2022年のカレートレンド発表、ブレイク間違いなしは「新欧風カレー」
カレーは、インドカレー、タイカレー、薬膳カレー、欧風カレーとさまざまな種類があり、国際的に人気です。
今や日本の国民食のような存在のカレーは明治時代に日本に伝わりました。18世紀にインドのベンガル地方を植民地として支配していたイギリスが、現地の料理をイギリスに持ち帰って紹介したことがきっかけとされています。イギリスで欧風にアレンジされたカレーが日本に伝わり、さらに日本風にアレンジされて、今のカレーになっています。カレー総合研究所は、2022年のカレートレンドを「新欧風カレー」と予測しました、新欧風カレーとはどのようなカレーなのでしょう。
日本でのカレーの歴史
日本初のカレー粉は誰が製造したの?
日本人で初めてカレーを食べた人は物理学者の山川健次郎と言われています。1871年(明治4年)に米国留学に向かう船上でライスカレーに出会ったとされています。
1873年(明治6年)、旧日本軍の陸軍将校を養成する全寮制の「陸軍幼年学校」において、土曜日の昼食は「ライスカレー」という献立が導入されました。
早稲田生に愛された早稲田の「三朝庵」(2018年に閉店)では、1904年にカレーうどんを販売していました。
1905年(明治38年)に薬種問屋である「ハチ食品」(当時の今村弥)が日本初の国産カレー粉を発売しました。
1923年(大正12年)になると、初の国産カレー粉が登場。初の国産カレー粉はエスビー食品(当時の日賀志屋)が製造し、洋食屋やレストランだけでなく、次第に一般家庭でもカレーライスが作られるようになりました。
ハチ食品、エスビー食品ともに、「日本初の国産カレー粉」と自社のWebサイトではそれぞれで主張しています。現ハチ食品が販売を開始したのは早いのであるが、エスビー食品側は「原料を一から調合し開発したという意味で国産初」と主張しています。
「金曜日にカレー」はなぜ?
戦後、海上自衛隊で週休2日制が導入され、カレーを食べる慣習が土曜日から金曜日となったそうです。この慣習がマスメディア等によって広く紹介された結果、「よこすか海軍カレー」、「呉海自カレー」、「佐世保GC1グランプリ」、「元祖海軍カレイライス」「大湊海自カレー」「まいづる海自カレー」と、海上自衛隊カレーが続々と登場しました。
1982年(昭和57年)には社団法人全国学校栄養士協議会が、学校給食週間の前に子どもたちに好まれていたカレーを全国の学校給食メニューとして提供を呼びかけたことにちなんで、1月22日が「カレーの日」に制定されました。
2022年のカレートレンド「新欧風カレー」
カレー総合研究所は、2022年のカレートレンドを「新欧風カレー」と予測しました。「新欧風カレー」とは、ヨーロッパ式の日本で独自の進化を遂げてきた「欧風カレー」がさらに発展したカレーです。今年、もう一段階の発展を見せ、近年、「新欧風カレー」と呼ばれ人気が急上昇しトレンドになると予想されています。
新欧風カレーは、これまで以上にさまざまな角度から、カレーの味やビジュアルなどが追求されています。カレー総合研究所が体系立てた新欧風カレーの系統別特徴は、次のとおりです。
新欧風カレーの系統別特徴
<具材特化>
- 高級プレミアム系…松坂牛・名古屋コーチン・黒豚・飛騨牛などのブランド肉を使用
- 欧風キーマ系…欧風カレーとキーマカレーをミックスした新しいカレー
- ビーフシチュー系…ビーフシチューをベースにしたカレー
- 魚介系…エビやイカ、アサリ、ホタテなどを使用
- フルーツ系…マンゴやバナナなどさまざまな果物を使用
- 新三種の神器系…タマネギ・ジャガイモ・ニンジン以外の野菜を使用
<スパイス特化>
- スパイスカレー系…複数のスパイスを組み合わせて使用
- 新スパイス系…カカオや八角などを使用
<トッピング>
- 新カツカレー系…カツの素材や味、大きさ、盛り付けなどにこだわったカレー
<フュージョン>
- ビジュアル系…楽しさやインパクトのある盛り付けで“映える”カレー
- シーン別系…筋トレ中の人向け、アウトドア用など場面に合わせたカレー
- 新感覚系…土鍋で炊いたごはんと一緒に食べるカレーなど
欧風カレー、インドカレー、タイカレーなど種類が豊富なカレー。健康効果を考えると、欧風カレーより薬膳カレーや本格インドカレー。また、家で作る際は、動物性油脂がたくさん含まれているカレールゥを使うよりも、カレー粉で作るのがオススメ。