免疫力アップ!毎日の食事に発酵食品を江口恵子さんに聞くシンプルレシピ
私たちの腸内には、100兆個を超える腸内細菌が生息すると言われています。腸内細菌には「善玉菌」と「悪玉菌」があり、健康のためにはそのバランスを保つこと、つまり腸内環境を整えることが重要です。
腸内環境を整えるにはヨーグルトや納豆、味噌などの発酵食品が有効です。私たちが普段から口にする機会が多いこれらの食材は、ウィズコロナ時代に免疫力を高めるアイテムとしても注目が集まっています。
今回はフードスタイリストとして活躍する江口恵子さんに、日々の食事に取り入れやすい発酵食品のアレンジレシピについてお話を伺いました。シンプルだけど毎日食べたくなる体にやさしい料理の数々。みなさんもぜひ試してみてくださいね。
1.酵素の力でふっくら柔らか「味噌タンドリーチキン」
必須アミノ酸を豊富に含む味噌は栄養満点。地域によってさまざまな種類がありますが、塩味がしっかりしていればどれを使ってもおいしく仕上がります。味噌はヨーグルトとともに鶏肉の漬け込みに使用します。ポイントは8時間以上しっかりと漬け込むこと。漬け込んだ鶏肉はそのまま冷凍してもOKです。オーブンの温度は200度を目安に。フライパンや魚焼きグリルで代用しても大丈夫ですよ。
<レシピ>
▼材料(2人分)
- 鶏肉・・・350~400g
A
- プレーンヨーグルト・・・80g
- 米味噌・・・25g
- カレー粉(ガラムマサラ)・・・大さじ2
- 塩・・・小さじ1/4
▼作り方(調理時間:約30分)
- 鶏肉に数カ所、フォークで穴を開ける
- ジッパー袋にAを入れてよく混ぜる
- 2に1を入れて手でよく揉む。冷蔵庫で8時間以上漬け込む。
- 3のまわりのヨーグルトをしっかりぬぐい取り、200度のオーブンで15~20分焼く
2.さっぱりした味わいのインド風ヨーグルトサラダ「ライタ」
ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は腸内の悪玉菌を抑え、有害な物質が作られるのを防ぐなど、お腹の調子を整える働きがあります。ライタはインドやパキスタンなどで食べられている家庭要理で、ヨーグルトをたっぷり使ったヘルシーサラダです。今回はキュウリとトマトを使いましたが、タマネギやセロリを加えてアレンジしてもOK。そのまま食べてもいいし、バゲットに載せてもおいしくいただけます。
<レシピ>
▼材料(2人分)
- キュウリ・・・1本
- トマト・・・1/2個
- プレーンヨーグルト・・・250g
- クミンシード・・・小さじ1
- ブラックペッパー・・・小さじ1
- 塩・・・小さじ1
- オリーブオイル・・・少々
▼作り方(調理時間:約5分)
- クミンシードはフライパンで乾炒りして香りを出し、包丁で粗く刻む。
- キュウリ、トマトを1㎝角に切る
- 材料をすべて混ぜ合わせる
- 器に盛り付け、最後にオリーブオイルを少々まわしかける
3.滋味深い米こうじ由来の甘酒を使用した「甘酒ヨーグルト」
“飲む点滴”とも言われる甘酒は栄養満点。体内で合成できない9種類の必須アミノ酸がすべて含まれている“スーパードリンク”で、ここでは米麹由来(ノンアルコール)のものを使用します。タンパク質やイソフラボンを豊富に含む豆乳、整腸作用があるくず粉を使うことで、より健康感がアップするデザートです。しっかりとお腹にたまるので、食欲がない時や小腹が減ったときにもオススメです。
<レシピ>
▼材料(2人分)
- 甘酒・・・200cc
- 豆乳・・・200cc
- レモン汁・・・大さじ2
- 季節のフルーツ・・・刻んで1/2カップ
- くず粉・・・小さじ2(同量の水で溶く)
▼作り方(調理時間:約5分)
- 鍋に甘酒と豆乳を入れて火にかける
- 沸騰したら弱火にし、レモン汁と水溶きのくず粉を加えて1~2分加熱してとろみをつける
- お好みのフルーツを加えてひと混ぜする
- 火を止めて粗熱を取り、冷蔵庫で20~30分冷やす
4.とっても手軽な万能料理「イカの納豆和え」
納豆の健康効果として血栓症の抑制や骨粗しょう症予防、アレルギー抑制作用などは有名ですが、お肌や髪を美しく保つアンチエイジング効果も報告されています。今回はこの納豆を使った定番料理「イカ納豆」にアボカドとキュウリを加えました。作り方は刻んだ食材を混ぜるだけ。そのまま食べてもおいしいし、卵黄やお好みの食材をトッピングするのもあり。パスタと和えるのもオススメです。
<レシピ>
▼材料(2人分)
- 納豆・・・1パック
- アボカド・・・1/2個
- キュウリ・・・1/2本
- イカの刺身・・・1パック
- しょう油・・・少々
▼作り方(調理時間:約3分)
- アボカドとキュウリは1㎝角に切る
- 納豆をよく混ぜ1と合わせる
- イカの刺身(イカソーメン)を加え、しょう油を加えてよく混ぜる
5. 奥深い香りが食欲をそそる「塩こうじドレッシング」
塩こうじは日本の伝統的な発酵食品のひとつ。こうじに含まれる酵素が食材のタンパク質を分解して食材を柔らかくしてくれます。素材のうま味を引き出すため、シンプルなお料理には最適な調味料です。ドレッシングは作り置きできるので、たくさん作ったら冷蔵庫で保存しましょう。今回はマグロとクリームチーズに合わせてみましたが、塩こうじが主張しすぎないマイルドな味わいです。
<レシピ>
▼材料(2人分)
A
- 塩こうじ・・・大さじ1
- オリーブオイル・・・大さじ2
- レモン汁・・・大さじ2~3
- はちみつ・・・小さじ2
- アボカド・・・1/2個
- パプリカ・・・1/4個
- キュウリ・・・1/2本
- クリームチーズ・・・50g
- マグロのぶつ・・・40g
▼作り方(調理時間:約10分)
- Aをふた付き容器に入れてよく混ぜる
- アボカド、パプリカ、キュウリ、クリームチーズを1㎝角に切る
- 2にマグロのぶつを加えてよく混ぜる
- 1で作ったドレッシングを適量③にかけてよく和える
いかがだったでしょうか。発酵食品は体によいだけではなく、料理のレベルをワンランク上げてくれる優れモノ。毎日の食事に積極的に取り込んで、おいしくキレイを目指しましょう。
<レシピ作者プロフィール>
江口恵子(フードスタイリスト)
フードスタイリスト・料理家。雑誌やWEB、広告でのレシピ提案やスタイリング、企業やメーカーのレシピ開発など幅広く活躍。料理教室「ナチュラルフードクッキング」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナーとして、シンプルでおいしい、野菜たっぷりのごはんを多くの人に届けるべく奮闘中。著書に『作って伝える郷土ほっこりおやつ』(赤ちゃんとママ社)『子どもと一緒に季節の食しごと』(マイナビ出版)『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)がある。
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