発酵コスメとは?トレンドになった発酵の真実
発酵コスメの火付け役は韓国。韓国での発酵コスメの爆発的な人気は、オーガニックな成分を好む美容愛好家のニーズを捉え、世界に伝わりました。
葡萄が発酵してワインへ、白菜が発酵してキムチに変わるように、発酵プロセスによりスキンケア製品の吸収性と効果が高まると考えられています。
発酵食品が体に良いと言われるように、発酵コスメをノーマルなコスメに比べて、効果が高まるのでしょうか。
今回は世界的に人気になっている発酵コスメとは何か、紹介します。
発酵コスメの火付け役とは
韓国化粧品ブランドのsu:m37°。「su」は呼吸、「37°」は体温や発酵温度をイメージした数字です。 80種類以上の天然由来成分を低温で長時間発酵させたエキスを含む化粧品が、高い保湿力で人気となりました。
「su:m37°」以外でも、韓国で早い段階から人気があった発酵コスメブランドには、Ohui、Innisfreeなどが挙げられます。
食品で知られる発酵のメカニズムとメリットとは
発酵スキンケアの魅力を理解するには、発酵の仕組みを知ることです。
発酵で身近なものは、発酵食品です。発酵は、食品の保存するために発見されたプロセスですが、何世紀にもわたって使用されてきました。
納豆やヨーグルト、チーズ、キムチ、味噌、日本酒などが挙げられますが、これらは微生物(乳酸菌、麹菌、酵母など)の働きによって食材が発酵して作られた食品です。
発酵食品には乳酸菌やナットウキナーゼなどの生きた菌が含まれます。例えば、乳酸菌は善玉菌の増殖を促し、悪玉菌を減少させて腸内環境を整えます。ナットウキナーゼという酵素は血栓を溶かす働きがあります。
微生物(カビ、酵母、細菌など)は、酸素がない環境で糖をエサにして、エネルギーを得ます。そして、この発酵プロセスで、何百種類もの酵素と化合物を放出し、食品の分子構造を変化させるのです。
発酵食品のメリットとは
発酵によって、食品に酸味や甘味、旨味などの味わい、そして独特の香りややわらかな食感が生まれます。
乳酸菌やビフィズス菌などの腸内環境を整える善玉菌が増殖します。また、タンパク質が分解されてアミノ酸やペプチドが増え、吸収されやすくなります。また、ビタミンB群やビタミンCなどのビタミンも生成されます。
- 栄養含有量が増加
- 腸内を整える善玉菌が増殖
- 風味と食感がアップ
発酵により、食品をより美味しく、より栄養価高く、より体に良いものへと変化します。
発酵を美容にも取り入れるメリットとは
発酵は食品だけでなく、美容にも今は活用されています。
日本の発酵スキンケア成分では、日本酒が最も知られていました。
造り酒屋で働く年齢を重ねた杜氏の手の美しさに、インスピレーションを受けて、数年にわたる研究を経て誕生したのはSK-IIです。
しょうゆや日本酒などを造る際に用いる「麹」から発見された、天然由来の美白有効成分「コウジ酸」も有名です。日本酒を造る杜氏の手が綺麗なのでは、日本酒醸造の過程で使われる麹に肌に何か良い 成分があるのではと考えられ、1907年に発見された「麹菌」。 1988年に美白成分として厚生労働省に医薬部外品として承認され、1990年にコウジ酸配合の化粧品が販売されるようになりました。
日本酒はシワや皮膚の乾燥を防ぎ、コラーゲンの合成を促進し、肌を明るくする効果があることで知られ、アンチエイジング効果が高く評価されています。
発酵の美容効果とは
発酵は、食品だけでなく、美容にもチカラを発揮することが、近年は広く知られてきました。発酵は美容ではどのような効果あるのでしょうか。
- 肌に浸透しやすい
酵母やバクテリアで発酵させた有効成分はより小さな分子に分解され、吸収が良くなる傾向があります。 - シミやくすみの原因となるメラニン生成を抑制
発酵によって生まれた抗酸化物質は、活性酸素によるシミやくすみの原因となるメラニン生成を抑制します。また、ビタミンCなどの美白成分も豊富に含まれているため、透明感のある明るい肌へと導かれます。 - 肌のバリア機能を高める
発酵によって生まれたビタミンやアミノ酸は、肌のバリア機能を高め、外部刺激から肌を守ります。バリア機能が向上すると、乾燥や肌荒れを防ぎ、もちもちとした潤いのある肌を保つことができます。 - コラーゲン生成を促進し、ハリ・弾力をアップ
発酵によって生まれたペプチドは、肌の真皮にあるコラーゲン生成を促進し、ハリや弾力のある肌へと導きます。また、ヒアルロン酸などの保湿成分も豊富に含まれているため、ふっくらとした潤いのある肌を保つことができます。
植物発酵エキスは、天然由来の成分が豊富に含まれた、美容に効果的な成分です。