マカ
サプリメントの原料として定番となったマカ。ペルーを原産地とし、今では日本国内でも栽培されるようになりました。マカには、ミネラルやアミノ酸をはじめとするさまざまな栄養成分が豊富に含まれています。私たちの健康をサポートしてくれるスーパーフード、マカについてお話します。
サプリメント原料として人気のマカ
マカは南米ペルーに生息するアブラナ科の多年生植物。球根野菜の1つで、根の部分にさまざまな栄養成分が蓄えられています。
古代から栽培され、スープや飲料などに利用されてきました。インカ帝国の時代には、兵士の貴重な栄養源として重宝されたと伝えられています。
10月頃に種をまいて、6月頃から収穫が始まります。収穫したマカは、天日干しによって乾燥させます。
マカは、土中の栄養成分をまんべんなく吸い上げて育ちます。マカを植えた土地はしばらくの間、ほかの作物が育たない状態となることから、土地を休ませる必要があります。
現在、マカの根は健康食品やサプリメント、清涼飲料水に使用され、活力系の人気素材として定番化しています。さらに、栄養が満点なため、宇宙空間で働く飛行士の体力や健康を考えて、宇宙食にも利用されてきました。
厳しい自然環境のアンデス山脈で栽培
ペルーでは、アンデス山脈の海抜4000メートル以上の高地がマカの栽培地です。主要な産地として、ボンボン高原が知られています。
夏場でも昼間の気温が20℃くらいで、夜になるとマイナス10℃超にもなります。昼夜の激しい温度差に加え、強い日差しや紫外線が降り注ぐ。そうした厳しい自然環境の中で、マカは土中の栄養成分を貪欲に吸収しながら生育します。
生命力が極めて強く、大地から栄養成分を吸収したマカは、ペルーから世界各国へ輸出されています。
近年では、日本国内でも栽培されるようになりました。およそ30年前の1990年代から、国内栽培を開始。当初、日本での栽培は困難と見られていましが、今では福島県会津地方をはじめ、各地で生産されています。
マカには種類がある、黄マカ・赤マカ・黒マカ
マカの根は、黄・赤・黒・ピンク・紫といった色をしたものがあります。多数の種類が存在しますが、健康食品やサプリメントに使用される主なものとして、大きく分けると、黄色・赤色・黒色のマカがあります。
一般的にマカと呼ばれるのが、黄マカです。一方、赤マカや黒マカは希少で、含有成分の組成もそれぞれ異なっています。
サプリメントの場合、黄マカをベースにした製品のほか、赤マカや黒マカを加えた製品も見られます。
マカの栄養的な特長、ミネラル・ビタミン、アミノ酸、たんぱく質・・・
マカはスーパーフードとして知られています。特に、ミネラルやアミノ酸を豊富に含んでいることが、栄養面の特長です。
ミネラル類は、カリウム・カルシウム・鉄・亜鉛・リン・マグネシウムなどが豊富です。
アミノ酸は、アルギニンやグルタミン酸、アスパラギン酸をはじめ、アラニン・メチオニン・ロイシン・イソロイシン・チロシン・バリン・グリシンといった多種類を含有しています。
ビタミン類については、ビタミンB群やビタミンCなどがあります。
このほか、グルコシノレート類、オレイン酸、オレイン酸も含まれています。また、たんぱく質も多く、植物性たんぱく質を摂取したい方にも適しています。
このようにマカは、ミネラル類・アミノ酸・たんぱく質などを多く含む「完全栄養食」なのですね。
いくつかの有効性に関する研究は発展途上
マカのいくつかの有効性に関する研究は、ペルーで行われたものが中心です。主なものとして、マカの活力系の効果を調べた二重盲検プラセボ対照無作為化並行試験があります。
被験者をグループ分けし、それぞれにマカとプラセボ食を12週間にわたって摂取させ、グループ間の差を比較しました。21~56 歳の男性に、マカを1,500mgまたは3,000mg、プラセボのいずれかを摂取してもらいました。
その結果、摂取開始から8週間以降で、性的欲求の改善が観察されたと報告しています。ただし、男性ホルモンについては、グループ間で差が認められませんでした。
このほか、小規模なヒト試験や動物実験など、いくつかの研究が報告されていますが、マカの有効性については、今後の研究の進展が待たれる段階にあります。
一方、健康食品やサプリメントの宣伝を見ると、マカの有効性について「更年期障害の症状を改善」といった言葉を見かけますが、十分な根拠はありません。
特に注意すべきなのは「妊活」をうたった広告。というのも、妊娠率を向上させる食品自体が確認されていないのです。
毎日の健康維持をサポート
今回説明したように、マカは栄養満点のスーパーフードです。あなたの毎日の健康に貢献してくれることでしょう。
大げさな効果をうたった広告を鵜呑みにせずに、日々の体調管理や健康のために、マカを利用してみましょう。