尿酸値とは?高めの方は受診と対策を!
健康診断で気になる検査項目の一つに「尿酸値」があります。お酒が大好きで、ついつい食べ過ぎる方は特に注意が必要です。ところで、尿酸値とは何でしょうか。なぜ、注意しなければならないのでしょうか。尿酸値について解説します。
尿酸とプリン体
中年になると気になり出すのが尿酸値。健康診断の結果、尿酸値が高めの方は食事指導などを受けることがあります。
私たちの体内では古くなった細胞が分解され、新たな細胞が生まれます。その際に生じるのが「プリン体」という物質。
プリン体については、アルコール飲料の宣伝で耳にしますよね。プリン体とは、悪者のイメージがついていますが、私たちが生命を維持したり、活動したりするために必要なエネルギーや遺伝情報を司る「核酸」の構成成分です。体内のプリン体は、細胞の代謝・増殖などに利用されます。利用されなかったプリン体は肝臓で分解されて、老廃物の「尿酸」になります。尿酸は尿とともに体外へ排泄されます。
体内で産生された尿酸は、尿とともに体外へ排泄されるのですが、お酒の飲みすぎや偏った食生活などが原因で、体内に蓄積されることがあります。例えば、アルコールを摂取しすぎたりすると、アルコールは体内でのプリン体生成を促し、血清尿酸値を上昇させます。その状態を放置しておくと、知らず知らずのうちにさまざまな疾病の原因になります。
尿酸値とは?高いとどうなるの?
健康診断で測定する尿酸値とは、血液中の尿酸の濃度を指します。「7.0mg/dL未満」が正常値です。これを超えると、「高尿酸血症」と診断されます。
7.0mg/dL未満が正常値とされているのは、1dLあたりの血液中に尿酸が7.0mgまで溶けるからです。それ以上、尿酸が増えると、体外へ排泄されずに体内に溜まっていきます。現在、日本では7.0mg/dL以上の方が約1,000万人もいると推計されます。
高尿酸血症の状態が続くと、血液中に尿酸の結晶ができるようになり、それが体内に沈着して、さまざまな疾病を引き起こします。
代表的なものに「痛風」があります。痛風は、尿酸が多くなり過ぎた状態が続いて、関節などに尿酸(結晶)が溜まって起こる疾病です。足の指や足首が炎症し、激痛を伴うことがあります。
痛風のほかにも、合併症として腎臓の機能障害が生じたり、尿路結石が生じたりします。
尿酸値をコントロールする方法
尿酸値をコントロールするためには、どうすればよいのでしょうか。
対策の1つ目は、お酒の飲み過ぎや食べ過ぎを控えること。
その際には、プリン体を多く含む食品の摂り過ぎも要注意です。プリン体が多い食品として、鶏・豚・牛のレバー、白子、エビ・カニ、マイワシ、カツオなどが知られています。また、大豆やナッツ類、中華スープやコンソメスープなどもプリン体を多く含みます。
尿酸値を抑えるためには食生活の見直しが大切ですが、あまり神経質にならずに、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
対策の2つ目は、ビールなどのアルコール飲料の摂取量を控えること。
アルコール飲料の飲み過ぎは尿酸の産生を増やしたり、尿酸の排泄を低下させたりするからです。飲み過ぎないように心がけるとともに、週に2度ほどの休肝日も設けましょう。
対策の3つ目は、水分をしっかりと摂取すること。糖分を含まない茶飲料やミネラルウォーターなどを十分に飲んで、尿の量を確保することで尿酸値の正常化が進みます。
これらに加えて、ウォーキングなどの有酸素運動を定期的に行い、肥満を防止することも尿酸値をコントロールするために有効です。
尿酸値が高めと診断されたら医療機関を受診
健康診断で尿酸値が高めと判断されて、そのまま放置しておくと、痛風などのさまざまな疾病を引き起こす原因となります。
その場合、まずは医療機関を受診してください。医師の指示に従って、各種対策に取り組んでみましょう。