細胞レベルでダイエット?ミトコンドリアを増やして痩せ美人へ
ミトコンドリアとは何か?
ミトコンドリアは、ほとんどすべての生物(動植物や菌類など)の細胞内に含まれている細胞内構造物の一種です。このミトコンドリアは、一つの細胞に(細胞によっても違いますが)数十から数万という数が含まれています。 しかし、年齢と共にミトコンドリアの数は減っていき、ミトコンドリアの質も悪くなっていきます。
ミトコンドリアの働きとは
ミトコンドリアの最も重要な役割は、エネルギーを作り出す働きです。 ミトコンドリアでは、食事から摂取した栄養素と呼吸から得られた酸素を使って、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを放出する物質を作り出します。 例えば、ジョギング始めて走ることに慣れてくると、同じ距離を走っても、それほどきつく感じなくなります。
定期的な運動を続けることで呼吸が楽になる現象は、ミトコンドリアが増えて呼吸で取り込む酸素を効率的に酸素を使えるようになったからです。 最初は、エネルギーを生み出すために必要な酸素を無駄にするので、息を切らします。定期的に走ることで体内のミトコンドリアが増えてくると、エネルギー代謝がよくなり、酸素を有効的に使えるようになるので、息を切らさずに走れるようになるのです。 逆に、ミトコンドリアが減ってきたり質が悪くなってきたりすると、エネルギー不足になります。慢性的な疲労や、太りやすくなったり、新しい細胞を生成したり、傷ついた細胞を修復したりすることができなくなるため、お肌も老化します。
体内のミトコンドリアが元気な人と弱っている人の違いは?
ミトコンドリアが元気な人
- 歩くのが好き
- ストレスを上手に解消している
- 筋トレになる運動をしている
- 身体が温まっている
- 栄養バランスが整っていて、腹8分目である
- 毎日、お腹が空いたと空腹感を感じている
ミトコンドリアが弱まっている人
- 車ばかり乗っていてあまり歩かない
- ストレスを溜めている
- 運動習慣がない
- 手足が冷えやすい
- 甘いものや、炭水化物、揚げ物をたくさんと摂っている
- お腹がすく前に、何か食べている
ミトコンドリアが脂肪細胞に含まれている?
脂肪細胞と聞くと太る細胞と思いがちですが、そんなことはありません。「痩せる脂肪細胞」と「太る脂肪細胞」があります。 脂肪細胞の種類は、白色脂肪細胞、褐色脂肪細胞、そして2012年に発表された第3の脂肪細胞といわれる、ベージュ脂肪細胞の3種類があります。 白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の間をとってそう名付けられたそうです。
これらの脂肪細胞の色には、ミトコンドリアの量が関係しています。 ミトコンドリアの中には、赤い色をしたヘム鉄酵素がたくさん含まれているので、褐色(赤い色)をしているのです。 よく知られる、赤血球のヘモグロビンが赤いのと同じ理由ですね。
3つの脂肪細胞に含まれるミトコンドリアの数
それぞれの脂肪細胞の働きとミトコンドリアの数を紹介します。
白色脂肪細胞
ミトコンドリアの数は、1~2個
- 血液中の脂肪や糖をエネルギーとして蓄える
- 餓死状態の時に分解され、エネルギー源となる
- 断熱作用があり、寒さを感じにくくする
- 女性ホルモン(エストロゲン)の分泌を増やす
増えすぎると、血液中の脂肪も増えて、糖尿病や高血圧、動脈硬化や、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の原因になります。
褐色脂肪細胞
ミトコンドリアの数は、2000~3000個
特徴
- 赤ちゃんの時に多く存在し、体温維持、生命維持を図っている
- 中性脂肪を燃焼し、エネルギーに変えててくれる
- 主に、首や、肩甲骨周り、心臓の周囲にたくさんあると言われている
ベージュ脂肪細胞
ミトコンドリアの数は、200~300個
特徴
- 白色脂肪細胞が褐色脂肪細胞のような働きを持つように変化した脂肪細胞のこと
- 細胞の色は白と褐色の中間色
- 褐色脂肪細胞と似ているが、全く別の細胞
- ベージュ脂肪細胞は、自分で増やすことができる
中性脂肪を貯め込む専門の白色脂肪と違って、ミトコンドリアの数が多い褐色脂肪細胞は、中性脂肪を蓄積せずに、エネルギーとして燃焼してくれます。 成人になると減少する褐色脂肪細胞。 褐色脂肪細胞と同じような働きをしてくれるベージュ脂肪は、白色脂肪細胞がミトコンドリアを獲得し変化したものなので、努力次第で増やすことができます!
