話題の「肝機能」をサポートする機能性表示食品…どんな効果があるの?
健康診断で、肝臓の状態を判断する「ALT」や「γ-GTP」などの数値について説明を受けたことはありませんか?これらの数値がやや高めの方に向けた機能性表示食品が話題となっています。肝機能をサポートする機能性表示食品について解説します。
肝機能をサポートする商品の届出は40件超に
機能性表示食品は、販売企業が消費者庁へ機能性や安全性を裏づける科学的根拠などを提出して、効果を商品に表示できるというもの。
2023年4月10日現在で、6,650件以上の届出が公表されています。そのうち、肝機能をサポートする商品は43件。今のところ、まだまだ市場は小さいのですが、一般的な健康食品では表示できなかった「肝機能サポート」を打ち出せることから、消費者へ与えるインパクトの大きさが注目されています。
「ALT」や「γ-GTP」に着目
効果を裏づける科学的根拠のベースとなっているのは、日本人の中高年者を対象としたヒト試験の成果です。
個々のヒト試験では、機能性関与成分を含む食品と、含まないプラセボ食品のそれぞれを摂取したグループの間で、肝臓の状態を判断する指標である「ALT」や「γ-GTP」などの数値を比較しています。
ブロッコリーやケールに含まれる「スルフォラファングルコシノレート」
商品形態別の内訳は、サプリメントが34商品、生鮮食品が6商品、加工食品が3品。
「生鮮食品で肝機能をサポート?」と、意外に思うかもしれませんね。青汁原料として知られるケールの新芽や、ブロッコリーの新芽には、「スルフォラファングルコシノレート」という成分が高濃度で含まれています。この成分が肝臓の健康をサポートしてくれるわけです。
植物に含まれるスルフォラファングルコシノレートは体内で分解され、「スルフォラファン」に変換されて吸収されます。これまでの研究により、スルフォラファンは健康な中高年のやや高めの血中肝機能酵素である「ALT」の値を低下させることが報告されています。
ALTはアミノ酸をつくるのに必要な酵素で、特に肝臓の細胞に多く存在します。肝臓の細胞がダメージを受けると、ALTは血中に漏れ出します。健康診断で血液検査によって血中のALTの量を測定しますが、その数値が高いと肝臓の不調が疑われるのはこのためです。
機能性表示食品の生鮮食品では、「健康な中高年の方の健常域でやや高めの血中肝機能酵素(ALT)値を低下させる機能があることが報告されています」と表示しています。
気軽に利用できる飲料タイプも登場
加工食品の3商品は、気軽に利用できる飲料タイプです。
「クルクミン」と「ビサクロン」という成分を配合した商品は、「健康な人の肝機能を評価する指標である酵素値の一部の改善に役立つ機能」を訴求。クルクミンもビサクロンもウコンに含まれる成分で、カレーにも含まれています。
また、「紫サツマイモ由来アントシアニン」を配合した商品では、「健康な人の健常域でやや高めの肝機能に関連する酵素(AST、γ-GTP)値の低下に役立つ機能…」をうたい、「AST」「γ-GTP」という肝臓の状態を判断するための指標に着目しています。
サプリメントではγ-GTP、AST、ALTの3つの指標に役立つ商品も
もっとも届出件数が多いサプリメントを見ると、配合成分はスルフォラファングルコシノレートやクルクミンが主流です。
商品によっては、「健康な人の肝機能酵素(γ-GTP、AST、ALT)値の改善に役立つ機能…」と3つの指標を対象としたものも登場しています。
数値がやや高めの方は機能性表示食品の利用も
肝臓の健康を維持するためには、毎日の食事でビタミン類をしっかりと補給すること、アルコール類を控えることなどが基本です。
健康な範囲であるものの、「ALT」「γ-GTP」などがやや高めの方は、機能性表示食品の利用も検討してみてはいかがでしょうか。