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資生堂、美容による日々の行動意識への影響を測定できる尺度を開発

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YOKARE編集部
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資生堂、美容による日々の行動意識への影響を測定できる尺度を開発

資生堂では独自のR&D理念『DYNAMIC HARMONY』の Science/Creativityというアプローチのもと、美容行為がもたらす気持ちや行動の変化など、これまで定量化が難しかった現象について、科学的に探究を行っています。

資生堂は、美容行為やその結果が、日々の行動意識( 自らの行動に影響をあたえうる、自身の意識のこと。)にどのような影響を及ぼすかを定量的に測定できる、行動意識尺度を新たに開発しました。その結果、行動変容の意識は下記の表2の記載の通り、4つの尺度で構成されること、またそれら尺度は16の質問項目によるアンケートで測定できることを見出しました。4つの尺度は、誰のための行動であるか(利他的または利己的)と、行動の種類(外見・外面的または内面・内省的)の2側面があると考えられました。


 
得られた各尺度における年代別の得点傾向は、年代が高いほど「思いやりある他者交流」に対しての意識が高く、人生経験を積むことで思いやりをもって他者と接するようになることがわかりました。また、年代が低いほど「自己の外見意識」は高く、若い年代ほど自身の外見を意識することがわかりました。

肌悩みの解消が、ポジティブな感情や行動につながる可能性を確認

さらに資生堂では、お客さまの肌悩みが解消すると行動意識がどのように変化するか、その検証を行うために、シミを一例として実験を行いました。35-59歳の日本人女性のうち、シミを気にする方でファンデーションでも隠し切れないシミのある方32名を対象に、素肌の顔画像と、素肌からシミを消す画像処理を施した顔画像(図1)を見ていただき、すでに開発済の化粧の感情意識尺度と今回開発した4つの行動意識尺度の質問紙に回答いただきました。


 
その結果、シミのない画像を見ることで快活高揚等のポジティブな感情が有意に高まり、肯定・外向などの意識が有意に向上することを確認しました(図3)。さらに行動意識は4つの尺度全てが有意に向上することが確認できました(図4)。 


シミがないことにより「自己の外見意識」が向上するだけではなく、その他の「自己の内面意識」や「積極的な他者交流」も向上するなど、さまざまな行動意識を高めることが確認できました。今回の結果から、肌悩みの解消によりポジティブな感情や行動につながる可能性が考えられました。

また、今回開発した尺度を用いて、「シミがない肌」がお客さまにもたらす感情や行動意識の変化を検証したところ、ポジティブな感情が全体的に高まり、「自分から誘って、友達や誰かと会う」といった「他者と積極的に交流する」ことを示す外向的な行動意識などが高まることがわかりました。


本研究の成果の一部は、「第17回日本感性工学会春季大会」(2022/3/25-3/26)にて発表しました。


 

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