ソーダとサイダーとラムネの違いとは?
ソーダ、サイダー、ラムネは、炭酸水のシュワシュワ感と、ほんのりとした甘さがあり、似ています。ソーダ、サイダー、ラムネの違いとは何でしょうか。
ソーダとは何か?
ナトリウム化合物は、英語ではsoda(ソーダ)と言われます。ナトリウム化合物(soda)の中で、よく使われる炭酸ナトリウムであることから、ソーダ=炭酸ナトリウムと認識され、ナトリウムとソーダは同じように使われます。
最初の炭酸水は、レモネードに重曹(炭酸水素ナトリウム)を加えた物だと言われています。重曹は、炭酸水素ナトリウム以外にも呼び方があり、重炭酸ソーダと呼ばれます。炭酸水素ナトリウムは炭酸ナトリウムより比重が重いという意味です。
ソーダは、炭酸水は二酸化炭素を水に溶かした飲料を呼ぶこともあります。ソフトドリンクでは、飲み物に清涼感を与える目的で、炭酸水を原料の一つに使い、シュワッと泡立たせることがあります。
ナトリウムは関係ありません。なぜソーダと呼ばれるのでしょうか。
その理由は、歴史的に最初の炭酸水は、レモネードに重曹(炭酸水素ナトリウム)を加えたものだったことから、その名残だと言われています。
ラムネの歴史
「日本清涼飲料史」によると、ラムネが日本に初めてやってきたので、1853年(嘉永6年)にペリー提督が来航した際に、艦上で交渉に当たった幕府の役人に「炭酸レモネード」が振る舞われたと言われています。1862年(文久2年)頃に長崎で初めて「レモン水」として販売されました。
5月4日に初めて日本人にラムネ製造の許可が出たことから、この日が「ラムネの日」とされています。1872年(明治5年)5月4日に、東京の実業家・千葉勝五郎氏が「ラムネ(檸檬水)」と名付けた炭酸飲料の製造販売許可を取得しました。
「レモン水」は定着せずに、「Lemonade(レモネード)」がなまって、「ラムネ」と呼ばれるようになりました。
当初は瓶にコルク栓が使われていましたが、1920年代頃にはビー玉を使った栓が使われるようになりました。
ラムネは、日本の夏の風物詩として、長年愛され続けています。近年では、様々なフレーバーのラムネも販売されており、子供から大人まで幅広い世代に人気があります。
サイダーとは何か?
サイダーの起源は、古くから欧米で飲まれていたリンゴ酒に遡ります。フランス語でリンゴ酒を意味する「Cidre(シードル)」は、英語では「Cider(サイダー)」と言われます。
紀元前にローマ人がイギリス諸島に航海したことには、イギリスではリンゴから作ったサイダーを飲んでいたと言われています。つまり、サイダーはリンゴの果汁を発酵させて作られるアルコール飲料です。
18世紀頃には、サイダーと呼ばれる飲み物が欧米で流行しました。
日本にやってきたサイダー
1884年(明治17年)には、兵庫県多田村(現在の川西市)で湧き出る良質な炭酸水に着目した平野鉱泉所が、国産初のサイダー「三ツ矢平野水」を発売しました。その後サイダーフレーバーエッセンスを輸入して、「三ツ矢印の平野シャンペンサイダー」の製造し、これが現在の「三ツ矢サイダー」のルーツです。
「ラムネ」と「サイダー」の違い
アルコールが入っていなくても、リンゴ風味の炭酸飲料を「サイダー」と呼ぶようになり、当初のラムネとサイダーの違いは味でした。ラムネがレモン風味、サイダーがりんご風味。
時代の流れとともに、様々な風味の炭酸飲料が登場し、ラムネともサイダーとも呼ぶようになり、区別が曖昧に。
現在では、ビー玉で栓をしているものがラムネ、王冠やスクリューキャップで栓をしているものがサイダーとなりました。