お肌でのATP(アデノシン三リン酸)不足ってどんな症状が出るの?
ATP(アデノシン三リン酸)とは?
アデノシンは体内に自然に存在しています。アデノシンに3つのリン酸基が結合して作られアデノシン三リン酸(adenosine triphosphate:ATP) と言います。
ATP(アデノシン三リン酸は、生体内に普遍的に存在し、生命活動に必要なエネルギーを貯蔵、媒介、放出します。
運動すると、ATPは分解され、その際にエネルギーを放出します。このエネルギーを使って筋の収縮が行われます。運動を持続したり、再び運動を行ったりするには体内でATPを再合成し、体の中でATPを再度作り出すことによって持続して動けることになります。
競技スポーツでもATPは重要です。ATPの再合成の過程は運動強度によって大きく3種類に分かれています。トレーニングによってどの再合成を強化するかも違ってくるので、競技特有のエネルギー産生を強化することは重要なテーマと言えます。
競技特有の運動特性に合わせたトレーニングを行うことで、その競技にエネルギー供給システムを特化して向上させる研究も進んでいて、実際にトレーニングに組み込まれています。
ATP(アデノシン三リン酸)とお肌の関係
競技スポーツの向上では、ATP再合成は重要視され、トレーニングにもATP再合成を強化する方法が取り入れられていますが、ATPはお肌でも注目されています。
年齢を重ねるにつれて、お肌の真皮層の ATP レベルが低下し、エネルギー不足が生じます。エネルギー不足は見た目に影響を及ぼしてしまいます。
研究によると、ATP をスキンケアとして使用すると、より若々しく輝く肌が得られることがわかっています。皮膚の構成要素でもあるATPは、老化の出現を軽減するのに役立つ可能性があります。
老化防止
アデノシンは皮膚の表面にエネルギーを与えることでしわの出現を減らします。研究によると、アデノシンを含むスキンケアが肌の滑らかさの大幅な改善、目尻のしわの減少、眉間のしわの深さの減少につながることが示されています。
肌の修復
老化やフリーラジカルはコラーゲンタンパク質を分解する可能性があります。
ATPは、コラーゲンを増加させ、肌を強化し、肌を落ち着かせるのにも役立ちます。また、アデノシンは組織の修復と治癒を促進するのに優れています。
肌の炎症の鎮静効果
アデノシンは、損傷または感染した皮膚組織に急行する白血球である好中球を阻害することにより、炎症の影響を抑制します。アデノシンはコラーゲンを刺激する性質があるため、肌の弾力性と水分補給にも役立ちます。
お肌にATP(アデノシン三リン酸)が不足すると?
ミトコンドリアは、細胞の代謝を制御する重要な器官です。ミトコンドリアの本質的な役割は、ATP の生成で、ATP 生成の大部分 (約 90% ~ 95%) を占めます。ミトコンドリア機能を損なうと、皮膚の老化を悪化させる可能性があるという研究もあります。
皮膚の老化とATPの低下やミトコンドリアの損傷の関係は研究が続けられていますが、スキンケアに関する有用性に関しては主張はかなり単純化され、行き過ぎているという医師もいます。
ATP はすべての細胞内プロセスの主要なエネルギー分子であることには変わりないでしょう。また、ミトコンドリアやATPは、大きな注目を集めていて研究も進められています。