トクホや機能性表示食品で人気のDHA・EPAってどんな成分?
サプリメントの人気成分の1つにDHA・EPAがあります。青魚に多く含まれるDHA・EPAは、ヒト試験によっていくつかの機能性が確認済みで、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品の関与成分として使用されています。DHA・EPAについて解説します。
体内で合成できない必須脂肪酸の1つ
DHAはドコサヘキサエン酸、EPAはエイコサペンタエン酸の略称。DHA・EPAはn-3系脂肪酸の1種であり、アマニ油に豊富に含まれるα-リノレン酸もn-3系脂肪酸の仲間です。
私たちの体内での働き方は、DHAとEPAとではやや異なるのですが、ほとんどのサプリメントや健康食品には両成分が一緒に配合されています。
DHAもEPAも、体内で合成できない必須脂肪酸の1つ。このため、健康を維持する上で、日頃の食事から摂取することが求められます。
サバやサンマ、マグロの脂身などに豊富に含有
DHA・EPAは主に魚介類などに含まれ、特にサバ・サンマ・イワシといった青魚には多くの量が含有されています。マグロの脂身や銀鮭も豊富です。
DHA・EPAをしっかりと摂取するためには、青魚などを食卓に乗せることが大切です。しかし、「水産白書」によると、1人あたりの魚介類の消費量は、2001年度の40.2㎏をピークに減少傾向にあります。
血中中性脂肪が気になる方へ向けたトクホ製品
日本では1980年代から、DHA・EPAを配合したサプリメントが注目され始めました。その後、トクホとして登場。商品パッケージに「エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)を含んでおりますので、血中中性脂肪が気になる方に適します」などと表示した商品が、これまでに7件許可されています。
代表的なトクホ商品として、(株)ニッスイの「イマークS」、マルハニチロ(株)の「DHA入りリサーラソーセージ」などがあります。
機能性表示食品では「認知機能」「冷え」も
2015年にスタートした機能性表示食品制度でも、DHA・EPAは人気成分の1つです。表示内容を見ると、主に次の3種類があります。
- 「EPA・DHAには、中性脂肪値を下げる機能があることが報告されています」。
- 「EPA・DHAには、中高年の方の加齢に伴い低下する、認知機能の一部である記憶力を維持することが報告されています」。
- 「EPA・DHAには、冷えを感じる環境下で手指などの末梢体温を保つ機能が報告されています」。
最近では、「認知機能」に着目した機能性表示食品が相次いで登場し、話題となっています。超高齢社会の到来を迎える中、認知機能の維持は高齢者にとって深刻な問題であり、健康なうちから脳トレにプラスして、機能性表示食品を活用するケースが増えているようです。
一方、栄養機能食品では、DHA・EPAとしてではなく、n-3系脂肪酸という括りで対象となっています。配合量は下限値が0.6g、上限値が2.0gと規定されています。
商品パッケージに表示できる文言は予め国が用意し、そのとおりに表示しなければなりません。n-3系脂肪酸については、「n-3系脂肪酸は、皮膚の健康維持を助ける栄養素です」と表示します。
青魚が苦手な方にはトクホや機能性表示食品の活用も
健康を維持する上で、DHA・EPAは日常の食事で魚などから摂取することが大切です。しかし、「青魚は苦手」「忙しくて料理するのが面倒」という方も少なくありませんよね。
そうした方には、トクホや機能性表示食品によってDHA・EPAを補給することをオススメします。
サプリメントをはじめ、ソーセージやツナ入りサラダ、菓子などが販売されています。また、生鮮食品の機能性表示食品として、カンパチやマダイ、卵もあります。
青魚が苦手な方は、DHA・EPAの補給にトクホや機能性表示食品を上手に活用してみてはいかがでしょうか。