マリーゴールド
春から秋にかけて、鮮やかな黄色や濃いオレンジ色の花を咲かせるマリーゴールド。学校や公園の花壇、庭先などでよく見かけますね。この可愛らしい花には「ルテイン」などの成分が含まれていて、サプリメント原料に使用されるなど、健康への効果も期待されています。マリーゴールドの基礎知識、有効成分、学術研究などについて見ていきましょう。
マリーゴールドはキク科の一年草
フレンチ、アフリカン、メキシカンなど多種類
マリーゴールドはキク科コウオウソウ属の一年草です。「マリー」は聖母マリア、「ゴールド」は黄金色の花を意味していると言われています。
鑑賞用としては、フレンチ・マリーゴールド、アフリカン・マリーゴールド、メキシカン・マリーゴールドがよく知られています。このほか、米国で改良されたアメリカン・マリーゴールドなどもあります。
花の色・形が似ているために、キンセンカ(ポットマリーゴールド)とマリーゴールドを同一視する傾向もあります。しかし、正確に言えば属種が異なることから、別の植物として区分されています。
マリーゴールドは鮮やかな黄色やオレンジ色の花
育てやすい定番の鑑賞用植物
マリーゴールドは鮮やかな黄色やオレンジ色の花が印象的ですね。日本でも鑑賞用の植物として定番となっています。
全国各地の公園や学校などの花壇でよく見かけますよね。マリーゴールドは丈夫な植物で、栽培しやすい点が特長の一つです。品種もいくつかあり、花の色合いやサイズが異なるので、組み合わせを工夫すれば私たちの目をいっそう楽しませてくれるでしょう。
マリーゴールドの花は、5月頃から11月頃まで楽しむことが可能です。代表的なフレンチ・マリーゴールドは30cm程度の背丈で、濃いオレンジ色などの花を咲かせます。アフリカン・マリーゴールドは成長すると1mほどにもなります。
マリーゴールドの原産地はメキシコ
フレンチ・マリーゴールドやアフリカン・マリーゴールドといった名称の種類がありますが、原産地はメキシコです。
アメリカ大陸の熱帯地域や温帯地域などの温かい土地に、多種類のマリーゴールドが生息しています。
マリーゴールドの栄養的な特徴
ルテイン、ケルセチンなどを多く含む
マリーゴールドには「ルテイン」「ケルセチン」などの成分が含まれています。
ルテインはマリーゴールドに限らず、さまざまな植物の葉や黄色の花に含まれています。また、ホウレンソウ・ケール・ブロッコリーといった野菜、卵黄にも豊富に含まれています。
ルテインはカロテノイドの1種で、ビタミンAに変換されないキサントフィルの一つ。私たちの体内では、ゼアキサンチンという成分とともに、目の網膜の中央にある「黄斑部」と呼ばれる組織に存在しています。
ケルセチンはフラボノイドの1種で、この成分もさまざまな植物に含まれています。特にアブラナ科の野菜、タマネギ、緑茶、ワインなどに豊富に含まれています。ケルセチンについては、抗酸化作用や抗炎症作用などが報告されています。
また、日本では食品添加物(着色料)の原料として、フレンチ・マリーゴールドやアフリカン・マリーゴールドなどが使用できます。主に、飲料やゼリーなどの色素として使用されています。
目の黄斑部の色素量を維持、コントラスト感度の改善効果も
マリーゴールド由来のルテインについては、サプリメントの配合成分として利用されていますが、どのような効果が期待されるのでしょうか。
前述したとおり、ルテインは目の黄斑部に多く存在します。ルテインは体内でつくることができないため、食事から取ることが必要です。
不足すると、黄斑変性などの衰えが顕著になってきます。ルテインには、こうした目の衰えの原因となる活性酸素を抑制する作用が期待されています。また、ブルーライトなどの光刺激から目を守る働きも報告されています。
こうした学術研究は国内外で広く行われ、良好な結果が得られています。加齢により減少する網膜の黄斑色素量を維持することで、目のコントラスト感度を改善する機能が報告されていて、機能性表示食品の科学的根拠として活用されています。
ルテインの安全性については、適切に摂取する限り安全とみられています。ただし、子どもがサプリメントなどの濃縮物を摂取する場合は、安全性に関する十分なデータが不足していますので、使用を避けることが必要です。
目の健康をサポートするマリーゴールド由来のルテイン
ここまで見てきたとおり、マリーゴールドは育てやすく、家庭でも栽培できますので、鑑賞用として最適。また、マリーゴールドに含まれるルテインは、年齢とともに衰える目の健康に役立ちます。
理想を言えば、野菜・果物など食事から十分にルテインを摂取することが必要ですが、外食が多いなど食事内容に不安がある場合にはサプリメントの利用も選択肢となります。それ以前の問題として、まずはパソコンやスマホの使い過ぎに注意して、目を労わってくださいね。