秋から冬にかけて旬を迎えるイモ類がおいしい!
冬が旬と言えば、ダイコンやレンコンといった野菜を思い浮かべますが、イモ類も旬を迎えます。秋から冬にかけて、サツマイモ・ジャガイモ・ヤマイモ・サトイモの収穫量が増えてきます。焼き芋や干しイモ、ポテトサラダ、煮物など色々な食べ方を楽しめておいしさも抜群。冬が旬のイモ類を見ていきましょう。
寒い季節に欠かせない。サツマイモ・ジャガイモ・ヤマイモ・サトイモ
サツマイモは9~11月にかけて出荷量がグーンと増え、2月ごろまで大量に出回ります。肌寒くなる時期になると、スーパー店頭などでホクホクとした焼きイモの販売が本格化します。今では1年中販売されていますが、やはり冬場に食べる焼きイモは最高においしいですよね。
ジャガイモは春に出回る新ジャガも人気ですが、主産地の北海道で夏から秋にかけて収穫されるものが中心となります。九州では、11月~12月に収穫される秋作や2月~4月に収穫される冬作などが栽培されています。
ヤマイモは11月~1月にかけて出荷量が増加し、旬を迎えます。とろろや煮物にオススメの冬の食材として人気があります。
サトイモは秋口から出荷量が増え、11月~1月にかけてピークを迎えます。煮物や揚げ物など和食に欠かせない食材です。
サツマイモの主産地は鹿児島県
イモと言えば、サツマイモ派とジャガイモ派に分かれると言ってもいいほど、この2つが人気を二分しています。サツマイモとジャガイモについて、詳しく見ていきましょう。
サツマイモはヒルガオ科サツマイモ属の植物。温暖な気候で水はけのよい土壌を好みます。国内の主産地は鹿児島県を筆頭に、茨城県、千葉県、宮崎県など。収穫量は年間で合計70万トン以上(2020年産)に上り、鹿児島県と茨城県の2県だけで40万トンに達します。
主な用途先を見ると、青果用が5割を占め、残りは加工食品用、アルコール用、デンプン原料用など。青果用はわずかに減少が続いており、アルコール用も焼酎ブームの沈静化を背景に減少が続いています。
青果用の品種は、関東を中心に「ベニアズマ」、関西や南九州では「高系14号」が栽培されています。最近では、ネットリとした食感の「べにはるか」の作付けが拡大しています。
加工食品用のサツマイモの生産量が多いのは、茨城県や宮崎県。また、宮崎県や鹿児島県では焼酎用の生産量が多いのも特徴です。九州のイモ焼酎は根強い人気を誇りますが、原料のサツマイモも地元で栽培されているわけですね。
サツマイモの国内需要は2021年度が約71万トン。国産が9割以上をカバーしています。
国産ジャガイモの5割が加工食品に
ジャガイモはナス科ナス属の植物。涼しい気候に適しており、北海道の主力作物です。
青果用、加工用、デンプン原料用などの用途に合わせて、それぞれに適した品種が栽培されています。青果用では「男爵イモ」「メークイン」が知られています。ポテトチップスに適したものとして「トヨシロ」、フレンチフライには「ホッカイコガネ」などがあります。
2021年産の用途別構成比を見ると、生食用が17%、加工食品用が51%、デンプン原料用が22%。加工食品用が増加し、生食用とデンプン原料用が減少傾向にあります。
国内の収穫量は合計で約218万トン(21年度)。主産地の北海道は約168万トンに上ります。そのほか、茨城県や千葉県、長崎県、鹿児島県などでも栽培されています。
国内生産量は220~240万トンで推移し、一方、国内需要量は約330万トン。国産でカバーできない分については、冷凍加工品の輸入(約100万トン)によって補っています。ここ数年は、国内生産量も輸入量もほぼ横ばいで推移しています。
イモ類の栄養成分。食物繊維、ビタミンC、カリウム・・・
イモ類の栄養成分について、食物繊維が豊富ということは知られていますが、ビタミン類やミネラル類などもリッチです。
サツマイモはビタミンCを多く含有し、加熱しても壊れにくい形で含まれています。このほか、食物繊維をはじめ、カリウム・カルシウム・リン・鉄といったミネラル類、カロチンやビタミンB1・B2も豊富です。
ジャガイモも食物繊維をはじめ、ビタミンCを多く含みます。ビタミンB群やカリウム、マグネシウムなども摂取できます。
ヤマイモには、「アミラーゼ」などの酵素が多く含まれ、消化を助ける働きがあります。これに加えて、食物繊維・カリウム・マグネシウム・鉄・ビタミンB1・ビタミンCなども豊富です。
サトイモは、カリウムの多さが特長。このほか、たんぱく質や食物繊維、リンなども摂れます。
寒い季節には旬のイモ類を食卓に
冬場は焼きイモや煮物がおいしい季節。小腹が空いたときには、干しイモやフライドポテトを口にする方も多いのではないでしょうか。
おいしく楽しめるだけでなく、イモ類には健康維持に不可欠な食物繊維やビタミン・ミネラルなどが豊富に含まれています。寒い季節には、日頃の食事に旬のイモ類を積極的に取り入れてみましょう。