クロモジ
日本原産の香木クロモジ
「クロモジ(黒文字)」は、クスノキ科の落葉低木で、北海道を除いた全国の低山に生育しています。日本原産のハーブでもあり、枝は高級楊枝の材料にもなります。クロモジから作られた高級楊枝は「黒文字」と呼ばれています。
- 科属:クスノキ科クロモジ属
- 和名:クロモジ(黒文字)
- 学名:Lindera umbellata
- 英名:spicebush
クロモジの歴史
クロモジの歴史は古く、安土桃山時代に千利休がお茶をふるまう際の和菓子に、クロモジを使った爪楊枝を用いたのが始まりとされています。品ある香りで、切り口も非常に美しいことから、それ以降も和菓子をふるまうときなどによく利用されています。
また、大正末期ごろまでは、クロモジの先端を房状にしたものを「ふさ楊枝」と呼び、歯ブラシとして使用していたとも言われています。
クロモジの特長
クロモジはリナロールを多く含んでいて、アロマテラピーとしても使われ、品がよく神聖な香りが特徴です。 また、烏樟(ウショウ)と呼ばれる漢方薬はクロモジの樹皮で、養命酒にも使われている生薬の一つです。 烏樟というクロモジの幹と枝から取れる生薬は、鎮静催眠、去痰・鎮咳の作用があります。根皮(釣樟)は芳香性健胃作用があります。 お茶として口に含むことで、口中を消毒して虫歯を防いでくれます。また清涼剤としても使われます。粉末にして浴剤にすることで、皮膚病の改善に利用されます。
精神面への効果
鎮静作用に優れているため、気持ちを落ち着かせたいときや、不安を軽減したいときなどに利用するとよいでしょう。鎮静作用があるため、気持ちを高めて仕事や勉強に集中したいときには不向きです。
身体面への効果
抗ウィルス作用や、抗菌作用があります。血圧を下げる作用がありますので、低血圧の人には注意が必要です。免疫を活性化させる作用もあります。
皮膚への効果
肌の保湿作用やアンチエイジングの効果があります。