子どもに好き嫌いがあるのはなぜ?その理由を紹介!
子どもには、好き嫌いをせず何でも食べてほしいと願うのは、親としての当たり前の感情です。
大人でも何かしら好き嫌いがあるという方はいますが、いつの間にか食べられるようになったという方も多いのではないでしょうか?
一般的に子どもは大人と比べて好き嫌いが多いという傾向にあります。
それでは、なぜ子どもには好き嫌いがあるのでしょう?ここでは、その理由について紹介していきたいと思います。
外では残さず食べているのに家で食べないのはなぜ?
小さなお子さんで、保育園や幼稚園、学校などでは残さずに食べることができているのに、家ではなかなか食べないということはありませんか?
外では食べられているのに、家だとどうして食べてくれないのだろうと悩んでいる方も多いかもしれません。
子どもの好き嫌いの原因はさまざまです。
家とは違う環境になると食べられたり、お友達と一緒だと食べられるなど、環境の変化によって食べられる場合もあるのです。その時の気分によって食べたり食べなかったりすることがあるのも、小さな子どもの特徴です。
兄弟や姉妹でも、好き嫌いが違う?
子どもに好き嫌いが多いと、親の躾が悪いと責められたり、子どもの発育に問題があるのではないかなど、さまざまなことを言われて悩んでいる方も少なくありません。
しかし、同じように育てていても、兄弟や姉妹によって好き嫌いが全く違うということも珍しくありません。
一人は好き嫌いが全くないのに、もう一人は好き嫌いがとても多いと言うことも十分あり得るのです。
たとえ成長に差のない双子同士であっても、まったく好き嫌いが違うということもあるので、躾や発育のせいとばかり気に悩む必要はないでしょう。
子どもの好き嫌いの原因
子どもの好き嫌いの原因には、さまざまなことが考えられます。大きく分けると遺伝的な要因と環境的な要因に分けることができるのです。
それぞれ見ていきましょう。
1.遺伝的要因
まず一つ目は、遺伝的要因です。
ここでいう遺伝的要因というのは、親が嫌いな食べ物が子どもにも遺伝して、子どもまで嫌いになっているなどということではありません。
人間が生まれながらに持つ、本能的な機能のことです。
たとえば、離乳食が始まる生後半年頃から1、2歳までの子どもの好き嫌いは、おもに遺伝的な要因が関係していると考えられます。
遺伝的な要因で好き嫌いがある場合は、月齢が進みにつれ、自然と食べられるようになることが多いです。
遺伝的な要因には、おもに次のようなものがあります。
子どもは大人より味覚が敏感
幼少期は大人と比べ味覚が非常に敏感で、薄味でもしっかり感じることができます。
舌には味覚を感じることができるセンサーである味蕾と呼ばれる器官が存在します。味蕾は、実は生後3か月頃に最も発達し、大人になるにつれて味蕾を構成する細胞の数は段々と減っていくのです。
そのため、味蕾がもっとも発達している子ども時代は、味を敏感に感じやすく好き嫌いがはっきりしやすくなっているのです。
苦味や酸味を拒否する
味覚とは、甘味、酸味、苦味、塩味、うま味の五味からなるものです。
このなかで、ヒトは本能的に酸味を「腐敗しているもの」として捉え、苦味は「毒のあるもの」として捉える傾向があります。
これは、体に危害のあるものを排除しようとする防衛本能のようなもので、生きものにとっては非常に重要な機能です。
ヒトは大人になるにつれ、経験によって食べても良いものと食べてはいけないものの判断がつくようになりますが、経験のない子どもは本能的に酸味や苦味を受け付けません。
ピーマンは子どもの嫌いな食べ物の代表格でもありますが、このような苦みの強い食材は、「毒のあるもの」として捉え、本能的に拒否してしまう傾向にあります。
これは、ごく自然のことなのです。
見た目で拒否する
子どもは、食べ物の見た目で嫌悪感を抱き、食欲を無くすこともあります。
例えば、野菜や果物などは一般的に未熟なものは青く、熟していくと段々赤くなるものが多いのですが、子どもはそれを本能的に理解していると言われているのです。
そのため、緑色の野菜は「熟していない食べ物」として、本能的に食べてはいけないものと考えます。
ピーマンが苦手な子どもが多いのも、苦みだけでなく見た目が原因となっている場合もあるのです。
2.環境的要因
環境的要因とは、生活していくうえでの経験によって与える影響のことです。
子どもがどのような食生活を送っているのかが、好き嫌いに影響することがあります。
環境的要因には、おもに次のようなものがあります。
食べたことが無いものは苦手
食べたことが無い食べ物も、好き嫌いの原因の一つになっています。
これまでに食べた経験のない食べ物は、大人でもやや抵抗があるもの。経験の少ない子どもでは、味や食感の想像がつかず、より苦手に感じやすいのです。
親が嫌いで食卓に出てこない食べ物だと、見たことが無いためより警戒しやすくなる傾向にあります。
食べたときに嫌な思いをした
食べたときに何かしら嫌な思いをした経験があると、再び同じものを食べるときにどうしてもその時のことを思い出してしまうため、食べるのを拒絶してしまう原因となってしまいます。
以前食べたときに、食べるのにすごく時間がかかって大人に怒られたり、マナーを厳しく注意されたりしていると、子どもはその時のことを覚えていて食事が嫌になってしまうことがあるのです。
また、食べたときにお腹が痛くなったり吐いてしまったりなど、体調不良になった経験がある食べ物は、味に関係なくその食べ物に嫌悪感を抱き、嫌いな食べ物となってしまうことがあります。
まとめ
これまで、子どもに好き嫌いが多く悩んでいたという方も多いかもしれません。しかし、子どもに好き嫌いがあるのは、ごく自然のことと言えます。もちろん、好き嫌いなく何でも食べることができればいいのですが、それはラッキーなこととして捉えるのが良いでしょう。子どもの好き嫌いは本能的なものも多いので、好き嫌いがあっても、小さいうちはあまり深刻にならず、まずは長い目で見守っていくのが大切ですね。