管理栄養士が教える!腸の老化が始まっている40〜50代のための腸活ガイド

「便秘やお腹の不調が増えた…」「年々疲れやすくなった…」
こうした体調の変化を感じることが増えてきましたら、それは“腸の老化”が関係しているかもしれません。
腸の老化が進む仕組みと、40〜50代から始めたいおすすめの対策や腸活習慣をご紹介します。
腸の老化はいつから始まる?40~50代にかけて、善玉菌の割合が…
腸内細菌は30代から徐々にバランスの変化が起こり始め、40~50代にかけて、善玉菌の割合が一気に減少してしまいます。
こうした変化から、腸のぜん動運動(腸の動き)が弱まり、便をスムーズに排出できなくなるため、便秘やお腹の張りを感じる方が増えてきます。また、免疫力の低下や慢性的な不調も起こりやすくなります。
特に女性は更年期を迎える年代でもあり、女性ホルモンのバランスが大きく変化することで、腸の状態も大きくゆらぎやすく不安定になるのです。
腸が老化すると現れる不調とは
腸の老化が進むと、以下のような体のサインが出やすくなります。
- 便秘や下痢の繰り返し
- 乾燥・くすみ・ハリ不足などの肌トラブル
- 疲れが抜けない・風邪をひきやすい
- メンタルのゆらぎ
- 更年期症状の悪化
腸の動きが鈍くなることで、水分調整の不具合や栄養の消化吸収、精神面までもが不調として表れやすくなるのです。このように、腸の老化は「お通じの問題」だけでなく、美容・体力・心の健康にまで影響を与えています。
40〜50代におすすめの腸活習慣
腸の老化をゆるやかにし、体の内側から整えるには、毎日の生活習慣の中で“ムリなく続けられる腸活”を取り入れることがポイントです。
毎日発酵食品を摂る
味噌やキムチなどの発酵食品には、善玉菌を刺激してぜん動運動を促す働きがあります。
発酵食品の中でも、納豆やヨーグルトには善玉菌を増やすもとになるだけでなく、悪玉菌の増殖を防ぐことも期待できます。毎日の食事の中に1〜2品取り入れることで、腸内フローラのバランスを整えやすくなりますね。
水溶性食物繊維を意識する
善玉菌のエサとなり、腸内フローラを整えてくれるのが、水溶性食物繊維。
海藻類、ごぼう、こんにゃく、もち麦、アボカドに多く含まれています。
特にブロッコリーに含まれる「スルフォラファン」という成分は抗菌作用もあり、加熱しても失われにくい性質のためオススメの食材です。
便秘になりやすい人ほど水溶性を意識すると◎
オメガ3脂肪酸を摂る
加齢とともに腸内では“見えない炎症”が起こりやすくなります。
腸内の見えない炎症を防ぐのが、抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸。
2025年の日本人の食事摂取基準では、30~64歳の男性で2.3~2.3g、女性で1.7g~1.9gを目安量としています。[※1]
亜麻仁油・えごま油・アボカド・青魚(サバ・イワシ)などが代表的です。特に亜麻仁油やえごま油は、非加熱でヨーグルトやサラダにかけるだけでOKなので、習慣化しやすいです。
自律神経を整えるリラックス習慣
腸はストレスにとても敏感です。寝る30分前~1時間前のスマホを控える、湯船にゆっくり浸かる、アロマやハーブティーを楽しむなど、心がホッとする時間を意識的に持ちましょう。
- スマホを控える
- 湯船にゆっくり浸かる
- アロマやハーブティーを楽しむ
心が緩むと腸も緩み、スムーズな排便につながります。
腸活習慣で健康な腸を維持しましょう
腸の老化は自然なこと。なぜ起こってしまうのか明確なメカニズムは解明されていません。だからこそ、より長く健康な腸を保っていけるように環境を整えていくことが必要で、あなたの未来が変わるかもしれません。
腸を整えることで、便通がよくなるだけでなく、肌の調子が上がったり、朝の目覚めがスッキリしたり、気持ちが前向きになるという変化も期待できます。
無理なく、気持ちよく続けられる習慣から、あなたの腸を労わってあげてください。
※1:日本人の食事摂取基準2025年版(2025)/女子栄養大学出版部/p128