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老化を若返らせる注目の天然由来素材

美容
YOKARE編集部
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老化を若返らせる注目の天然由来素材

「抗酸化」だけでなく、「ミトコンドリアの再活性化」「幹細胞の活性化」「皮膚常在菌の制御」など、老化に多角的にアプローチする研究が進められ、天然由来素材による老化の抑制や老化からの回復が検討されています。

天然由来素材を機能性表示食品・化粧品の両方で展開していく可能性が高く、「内と外からのアプローチ」へ進むと思われます。

今回は、昨今の研究で明らかになった老化にアプローチする注目の天然由来素材を紹介します。

ハス胚芽エキス

ハスの茎はレンコン(蓮根)で、食卓でも身近な食材です。ハスは6月中旬から8月上旬にかけて、綺麗なお花を咲かせます。ハスの花の真ん中にある「花托(かたく)」には、花びらが落ちた後にハスの実が残ります。このハスの実の胚芽には芽を出して成長するためのパワーがあり、生薬としても用いられています。

ハス胚芽エキス

2022年10月に、丸善製薬と高知大学総合科学系複合領域科学部門・難波卓司准教授と共同研究で、ハス胚芽エキスに老化した皮膚線維芽細胞を若返らせる機能があることを明らかにしたことが発表されました。

皮膚線維芽細胞は皮膚の真皮層にある細胞で、コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンといったたんぱく質を作り出しています。肌が老化すると、この皮膚線維芽細胞のミトコンドリアの機能が低下してしまいます。

皮膚線維芽細胞のミトコンドリア機能を活性化することで、老化から回復することができるのではないかと着目したのが「ハス胚芽エキス」。

ハス胚芽エキスには、ミトコンドリアの再活性化を促進する作用があることが発見し、下記の皮膚機能の低下を改善する作用によって、肌を若返らせる可能性があることがわかりました。

  • オートファジーの再活性化を介したタンパク質恒常性の維持
  • 老化した皮膚線維芽細胞におけるⅠ型コラーゲンおよびヒアルロン酸の産生低下回復

ハス胚芽エキスは、老化に伴うシワやたるみ、乾燥などを予防・改善する効果が期待されています。

エンメイソウエキス

ミルボンでは、日本人女性の頭皮の細菌叢と頭皮・毛髪の状態を分析した研究から、エンテロコッカス属という主に腸などにいる細菌の存在比率が多い人ほど、頭皮が硬く、毛髪のうねりが強いことを明らかにしてきました。

2025年5月に、コーセーとミルボンの共同研究で、顔の肌状態にエンテロコッカス菌がどのような影響を与えているのかが調査され、公表されました。

その結果、エンテロコッカス菌が存在する人には、目の下のシワスコアが大きい、鼻のテカリスコアが大きいなどの肌状態の違いが認められました。さらにエンテロコッカス菌によって表皮細胞の生存率の低下、炎症の発生に関与するタンパク質の増加が確認されました。

研究により、エンテロコッカス菌をもつ人は炎症が肌で持続し、シワなどの老化が進みやすくなった可能性があることわかりました。

肌の炎症への対策として美容成分として、エンメイソウエキスに着目。

シソ科の多年草であるエンメイソウ(延命草)は、アジアの伝統的な薬草で、抗酸化効果が高いことで知られています。

研究により、菌の増殖に影響せずにエンテロコッカス菌による肌の炎症を抑えることが確認できたことを発表しました。

バラの発酵エキス

2025年5月に、ナリス化粧品では、世界で初めてハイブリッドローズの「月光」と乳酸菌のHOKKAIDO株®から作ったバラの発酵エキスを開発することに成功したと発表。

バラの研究について30年以上の知見を蓄積し、黄色のハイブリッドローズには、弾力成分の分解酵素を阻害する効果があることを突き止めていました。

黄色のハイブリッドローズ
黄色のハイブリッドローズの中で、花色・花形・香りの3拍子の揃った美しい「月光」には、下記の効果があることがわかりました。

  • ニトロ化物分解・ニトロ化抑制効果
    ニトロ化とは、肌の黄ばみの一因となる現象のこと。ニトロ化を抑制する効果、ニトロ化物を分解する効果。
  • アポトーシス抑制
    紫外線などで過剰に誘導されることで肌の異常な角化や肌荒れの原因となるアポトーシス(細胞死)を抑制する効果。
  • 低細胞毒性
    細胞毒性を低減させる効果。
  • 糖化物分解効果・糖化抑制効果
  • カルボニル化抑制効果
    角層細胞の接着因子の分解を抑制し正常な角層剥離が行われなくなるカルボニル化を抑制する効果

西洋実ザクラの種子

日本メナード化粧品では、肌の幹細胞の数が減少し、新しい細胞が供給されなくなることが肌の老化の根本原因であることを発見。

さらに、西洋実ザクラ(Prunus avium)の種子から抽出したエキス(西洋実ザクラ種子エキス)に表皮の幹細胞を増やす効果があることを見出してきました。

2024年10月には、幹細胞を増やす西洋実ザクラ種子エキスの成分の特定を進め、幹細胞を増やす成分として脂肪酸エステルの一種である「ジグリセリド」を特定しました。

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