食品添加物の定義と種類
食品添加物について説明していきたいと思います。食品添加物は、食品衛生法第10条に基づいて、厚生労働大臣の指定を受けた添加物(指定添加物)だけを使用することができます。指定添加物以外で添加物として使用できるのは、既存添加物、天然香料、一般飲食物添加物になります。
食品添加物とは
食品添加物は、「食品衛生法」によって、“食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤、その他の方法によって使用するものをいう”と定義されています。
つまり、食品添加物とは、保存料、甘味料、着色料、香料などのことで、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるものです。
現在、日本では400種類以上の添加物が、食品添加物として認められています。食品添加物は人体に影響を及ぼすものというイメージが先行し、一般的に悪いイメージを持つ人も多いです。しかし、日本国内に流通している食品添加物は安全性が確認されています。
主な食品添加物の種類
添加物には様々な種類がありますが、ここでは主な食品添加物について見ていきましょう。
保存料
食品の腐敗や変性をおこす微生物の増殖を抑え、保存性を高めるものです。
安息香酸や安息香酸ナトリウム、しらこタンパク抽出物、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムが当てはまり、多くの食品に使用されています。
酸化防止剤
酸化によっておこる品質の低下を防ぐ目的で使われるのが酸化防止剤です。
ビタミンCやカテキンなどが当てはまります。総菜やパン、水産加工品や食肉加工品に使用されています。
発色剤
動物性の食品において、赤血球の色素であるヘモグロビンや、筋肉細胞の色素であるミオグロビンと結合して赤色を呈す目的で使われます。
亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウムが該当し、主にハムやベーコンなどの食肉製品に使用されていますが、発色剤は生鮮食肉および鮮魚介類に使用することは禁止されています。
着色料
食欲増進の目的で、色調の調整の為に用いられているのが着色料です。
カラメル色素、カロチノイド色素、食用タール色素などがあり、食肉加工品や醤油、清涼飲料水などに使用されています。
甘味料
酵母の餌となってしまう砂糖の代替品として使うことで、品質の劣化を防ぎ、保存性を高めることができます。糖尿病や虫歯の予防にも一役かっていますが、清涼飲料水をはじめ様々な食品で欠かせないものとなっています。
アスパルテーム、サッカリン、キシリトール、ステビア、ソルビトールなどが該当し、清涼飲料水や漬物、チューインガムなどに使われています。
漂白剤
漂白剤は、食品の色調を調整するために使用されます。
亜塩素酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどがこれに該当し、かんぴょうや煮豆など幅広い食品に使われています。
乳化剤
水と油のように混ざり合わないものを、均一に混合する為に加えるのが乳化剤です。
グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチンなどがあり、マーガリンやマヨネーズ、ホイップクリームなどに使われます。
増粘安定剤
増粘安定剤は、食品に粘性や接着性を生じさせる食品添加物で、糊料とも呼びます。
増粘安定剤は、食品にとろみや粘りを付ける「増粘剤」、食品の形状を保つために接着させる「安定剤」、液体をゲル化し固める「ゲル化剤」に分けられます。
ペクチンやグァーガム、キサンタンガムなどがあり、ドレッシングやジャム、ゼリーなどによく使われています。
香料
香料は食品に香りを付けたり、元々ある香りを増強したりするのに使われます。合成香料と天然香料があり、これらを調合したものをベースに作られます。
合成香料には、アセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒドなどがあり、天然香料はほとんどが精油や樹脂から作られています。現在許可されている香料は、合成香料だけで2500品目もあり、菓子や清涼飲料水などに使用されています。
表示方法と選び方
食品に食品添加物を使用している場合は、原則としてすべての食品添加物を表示しなければいけません。よって、表示されている添加物の数が少ないほどよりシンプルな原材料で作られた商品であると言えるでしょう。
また、原材料の表示は使用量が多い順に記載しなければいけません。食品添加物が気になるという人は、表示を見てどのような食品添加物が使われているのかを確認し、購入すると良いでしょう。