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機能性表示食品とストレス軽減

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機能性表示食品とストレス軽減

現代人にとって避けられないストレス。例えば、仕事や勉強などによるストレスは、私たちにとって避けることができません。ストレスが溜まっていると感じたら、休息を取ることや適度な運動や入浴なども効果的。さらに、機能性表示食品の利用もストレス軽減をサポートしてくれます。

ストレス軽減の食品は機能性表示食品だけ

「ストレス軽減」の効果をうたうことができる食品は現在のところ、機能性表示食品だけ。制度の開始から約30年が経つ特定保健用食品(トクホ)では、まだ1件も登場していません。当然ですが、一般的な健康食品の場合は「ストレス軽減」を表示できません。

これに対して2015年度にスタートした機能性表示食品制度では、「ストレス軽減」を表示に盛り込んだ届出が237件(2月13日現在)に上ります。総届出件数3,733件の6.3%を占めるなど、「ストレス軽減」の機能性表示食品は人気を集めています。

「ストレス軽減」をサポートする機能性表示食品


「ストレス軽減」をうたう機能性表示食品には、どのような成分が含まれているのでしょうか。消費者庁が公表した各社の届出を見ると、各製品に含まれる機能性関与成分として次のようなものがあります。

「ストレス軽減」をうたう機能性表示食品に含まれる機能性関与成分
  • GABA(γ-アミノ酪酸)
  • L‐テアニン
  • L‐セリン
  • ガセリ菌CP2305(L. gasseri CP2305)
  • 乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)
  • サフラン由来クロシン、サフラン由来サフラナール
  • SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)

このうち代表格はGABAL-テアニン。「ストレス軽減」の機能性表示食品でもっとも多く用いられているのがGABAです。

GABAとは、トマト・バナナ・カカオ・発芽玄米をはじめとする植物や動物に含まれるアミノ酸の1種。γ‐アミノ酪酸の英語表記「Gamma Amino Butyric Acid」を略して、GABAと表記します。GABAは抑制性の神経伝達物質。腸から吸収されて血中に取り込まれたGABAは、抹消の自律神経系で「ノルアドレナリン」などのホルモンを抑制します。この作用によって副交感神経が優位になり、一過性のストレスを軽減すると考えられています。GABA配合の機能性表示食品の届出に用いられた研究論文を見ると、「副交感神経活動の活性化」「リラックスに関する脳波の増加」「唾液中のストレス指標物質の変化」などを測定し、ストレス軽減の効果を検証しています。

L‐テアニンもアミノ酸の1種で、緑茶のうま味成分。興奮を抑制し、緊張を緩和する作用があると報告されています。L‐テアニンによるストレス軽減を証明する試験では、「VAS」(主観評価)や「唾液中のストレス指標物質の変化」「心拍数」などを測定して効果を評価しています。

GABAとL-テアニンのほか、増えつつあるのが乳酸菌。これまでに2種類の乳酸菌が登場していますが、今後その種類は増加するとみられています。

「一時的」「一過性」の精神的ストレスが対象

各社の機能性表示食品は、どのような表示によってストレス軽減の効果を消費者へ伝えているのでしょうか。制度がスタートした2015~16年度ごろに見られた代表的な表示内容は次のとおり。

「本品にはGABAが含まれます。 GABAは仕事や勉強による一時的な精神的ストレスを緩和する機能があることが報告されています。」「本品にはL-テアニンが含まれます。L-テアニンには、一過性の作業にともなうストレスをやわらげることが報告されています。」

ここで注意してほしいのは、「仕事や勉強による」「一時的な精神的ストレス」を対象としていること。事務的作業などによる一過性のストレスに対する軽減効果が証明されているわけであって、深刻な人間関係や重労働などによるストレスではありません。また、長期にわたって感じているストレスも対象としていません。機能性表示食品を利用する場合は、この点に留意する必要があります。

表示内容がバラエティー化

制度のスタートから4年目に入ると、研究の進展に伴って、「ストレス軽減」に「睡眠の質の向上」や「疲労感の緩和」を組み合わせた表示も増えてきました。

乳酸菌では、「一時的な精神的ストレスがかかる状況でのストレスをやわらげ、また、睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を高める機能があります」の表示が登場。

GABAでは、「デスクワークによる一時的な精神的ストレスや、疲労感を緩和する機能があることが報告されています」といった表示が出てきました。

さらに、ここ1~2年では「一時的に落ち込んだ気分を前向きにする(積極的な気分にする、生き生きとした気分にする、やる気にするなどの)機能」、「一時的な活気・活力感の低下を軽減することに役立つ機能」といった一歩踏み込んだ表現が登場しています。

年々、表示内容がバラエティー化していくことも機能性表示食品の魅力。今後も各社の創意工夫によって、これまでにない表現が登場すると予想されます。

機能性表示食品制度は企業責任で機能性を表示する仕組み。消費者庁をはじめ、届出資料の公表によって各方面のチェックを四六時中受けることで、安全性と機能性を担保しています。

機能性表示食品を適切に活用すれば、仕事や勉強でストレスを感じているあなたをサポートしてくれるでしょう。十分な休息、適度な運動などと組み合わせて、上手に利用するように心がけてくださいね。
 

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