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冬はノロウイルスにご注意を!

食育
YOKARE編集部
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冬はノロウイルスにご注意を!

冬になると、ノロウイルスによる食中毒が多発します。その多くが、ノロウイルスに汚染された食品の摂取が原因とみられています。ノロウイルスによる食中毒を予防するためのポイントを解説します。

ノロウイルスの名称は街の名前が由来

そもそもノロウイルスとは、どのようなものでしょうか。ノロウイルスは、1968年に米国オハイオ州ノーウォークの小学校で起きた食中毒事件の患者の糞便から発見されました。この街の名前がウイルス名の由来と言われています。

ノロウイルスは多くの遺伝子の型があり、また培養した細胞や実験動物で増やすことができません。このため、分離して特定することが困難で、食中毒の原因究明も感染経路の特定も難しいとされています。

ノロウイルスによる食中毒は冬場がピーク、嘔吐・下痢・腹痛などの症状

ノロウイルスによる食中毒は11月ごろから増え始め、3月ごろまでがピークです。感染すると、1日~2日の潜伏期間を経て、嘔吐や激しい下痢、腹痛などが生じます。

日本のノロウイルスによる食中毒の発生状況を見ると、2019年は事件数が212件、患者数が6,889件、20年はそれぞれ99件と3,660件、21年は72件と4,733件となっています。

21年を見ると、すべての食中毒の患者数は合計1万1,080人で、このうちノロウイルスによる患者数が4割以上を占めています。

牡蠣などの二枚貝、人から人、料理・・・感染経路は多様

感染の原因を見ると、いくつかの経路があります。まず、ノロウイルスに汚染された牡蠣などの二枚貝を生で食べたり、十分に加熱せずに食べたりすると危険です。

次に、人から人に感染するケース。ノロウイルスに感染した方から直接感染することがあり、また、感染者の便や嘔吐物を介して感染することもあります。

さらに、感染者の手からウイルスが食材に付いたり、調理器具に付いたりと、料理を介した感染も多いとみられています。

症状が出た場合の基本は対症療法

ノロウイルスがやっかいなのは、効果のある抗ウイルス薬がないからです。このため、症状が出た患者には基本的に対症療法が取られます。

特に幼児や高齢者では、脱水症状を起こしたり、体力を消耗させたりしないように、水分と栄養の補給が重要です。症状がひどい場合は、医療機関での治療が必要となります。

感染予防の基本は調理時の注意と手洗いの徹底

ノロウイルスによる食中毒を予防するためには、調理時の注意と手洗いの徹底が基本となります。

調理時の注意点の1つに、十分な加熱があります。ウイルスを含んでいると疑われる食品は、中心部を85~90℃で90秒以上加熱すれば、ウイルスの感染力が失われるといわれています。

加熱調理用の牡蠣は、生で食べないように注意しましょう。食材に使用する場合は、十分な加熱が必要です。

また、生の牡蠣などの二枚貝を触った手で、ほかの食材を扱わないことも予防のポイントです。生の貝を触った場合には、十分に手を洗いましょう。

包丁やまな板は、加熱しない生野菜などで先に使用し、生の貝は最後に調理するとともに、使用した調理器具がほかの食品に触れないようにします。使用済みの調理器具は洗剤で十分に洗浄し、熱湯をかけると消毒されます。

調理以外でも、食事の前には必ず手洗いをする習慣をつけましょう。トイレの後も手洗いを忘れないように。手に付いたウイルスを拡散させないために、手洗いの徹底が基本となります。

主なノロウイルスへの対策ポイント

  • 加熱調理用の牡蠣は、生で食べない
  • 加熱調理用の牡蠣は、十分に加熱する
  • 生の牡蠣などの二枚貝を触った手で、ほかの食材を扱わない
  • 食事の前には必ず手洗いをする

 

日頃から健康状態にご注意を!

ノロウイルスによる食中毒を予防するためには、日頃から食べ物や健康状態に注意し、下痢や嘔吐などの症状が疑われる場合には、食品を直接扱わないようにしましょう。

食中毒と言えば夏場をイメージしがちですが、寒い季節にはノロウイルスによる食中毒がピークを迎えますので、くれぐれも用心してくださいね。
 

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