ノニ
ノニは、アカネ科の常緑小高木で、インドネシア、東南アジア、インドが原産で主に赤道付近の太平洋の島々で自生しています。
インディアン・マルベリー、モリンダ、タヒチノニなどとも呼ばれることもあり、呼び名が様々です。ノニの栽培地域や形状、利用方法に由来しているため、どの呼び名が使われるかもその時々で変わります。
国産のノニは、和名で八重山青木(ヤエヤマアオキ)と呼ばれます。日本では沖縄各地で古くから自然に存在していて、現在も沖縄諸島、宮古諸島、八重山諸島、小笠原の海岸林に点在します。
ノニの特徴、熟すと臭い?
ノニの木は高さ8~10メートル程度に成長します。葉は広く、広楕円形で大きく、濃い緑色をしています。
果実は直径10~18センチメートル程度で、果皮は薄緑色で表面に斑点があります。熟すと黄色または白っぽく変色し異臭を放ちます。完全に熟す前に手で収穫されます。
果実の表面は突起があり、ゴツゴツした外見をしています。
その果実は、古くから民間薬として利用されていました。ノニの葉も皮膚に直接塗られ、粘膜や皮膚の炎症の治療に使われていました。ノニはポリネシアの島々では「ハーブの女王」、「神からの贈り物」と呼ばれ、古来より美容や健康維持などに役立てられています。
近年ではその健康効果が注目されています。特に、ノニ果実にはさまざまな有用成分が含まれているため、食品やサプリメント、化粧品に利用されています。
沖縄のノニは、健康ブームにより乱伐が相次ぎ、沖縄県レッドデータブックの絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されてしまいました。
ノニ果実の成分と特徴
ノニの果実は、非常に強い匂いを放つことで知られています。熟すとその匂いは発酵したような臭いを伴い、少し不快感を感じる人も多いです。しかし、この特有の匂いは、果実が含む有効成分に関連しています。
ノニ果実には、ビタミンC、ビタミンA、ミネラル(カルシウム、鉄分、マグネシウム)、アミノ酸、ポリフェノール類などが豊富に含まれています。また、抗酸化物質や抗炎症成分も多く含まれ、健康に良い影響を与えるとされています。
ノニ果実の利用用途はジュースから美容まで幅広い
健康食品としての利用
ノニは、古くからその薬効が知られ、特に南太平洋のポリネシア地域では「神の果実」とも呼ばれ、健康維持や病気の予防に使用されています。ノニジュースやノニパウダーは、免疫力の強化、抗炎症作用、抗酸化作用、消化促進などの効果があるとされています。
ノニジュースを飲んだ人は、プラセボグループと比較して、タバコの煙による酸化損傷が減少した報告もあります[※1]。
ノニジュースが血圧と心拍数を低下させることもわかりました[※2]。
ピュアなノニジュースは苦くて、ほとんどの人の口に合わないそうです。ハワイでは、実を発酵させてジュースに混ぜたり、天然薬として使っています。
そのため砂糖など甘味料で調整されていることが多く、ジュースに含まれる他の成分に注意を払うことが重要です。
また、ノニはその健康効果を伝えるサプリメントとして人気があり、エキスや粉末状に加工されて販売されています。
特に、免疫力向上、エネルギー増加、血糖値の安定化などに関心が高まっており、日常的に摂取することで体調管理をサポートする目的で利用されます。
スキンケア用品に配合されバリア機能を改善
ノニには抗酸化作用や抗炎症作用があるため、肌の健康維持やアンチエイジングに利用されることがあります。特に肌のバリア機能を改善し、肌の見た目や手触り感が改善したという報告があります。
ノニは、その特異な香りと強力な薬効成分から、伝統的な医療だけでなく健康食品やスキンケアの配合成分としても多くの注目を集めている植物です。抗酸化作用や免疫サポート、スキンケア効果など、その利用方法は多岐に渡ります。