現役ファーマーが教える!気温差に負けない体をつくる根菜料理

「季節の変わり目になると、体がだるい」「冷房の効いた室内と外の暑さでぐったり」──そんな“夏の寒暖差”に、体がついていかないと感じたことはありませんか?
実はそれ、“寒暖差疲労”と呼ばれる症状の一つです。
自律神経の乱れが原因で、だるさ、頭痛、食欲不振、寝ても取れない疲労感など、さまざまな体調不良を引き起こします。
私は1年を通して野菜を育てる現役のファーマーですが、そんな夏の不調におすすめしたいのが「根菜」。
土の中で育つ根菜は、寒暖差にも強く、私たちの体を内側から整えてくれる優秀な食材です。
この記事では、夏の不調を整える「根菜の力」と、根菜を上手に取り入れるコツをご紹介します。
寒暖差で乱れる自律神経と“夏の不調”の関係
夏バテとは少し違う、7〜8月特有の不調。
その大きな原因が「1日の中の気温差」による“寒暖差疲労”です。
- キンキンに冷えた室内と、うだるような屋外との出入り
- 朝晩と日中の温度差
- アイスや冷たい飲み物のとりすぎ
こうした刺激が自律神経に負担をかけ、体温調節や回復機能がうまく働かなくなります。
特に気温差が7℃以上あると、自律神経は頻繁に「オン・オフの切り替え」を強いられ、体も心も疲れてしまうのです。
寒暖差疲労の主な症状
- 全身のだるさ、疲労感
- 頭痛、めまい
- 肩こり、首こり
- 寝つきの悪さ、睡眠の質の低下、寝ても疲れが取れない
- 食欲不振、胃もたれ
- 手足の冷え、むくみ
- 気分の落ち込み・イライラ
中でも「腸の冷え」からくる不調があります。
実は、自律神経と腸の働きは、とても深くつながっています。
自律神経と腸の深い関係
腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど、心と体の調子を左右する重要な器官。
最近の研究では「腸内環境の悪化が、自律神経のバランスを崩す」とも報告されています。
腸は、リラックス時に活発になる「副交感神経」が働いているときに、最もよく動きます。
しかし、体が冷えると腸の動きが鈍くなり、消化不良や便秘などにつながります。
結果的に、免疫力や代謝も落ちてしまい、夏の不調が長引いてしまうのです。
そこで大切なのが、「腸を冷やさない」「腸にやさしい栄養素をとる」
この2つを叶える食材として、ぴったりなのが「根菜」なのです。
根菜が“寒暖差に負けない体”をつくる理由
地中でじっくり育つ根菜は、気温の変化に強く、栄養がぎゅっと詰まった食材。
実際、根菜に含まれる栄養素は、自律神経の安定や冷えの予防に役立つといわれています。
野菜 | 栄養素 | 効能 |
---|---|---|
にんじん | β-カロテン | 抗酸化作用と粘膜の保護に役立つ |
ごぼう | 食物繊維 | 腸内環境を整える |
れんこん | ビタミンCやタンニン | ストレス軽減・肌荒れ対策 |
かぶ・大根 | アミラーゼ、ビタミンC | 胃腸の調子を整える |
新しょうが | ショウガオール | 血流促進・冷え対策 |
ビーツ | ポリフェノール、カリウム | むくみ解消・抗酸化作用 |
にんにく | アリシン | 免疫強化・体温アップ |
根菜は「腸活」や「体温調節」にも心強い味方。夏場の体調管理に、まさに理想的な食材です。
夏におすすめの食べ方と生活への取り入れ方
冷たいサラダより温野菜が◎
暑いからといって冷えたサラダばかり食べていませんか?
根菜は加熱することで食物繊維がやわらかくなり、腸への負担が減り吸収効率がアップします。温野菜、スープ、煮物などがおすすめです。
冷房環境にいる人は、夕食に「根菜」
日中に冷え切った体をリセットするには、夕食での根菜摂取が効果的。
例えば、ごぼう、しょうが、大根を使った味噌汁や煮物は、体を内側から温め、寝つきや回復力にもつながります。