健康食品と医薬品の違いを知って、健康食品を利用しよう!
賢く上手に健康食品を利用するには、医薬品との違いを十分に理解することが大切。健康食品を利用するために、健康食品と医薬品の違いについて解説します。
健康食品は「一般食品」または「保健機能食品」に分類
口から入るものは、「一般食品(日頃の食事で食べる食品・飲料・菓子など)」「保健機能食品」「医薬品・医薬部外品」の3つに大きく分けることができます。
このうち「保健機能食品」は、あまり耳にしたことがないのでは?これは特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品、栄養機能食品で構成され、3つとも健康食品分野の国の制度です。「保健機能食品」以外の健康食品は、「一般食品」に分類されます。
つまり、私たちが健康食品と呼んでいるものは、国の制度である「保健機能食品」または「一般食品」のどちらかに該当します。
健康食品は健康の維持・増進が目的
健康食品のなかには、トクホや機能性表示食品のように「血圧が高めの方に」「血糖値が気になる方に」などの効果を表示した製品もあります。また、サプリメントタイプのものは粒やカプセルの形状のため、見た目も医薬品とそっくり。このため、医薬品と同じと思っている方もいます。
そうした誤認を防ぐため、かつて厚生労働省はトクホ制度で、錠剤・カプセル形状の製品を許可しない方向にありました(現在は解除されています)。
見た目は似ていますが、医薬品と健康食品はまったく異なります。まず、医薬品は病気の方が、症状の予防・治療を目的に使用します。これに対して健康食品は、健康な方が健康の維持・増進を目的に使用します。
次に、医薬品は医師の処方が必要であったり、薬剤師による説明が必要であったりと、基本的に販売には専門家の関与が求められます。これに対し、健康食品はスーパーなどの小売店で生鮮食品や加工食品と同じように販売され、消費者の判断で気軽に購入できます。
品質管理の厳格さの違い
品質管理の厳格さの違いもあります。医薬品はGMP(適正製造規範)と呼ばれる品質管理手法の下で製造することが義務づけられています。
医薬品は病気を予防・治療するためのもので、人命に直結するからです。製造上のミスを減らすために、原材料の入荷から製造、包装、出荷管理、保管までの流れについて、各種基準書の作成と順守が義務づけられています。
一方、健康食品についても、業界独自の「健康食品GMP」を導入する工場が増加していますが、義務ではありません。
健康食品と医薬品は使用できる成分も違う
健康食品と医薬品とでは、配合できる成分も異なります。一例を挙げると、グルコサミンは膝関節をサポートする成分として、健康食品にも医薬品にも使用されていますが、健康食品に使用できるのは「グルコサミン塩酸塩」です。医薬品に使用される「グルコサミン硫酸塩」は健康食品に配合できません。
使用できる成分について一定のルールを定めているのが、厚生労働省の「食薬区分」制度です。
例えば、ダイエットサプリメントに用いるセンナという植物があります。健康食品に使用できるのはセンナの「茎」の部分だけで、「果実」や「葉」は医薬品に限定されています。
健康食品を賢く上手に利用
健康食品と医薬品の違いを理解できましたか。対象者や使用目的について知れば、より安心して健康食品を利用できるようになります。
(医薬品を服用中の方は、相互作用について確認しておくと安心です。)
健康食品を正しく利用すれば、あなたの健やかな毎日をサポートしてくれるでしょう。