日本の代表的な桜を3種類を覚えよう!美容効果のある桜もある?!
沖縄と北海道を除く日本の桜は、80%はソメイヨシノ(染井吉野)と言われていますが、他にも桜の種類は多く存在します。日本には野生種の9類と沖縄には野生化した(といわれるカンヒザクラ)があります。野生種の9類の原種となる桜を基に、変種を合わせて100種類以上の自生種があります。さらに野生の桜を交配して作った園芸品種があり、園芸品種と自生種を合計すると600種ほどあると言われています。
日本で自生する野生種9種
- ヤマザクラ(山桜)
宮城県、新潟県より西の本州、四国、九州に分布するバラ科の落葉樹です。京都の嵐山、奈良の吉野山に植えられていて、日本の代表的な品種で、和歌にも登場する桜です。ソメイヨシノと違い、若葉と同時に開花します。 - オオヤマザクラ(大山桜)
北海道から四国に分布し、北陸、中部地方以北と北海道に多い桜です。色は淡紅色だが、ソメイヨシノ等の白い種と比べると花にしっかりと色がつきます。 - オオシマザクラ(大島桜)
大島を含む伊豆七島、伊豆半島及び房総半島を原産とするサクラ。葉が特有の香りを持つため、桜餅を包むのに用いられています。ソメイヨシノなどの園芸品種を生み出した原種です。 - カスミザクラ(霞桜)
山地に多く自生し、日本(沖縄と九州を除く)から朝鮮半島、中国東北部・東部に分布しています。花は4~5月。同じ場所のヤマザクラより、2週間ほど遅れます。 - エドヒガン(江戸彼岸)
日本列島から朝鮮半島の南部・北中部に分布します。彼岸ごろに花を咲かせるため、江戸彼岸という名前がつきました。ソメイヨシノの生み出した原種です。一本の枝に多くの花を咲かせることから品種改良の母種として使われることが多い桜です。 - マメザクラ(豆桜)
富士山や箱根を中心とする山地に多い桜で、フジザクラやハコネザクラとも言われます。山梨県の県の花にもなっています。開花期は3月下旬から5月上旬で、花の色は白あるいは薄ピンクが主流。 - タカネザクラ(高嶺桜)
別名は峰桜(ミネザクラ)と言われ、気候が涼しい山腹を好みます。中部地方以北の本州から北海道、千島、樺太南部に自生しています。若芽と同時に開花し、花は紅紫色または褐色を帯びた黄緑色です。 - チョウジザクラ(丁字桜)
岩手県を北限とし、東北地方の太平洋側から近畿、中国、九州熊本県まで分布します。岩石の多いところや石灰岩地にも生息しています。花は3月下旬から4月下旬に咲き、花は白からやや薄紅色。 - ミヤマザクラ(深山桜)
北海道から九州までの日本列島と日本海を取り巻くように朝鮮半島でも分布しています。花期は遅く、5月下旬から6月に開花します。花色は白でおしべが長いのが特徴的です。
日本を代表する桜
ソメイヨシノ
全国の桜のうち、約8割を占めているのがソメイヨシノ。日本で「桜」と言ったらソメイヨシノを指します。
ソメイヨシノという名前は、江戸後期に江戸の染井村という場所で育成されたことと、桜の名所として広く知られている大和の吉野山にちなんで、つけられています。
江戸時代以降全国各地で多く植えられたことから、気象庁が発表するサクラの開花予想はソメイヨシノが基準になっています。
例年、3月下旬ごろから九州・四国地方で咲き始め、4月の上旬~半ばごろには東北地方でも開花します。花びらの色はうっすらとしたピンク色で、満開になると白色に近づきます。
ソメイヨシノの実は、酸味と苦みが強いため、食用には向いていません。
シダレザクラ
枝が垂れ下がっている形が特徴のシダレザクラ。まるで糸を垂らしたような形状に見えることから、イトザクラとも呼ばれています。エドヒガンの系統が多く、「ヤエベニシダレ」「ベニシダレ」などが有名です。
開花の時期は3月下旬から4月中旬ごろで、ソメイヨシノよりも1週間ほど早く咲きます。
京都府の府花としても指定されており、平安神宮など京都各地の寺院や神社、公園などに植えられています。