ベージュ脂肪細胞を増やす食べ物
努力次第で増やすことが出来るベージュ脂肪細胞を増やす食べ物を紹介します。 一つには、唐辛子のカプサイシン。 他には、魚油のDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)、くるみ、アマニ油、えごま油などに含まれるオメガ3脂肪酸などが挙げられます。
ミトコンドリアを増やす方法
運動編
ややきつめの有酸素運動がおすすめです。
効率的に有酸素状態にする方法
- 初めに30秒ほど小走りで走る
- 次に脈が整うまで1分ほど歩く
- 30秒ほど小走りするこれを、5分ほど繰り返すと汗ばんできます。 こうすることで、短時間のうちに有酸素運動に入ることができます。
- 有酸素状態に入ったら、20~30分程度ウォーキングをする
身体をエネルギーが枯渇した状態にしたうえで運動することで、ミトコンドリアが増えやすくなります。 寒いところで、運動することも、ミトコンドリアを増やす効果があるということも分かっています。寒さを感じると、エネルギーが必要だと判断し、ミトコンドリアを増やそうとします。寒中水泳や、寒風摩擦などが効果的です。
片足立ちヨガ
- ヨガマットの上に両足を揃えて立ち、左足を90度の高さまでゆっくり引き上げる
- 1の状態のまま息を吸いながら両手を肩の横から頭の上へとゆっくり引き上げる
- 息をゆっくり吐きながら胸の前で合掌する
- ゆっくりと両腕、左足を元の位置に戻します
右足も1~4を同様におこない、一日3分間を目安にやってみましょう
簡単に取り入れやすい編
- サウナに入った後に、水風呂に入る
- お風呂上りに、17度~20度くらいの冷水シャワーを首の周り、肩甲骨周り、鎖骨の周りに10分程度かけるどうしても、水風呂に入ったり、身体に冷水をかける 勇気がない方は、足先と手先に、冷水シャワーをかけるだけでもOK!
- 背筋を伸ばす 座っている時も、立っている時も背筋をピンと伸ばすように意識しましょう。ミトコンドリアは、筋肉の中にも多く含まれ、姿勢を保つための筋肉である背筋と太ももの筋肉にたくさん含まれています。
食事編
ミトコンドリアを増やすためには、空腹感が最も大切です。 そこで、オススメしたいのが週末プチ断食です。平日は普段通りの食事をし、週末の1、2日だけ3割程度摂取カロリーを減らします。
ミトコンドリア活性化する栄養素
- ビタミンB6 かつお、牛レバー、にんにく、モロヘイヤ
- ビタミンB12 レバー、あさり、しじみ、あかがい
- ビタミンD 肉類、イワシ、鮭、卵、乳製品
- タウリン タコ、いか、貝類など
- 鉄 レバー、しじみ、菜の花、干しヒジキ
- 葉酸 レバー、枝豆、納豆、ひよこ豆
- コエンザイムQ10 肉類、ナッツ類、チーズ、大豆
- 亜鉛 牡蠣、あさり、玄米、納豆、ほたて
活性酸素がミトコンドリアを傷つけます。抗酸化物質を積極的に摂り、ミトコンドリアのダメージを減らしてましょう。
- レスベラトロール 赤ワイン、アーモンド、ココア
- ビタミンC キウイフルーツ、レモン、アセロラ、赤ピーマン
- ビタミンE ナッツ類、モロヘイヤ、ウナギ、かぼちゃ
- アントシアニン 赤ワイン、ブルーベリー、プルーン
- クロロゲン酸
コーヒー豆、じゃがいも、さつまいも、ごぼう最大限にミトコンドリアを活性し、細胞レベルで痩せやすい身体にしていきましょう。