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運動会でお父さんがどうしても転んでしまう理由とは

カラダ
倉持江弥
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運動会でお父さんがどうしても転んでしまう理由とは

幼稚園や小学校の運動会で、意外と盛り上がる競技が保護者リレーだったりします。子供たちはお父さんがカッコよく走っていく姿を想像しているけど、現実はそうも甘くなく。ドテドテと転んでしまう姿を目の当たりにして、ショックを隠せないなんてこともあります。

こんなはずじゃなかったのに。若い頃はもっと走れたのに。転んでしまったあとではもう後の祭りです。子供たちの前でかっこいい姿を見せられるように、まずは運動会でお父さんが転んでしまう理由を一緒に考えていきましょう。

運動会でお父さんが転んでしまう理由

若い頃のイメージで動いてしまう

これが一番大きな要因でしょう。学生時代に部活でバリバリに頑張っていた方は、その当時の記憶が頭にも体にも染み付いています。イメージの中では風を切って軽やかに疾走してゴールテープを一番に切っているのではないでしょうか。

運動会 若い頃

ただ、実際には気持ちとともに上半身だけが前のめりに進んでしまって、足が全くついてこないという現実が待ち構えています。足が空回りしているような感じです。

日頃の運動不足が続くと脳からの指令が筋肉に届くまでに、どうしても時間がかかってしまいます。脳が「動け!」と指令をしても、普段から動かしていないと筋肉はなかなか反応してくれません。

まずは若い頃のイメージを取り払って現実を受け止めておきましょう。

筋力の低下

加齢とともに筋力は低下してしまいます。若い頃はどれだけ練習しても、一日寝れば次の日もハードな練習ができましたよね。でも、最近はちょっと頑張って走ると全身が筋肉痛になってしまう。しかも翌日ではなくて、翌々日に。みたいになっていませんか?


 
谷本ら、老年医学 2009 日本人筋肉量の加齢による特徴より作図
引用:老年医学雑誌第47巻1号

特別に運動をしていなければ、加齢とともに筋肉量は低下してしまいます。特に下半身の筋肉は右肩下がりで低下しているのがわかると思います。

走っている時に膝にかかる負担は、体重の6〜9倍ほどとも言われています。筋力が低下してしまうとその負担を体が支えきることができずに、転倒、もしくは太ももの肉離れやアキレス腱断裂といった大ケガにつながる可能性も否定できません。

柔軟性の低下

加齢とともに低下してしまうのは筋力だけではありません。関節まわりの可動域や筋肉の柔軟性もどんどん低下して動きづらくなってしまいます。体の柔らかさと一言にいっても、関節の可動域と筋肉の柔軟性はちょっと違うものなので簡単に説明していきます。

そもそも関節は骨と骨のつなぎ目の部分で、筋肉だけではなく靭帯や腱などさまざまな組織が入り組んでついています。また、関節の中には動きを滑らかにする滑液という潤滑油のようなものがあって、そのおかげで関節は大きくしなやかに動くことができます。ただ、加齢と共に滑液の分泌が低下し、腱の動きなども悪くなって関節自体の可動域が狭くなりやすいです。

筋肉の柔軟性は、単純に筋肉の伸び縮みがしづらくなってくる状態です。筋肉はゴムみたいなものなので、動かしていれば血流が良くなって伸び縮みしやすい状態をキープできますし、動かさなければ固まってきて伸び縮みしづらい状態に変化します。特にデスクワークなどで座った姿勢が続くと、筋肉の動きがなくなって肩や背中が痛くなったり、太ももの裏が椅子の面でつぶされて筋肉が固くなりやいです。

なので、筋肉を柔らかくすることと、関節を柔らかくすること。この二点をおさえておくと体の柔軟性の低下を防ぐことができると言えるでしょう。

過去のケガの影響

もしかしたら、学生時代にハードな部活をしていた方の中には、大きな怪我を経験した、手術をしたことがあるという方もいるかもしれません。足首の捻挫や太ももの裏の肉離れ、膝の靭帯損傷などは代表的なケガですので、もし心当たりがある方は気をつけるようにしてください。

やはりケガをした部位は痛みがなくなったとしても、筋肉や関節のこわばりというのはどうしても出やすいものです。それでも若い頃は筋力があって柔軟性もあったのでカバーできますが、徐々に筋力が低下し、柔軟性も低下してくるとそのこわばりが出てきてしまいます。

季節の変わり目や疲れてくると、なんとなく関節がきしんでくるなーとか、うずくような痛みが出てくるな、と感じ始めたら要注意です。

そもそも走るのが得意ではなかった!?

運動部に所属していても、実は走るのがそんなに得意ではなかったということも意外と多い印象です。サッカーや野球のように競技の中で走る種目は別として、バドミントンやバレーボールなどは競技の中でそこまで走ることはありません。

ただ、体力はあるので昔は動けたというイメージがありますし、YouTubeやテレビで素晴らしい選手の動きを見ていると、簡単に動けるんじゃないかというイメージも持ちやすくなります。そのイメージのままに動こうとしても、体はなかなか動いてくれないので足が動かないで転倒してしまうかもしれません。
 

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