満開時の花の色は、ソメイヨシノに比べてピンク色が濃く、華やかな印象です。
寿命が長いという特性もあり、日本三大桜の一つに数えられている福島県の三春滝桜(滝が流れ落ちるように見えることから滝桜と呼ばれている)は、樹齢1000年以上と推定されています。
ヤエザクラ
ヤエザクラは、ある特定の品種名ではなく、八重咲きになる桜を総称した名称です。
ソメイヨシノの花びらは5枚で、この咲き方を一重咲と呼ぶのに対し、6枚以上の花びらをつける桜をヤエザクラと呼びます。種類によって、花びらが20枚のものから100枚近くに及ぶものまであります。その花びらの多さから、丸いボンボンのような形に見えるため、ボタンザクラとも呼ばれます。
開花の時期は、ソメイヨシノに比べて1~2週間程度遅く、4月中旬からゴールデンウィークのころまでが見ごろ。
ヤエザクラの名所としては、大阪市にある造幣局の「桜の通り抜け」が人気です。
ヤエザクラの中では、カンザン(関山)、イチヨウ(一葉)、フゲンゾウ(普賢象)といった種類のものが特に有名です。
個性的な桜
ウコンザクラ(鬱金桜)
数百の品種がある桜の中で唯一、淡黄色の花を咲かせるのがウコンザクラ。花びらの色が、香辛料のウコン(鬱金)とよく似た色であることから、ウコンザクラと呼ばれています。
花びらの数は20枚程度で、八重咲きの種類に分類されます。
開花の時期はソメイヨシノよりも遅く、4月中旬から5月上旬ごろです。咲き始めは淡い黄色ですが、満開時期を過ぎると、花の中心部が赤味を帯び始め、日が経つにつれて花びらがピンク色に変わっていきます。
この珍しい花の色から、ウコンザクラは日本だけではなく、海外での人気が高いのも特徴。「幸せをを呼ぶ桜」「美人桜」と呼ばれたり、金運アップを願う人たちの間でも人気が高い桜です。
カンヒザクラ(寒緋桜)
台湾や中国南部を原産としている桜で、温暖な地域に分布しており、沖縄で桜と言えば、カンヒザクラを指します。
開花の時期は1月~2月と早く、旧暦のお正月あたりに咲くことから「ガンジツザクラ」とも呼ばれています。
下向きに、ベルのように咲く花の形が特徴的で、花の色は濃いピンク色から白色までさまざまです。散る際は他の桜と違い、花びらが散るのではなく、がくが一緒についた状態で花が落ちます。
カンヒザクラはこの特性から、他の桜と交配され新たな品種も作られており、特にオオシマザクラとの交配で作られた「河津桜」は有名です。
原産地である台湾では、観賞用としてだけではなく、砂糖と一緒に煮詰めて、ジャムや保存食としても利用されています。
桜のエキスの美容効果
日本の春と言えば、桜です。お花見や入学式など、春をピンク色で彩ってくれる花として、日本人に大人気の桜。「観賞用として愛でて楽しむもの」と思っている方がほとんどかもしれませんが、八重桜・関山の花びらから抽出されたエキスには美容や健康に有効なエキスが含まれています。近年、桜の花びらから桜の花エキスを抽出し、食品やサプリメントだけではなく、化粧品にも使用されるようになりました。
抗糖化作用
老化の原因のひとつとされている糖化。
私たちの体内にあるたんぱく質は、糖が結びつくと、老化を促進させる物質「AGE」を作り出します。AGEにはコラーゲンやエラスチンなどを分解する作用があるので、肌のたるみやしわの原因となってしまいます。
桜エキスにはこの糖化を抑制する作用があるため、アンチエイジングに非常に効果的と言われています。
美白効果
シミやくすみの原因となるメラニン。このメラニンを作り出すのが、チロシナーゼという酵素です。
桜エキスには、チロシナーゼの働きを抑える作用が含まれているため、美白効果が期待できます。
リラックス効果
優しくて華やかな香りが印象的な桜。
桜の香りには、人を元気づけ、穏やかな気持ちにさせてくれる作用があります。
花や葉の部分を塩に漬けることで、香り成分であるクマリンが生成され、より効果的に香りを楽しむことができます。