腐、卵、納豆、ヨーグルト - 炭水化物… 運動中に消費したエネルギーの補給。筋肉の分解抑制にもつながります。
例)おにぎり、雑穀米、バナナ - ビタミン(特にビタミンC)… たんぱく質の吸収を助け、疲労回復や体調を整える
例)ブロッコリー、キウイ、オレンジなど - ミネラル… 汗で失った電解質を補う
例)味噌汁、バナナ、スポーツドリンクなど
ヨガ・ピラティス後から30分以内におすすめな「リカバリーのための軽い補食」
運動直後は消化機能がまだ十分に働いていないため、軽く食べられるものがおすすめです。手軽に用意できて、吸収の良い組み合わせとしては、以下のようなものがあります。
- バナナ+ヨーグルト ・プロテインドリンク ・小さなおにぎりとゆで卵
これらは消化吸収が良く、運動後すぐに摂取することで、効率的に栄養補給ができます。特にプロテインドリンクは手軽で、夜遅い運動後にも便利です。
ヨガ・ピラティス後1~2時間後は「バランスのとれた食事」を
運動後1~2時間ほど経つと、消化機能も整ってきます。このタイミングで、主食・主菜・副菜をバランスよくそろえた食事をとるのが理想的です。
炭水化物+たんぱく質+ビタミン・ミネラルを意識して、「ごはん・おかず・汁物」といった定食スタイルがおすすめです。
例えば、 「雑穀ごはん/鶏むね肉のソテーまたは焼き魚/ほうれん草のおひたし/豆腐とわかめの味噌汁/果物(キウイやみかんなど)」。
簡単に済ませたいときは、「卵かけごはん+具だくさん味噌汁+果物」でもOK。このような組み合わせなら、たんぱく質・炭水化物・ビタミン・ミネラルをまんべんなく補えます。
ちなみに、代謝をサポートする食材のひとつに「ブラックジンジャー(黒ショウガ)」があります。血流を促進し、脂肪の燃焼を助ける働きがあるとされていて、運動後の食事にプラスすることで“めぐり”と“代謝”を内側から後押ししてくれるのが特徴です。
ブラックジンジャーを取り入れた「ささみと野菜のスパイスマリネ」は、高たんぱく・低脂質のささみに、季節の野菜とブラックジンジャーを加えた、さっぱり味のヘルシーメニューです。冷蔵で作り置きもできるので、運動後の夕食やお弁当にもぴったり。
運動後の食事で注意したいポイント
特に夜遅くにヨガやピラティスを行った場合は、あまり重たい食事をとると、消化に負担がかかり、睡眠の質にも悪影響を及ぼす可能性があります。その場合は、運動直後に軽く栄養補給(プロテインドリンクやバナナなど)をしておき、翌朝の朝食でしっかり栄養をとるようにするのも良い方法です。
大切なのは、「1日のトータルで必要な栄養素がとれているか」。運動の時間帯に合わせて無理なく調整し、自分のライフスタイルに合った食事計画を立てることが続けるコツです。
運動内容に合った栄養補給を意識することで、筋肉の回復、自律神経の調整、そして疲労回復がスムーズになります。特に意識したいのは、たんぱく質・炭水化物・ビタミン・ミネラルの4つの栄養素。
ヨガ・ピラティスの直後は消化に負担をかけず軽く補給し、1~2時間後にしっかりバランスの取れた食事をとる。このリズムが、あなたの体と心の変化を後押ししてくれます。
毎日のヨガやピラティスの時間を、より心地よく、効果的に。ぜひ食事の面からもサポートしてみてくださいね。