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肌老化を測定するテクノロジー

美容
YOKARE編集部
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肌老化を測定するテクノロジー

革新的技術が競う次世代の肌解析市場——ロレアルの「セル バイオプリント」から花王、コーセー、再春館製薬所まで、解析技術により消費者が手軽に肌老化を測定できるようなっている。

2025年、肌解析技術の進化が新たな局面を迎えている。ロレアルは、韓国のスタートアップNanoEnTekと共同開発した卓上型デバイス「セル バイオプリント」をCES 2025で発表。

一方、花王は皮脂中のRNA発現情報を顔画像から推定する「肌遺伝子モード判定」技術を@cosmeアプリに搭載し、パーフェクト社のAI解析と連携。

コーセーや再春館製薬所も顔画像を分析して評価するサービスを提供している。

革新的な消費者向け肌解析技術「ロレアル セル バイオプリント」をCES 2025で発表

2025年1月7日、米・ラスベガスで開催されたCES® 2025で発表された「ロレアル セル バイオプリント」。わずか5分でパーソナライズされた肌分析を提供する卓上型ハードウェアデバイスだ。

人体のメカニズムが肌の見た目にどのように影響するかを明らかにする画期的なアプローチで研究を進めるロレアルのロンジェビティ統合科学(Longevity Integrative Science™)と、韓国のスタートアップ企業NanoEnTekとのパートナーシップによって開発された。

ロレアルでは、タンパク質組成が肌の老化に及ぼす影響に関して研究を行い、老化に影響を与えるタンパク質を特定した。特定したタンパク質バイオマーカーを5分以内に測定するNanoEnTek独自のマイクロ流体ラボオンチップ技術が搭載されている。

2025年後半にロレアル傘下のブランドでアジア圏において試験的に導入される予定になっている。

皮脂RNA発現情報に基づく肌タイプを顔画像から推定する「肌遺伝子モード」 

2019年に花王は、皮脂の中に人のRNA(リボ核酸)が存在することを発見し、RNA(リボ核酸)を分析する独自の解析技術を構築した。
RNAは、DNAの情報に基づき、酵素やホルモンなど体内でいろいろなはたらきをするタンパク質を生み出すもととなる分子で、体調や環境によって日々変化する。

2025年5月21日に、花王はスマートフォンで素顔の写真を撮影するだけで、皮脂中に含まれるRNA(皮脂RNA)発現情報に基づく肌タイプを即時に推定できる「肌遺伝子モード判定」技術を開発し、アイスタイルの@cosmeアプリに搭載されたことを発表した。
顔画像から皮脂中に含まれるRNA発現情報に基づく肌タイプを推定するための肌解析技術は、パーフェクト社による技術提供になる。
@cosmeの新機能「お肌のケアどき診断」では、肌遺伝子モード判定で、「C1」「C2」のどちらかになるかを判定され、ケアをした際の伸びしろが大きいと推測されるケアポイントとアドバイスが提供される。

ドモホルンリンクルのLINE公式アカウントで試せる新AI肌解析ツール「素肌美チェック」

再春館製薬所は、2024年11月からパーフェクト社のAIが搭載されている「ドモホルンリンクル」のLINE公式アカウントからAI肌解析ツール「素肌美チェック」を提供している。
スマートフォンやタブレットのカメラで撮影すると、AIによってお肌悩み7項目に対して肌が分析され、評価された結果が表示される。

未来のシワレベルを予測するWEBサービス「KOSÉ HADA mite (ハダミテ)」

2021年2月に、コーセーは、大学共同利用機関法人 情報 システム研究機構 統計数理研究所 医療健康データ科学研究センターの野間 の ま 久史 ひ さ し 准教授との共同研究 により、年齢と肌の状態から将来のシワ状態を予測する数理モデルを開発したことを発表。
目尻のシワの目視評価値(シワレベル)と、肌の状態の指標となる測定値(水分量、経皮水分蒸散量、皮脂量、肌色の明るさ、肌色の赤み、肌色の黄み)から予測モデルを検討した。最終的に年齢、肌色の明るさ、肌の赤み、皮脂量の4要素によって将来のシワレベ ルを予測したという。
2021年10月からスマートフォンやタブレットで撮影した顔写真の画像から、「今日」、「5年後」、「10年後」の3つの時間軸で“未来のシワレベルを予測”できるデジタルツールを開発し提供している。こちらもパーフェクトによるAI肌診断・肌色分析・バーチャルメイクツールが提供されている。

手軽に無料でお肌をチェックできる「オンラインBeauty Alive Circulation Check」

肌内部の美のめぐりを非接触で可視化する「Beauty Alive Circulation Check」は2021年7月より店頭で測定が可能だった。
さらに、2023年3月には、「オンラインBeauty Alive Circulation Check」で提供されて、スマホなどで撮影し、「透明感あふれる輝き」「ハリ・弾力」「なめらかさ」という3つのスコアが表示されるものだ。誰でも簡単に試せるサービスだ。

Beauty Alive Circulation Check
AIなどのテクノロジーの普及が進む中、肌診断にも応用が進んでいる。AI機能にしてもパラメーターを特定し、測定するスキームを考えるのは人間だ。テクノロジーの力だけで良し悪しは決まるものではなく、日々の研究から肌老化に影響を与える要素を特定し、そのマーカーを測るスキームが必要になる。さまざまなツールはあるが実施した後に納得感が得られるかは大きく、ブランドの信頼にも影響するだろう。撮影の仕方や光の加減でも肌年齢は10歳くらいの幅で前後することもある。

さまざまなメーカーの肌診断を試すことも消費者は化粧品を選択する一つになるかもしれない。
 

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