話題のファットローディング!その魅力とデメリットは?
近年のダイエット食の潮流といえば、糖質制限ダイエットではないでしょうか。体のエネルギーとなる炭水化物の摂取を抑えて、タンパク質を多く摂ることで無駄な脂肪の蓄積を抑えるという食事方法です。 ところが、最近ではその上をいく食事方法が話題となっています。それがファットローディング。元々は強度の高いマラソンランナーの間で使われていた手法でしたが、最近では一般の方にもダイエットの方法の一つとして使われるようになってきました。今回はそんなファットローディングの魅力に迫ります。
ファットローディングとは
ファットローディングとは、読んで字のごとく“脂肪を積極的に摂って”脂肪を優先的にエネルギーとして使えるようにする食事方法のこと。
摂取する栄養素の中でタンパク質・脂肪・炭水化物がエネルギーのもとになり、ダイエットではカロリー計算もさることながら、食事のバランスをどのようにコントロールするかが鍵となると言われています。 それぞれを体内のエネルギーに換算すると、タンパク質と炭水化物は1gあたり1kcalなのに対して、脂肪は1gあたり9kcalにもなります。そのため、脂肪を優先的に使えるようになるとエネルギー効率が非常によくなります。
フルマラソンを走るランナーの間で問題となるいわゆる“30kmの壁”。体内に貯蔵されているグリコーゲンが枯渇してしまい、急に失速してしまいます。それを防ぐために用いられているのがファットローディングであり、強度が低い有酸素運動では炭水化物よりも脂肪の燃焼が優先されるようになります。
炭水化物を摂らないことでインスリンの分泌を促進しないので、血糖値の乱高下が起きにくくなるという効果もあります。これは悪玉コレステロールの生成を引き起こしにくいとも言われていますが、まだまだ新しい方法ですので様々な反論があるのも現状ではあります。
ファットローディングで気をつけること
一言に脂肪を多く摂れと言われても、どれくらいの量を摂っていいのか、どんな脂肪がいいのかなどわかりませんよね。ファットローディングはしっかりと計画を立てて行わないと体へのリスクもありますので、事前によく調べるようにしておきましょう。
脂肪を摂るバランス
日本人の一般的な食事では、タンパク質15%、脂肪30%、炭水化物55%と言われています。
それをファットローディングではタンパク質15%、脂肪70〜80%、炭水化物5〜15%まで変化させます。
ちなみに炭水化物5%ってどれくらいかわかりますか?一食の摂取カロリーが600kcalとすると、その5%である30kcalを炭水化物から摂取するということ。これは大体りんご1/4個分に当たります。相当な制限となりますので、最初は少しバランスを変えるくらいから始めていくと無理がありません。
良い油を摂取する
油と聞くと敬遠したくなりますが、体にいい油を摂ることはエネルギー効率の面から見るととても大切です。特に体に必要な油はオメガ3脂肪酸を含むえごま油やアマニ油、中鎖脂肪酸を含むココナッツオイルは積極的に摂っておきたいところ。ただし、これらの油は熱に弱いのでドレッシングの要領で料理にかけたり、スープに混ぜて摂取することをオススメします。
食事で気をつけること
お肉や魚介類の脂肪分はどんどん摂るようにしましょう。特に魚に含まれるDHAやEPAには先ほどのオメガ3脂肪酸が多いので、魚がメインになってくると思います。また、食物繊維を摂取するためにも葉物の野菜やキノコ類、海藻類は大量に食べるようにしてください。だいたいお肉や魚と同じ分量を目安にしておくといいと思います。他にはくるみやアーモンドなどのナッツ類、カカオ比率の高いチョコレートなどもOKです。糖分や炭水化物は控えめにしましょう。
ファットローディングのデメリット
ここまでファットローディングのことについて書いてきましたが、やはりそのデメリットも知っておく必要があります。これからもっと研究が進んでくれば違った見解になるかもしれませんが、現時点で気をつけるべき点を紹介します。
胃もたれに注意
脂肪は腹持ちがいいためお腹が空きにくくはなりますが、その分胃もたれをする可能性も否定できません。毎回ステーキを食べていたら消化するために胃にかかる負担も大きくなります。
食費と料理の手間がかかる
いい脂肪を摂るためには、それなりのお金もかけないといけませんし、料理の工夫も必要になります。野菜は新鮮なものを生で食べたいですし、油もオメガ3系の油を選びたいですよね。また、高脂肪食は味付けが単調になってしまうと食べづらいのもあるため、料理に一工夫をして飽きないようにすることも大切です。
ケトン臭が気になる
糖質制限や高脂肪食ダイエットをしていると、ケトン臭と言われる甘酸っぱい臭いが出てくることがあります。これは脂肪を燃焼しやすいケトン体質になっている証拠でもあるのですが、そこに行きつく過程で汗や頭皮が臭いと感じた時は食物繊維不足かもしれません。腸内環境を保つためにも、脂肪やたんぱく質とともに野菜もしっかりと摂るようにしてください。