現役ファーマーが教える!自宅できる節約リボベジ生活のススメ

リボベジという言葉を聞いたことはありますか?「野菜が高い」「食費が気になる」というお悩みを抱える方にとって、リボベジはとっておきの節約術です!
プロの野菜生産者として培った経験をもとに、リボベジの失敗しないコツや具体的な栽培方法を今回の記事で詳しくご紹介します。
野菜の生命力が凄い!リボベジって何?
リボベジとは、「リボーン(再生)」と「ベジタブル(野菜)」を組み合わせた言葉で、野菜の切れ端や根元を再利用して新しい野菜を育てる栽培方法のことです。
リボベジが可能な理由は、野菜の「生長点」と「不定芽形成能力」にあります。
生長点とは、植物が新しい組織を形成する部位のこと
植物が成長を続けるための細胞が集まる部分で、根や茎、葉の付け根などにあります。例えば、豆苗の切り口やネギの根元、レタスの芯部分にはこの生長点が残っています。この生長点に水や養分を与えると、再び野菜が成長し、新しい葉や茎を伸ばしてくれます。
不定芽形成能力とは、植物が傷ついた部位や切断された組織から新しい芽や根を作り出せる能力のこと
基本的に「水、光、温度」があれば再生できます。特に、根元や葉の付け根など、生長点の近くには栄養が豊富に蓄えられており、再生に必要な要素が揃っています。
リボベジの3つのメリット!
メリット① 食費の節約
捨ててしまいがちな切れ端を活用することで食費の節約にもつながります。
例えば、料理でよく使うネギや豆苗は、一度購入した後でも再生させることで何度も収穫できます。購入頻度が減り、必要な分だけ手に入れることができるので無駄な出費を減らすことができます。
メリット② 環境への配慮
令和2年度の推計では、年間522万トンの食品ロスが発生し、その内訳は事業系が275万トン、家庭系が247万トンと言われています。
環境負荷を軽減するエコ活動として近年リボベジが注目されており、
ゴミとして捨てられる野菜の端材を再利用するため、食品ロス削減に貢献できます。
メリット③ 栽培の楽しさ
水と容器だけで簡単に始められるため、特別な道具やスペースは不要!
小さな観葉植物としてインテリア効果もあり、癒しを提供してくれます。
さらに、子どもと一緒に成長を観察しながら学び、自然や食材に対する関心を高める教育にもなります。
代表的なリボベジ野菜
エコで自宅でも活用できる「リボベジ」。水に浸しておくだけで新しい芽が出てくるため、キッチンでも楽しめるため人気があります。ここでは、特に代表的なリボベジ野菜をいくつかご紹介します。
豆苗
生長点は根本付近。およそ1~2週間で再収穫できる
- 根元を3〜4cm残して切る
- 容器に水を入れ、豆苗の根元を水に浸す(根の半分程度)
- 直射日光を避け、明るい室内に置く
- 1週間〜10日で収穫可能
収穫:1回目の収穫時、小さな芽を株元に残す(2回目の収穫のため)
注意点:水を入れすぎないよう注意(豆が水浸しになると腐りやすい)
ネギ
生長点は根元。簡単でおよそ3~4週間で再収穫できる
- 根元は大きめに切る(10cmほど残して切る)
- 水は根元を浸す程度。断面が水に触れる程度でOK
- 日当たりの良い場所で育てる
- 3〜4週間で収穫可能
収穫:好みの長さで収穫
小松菜
生長点は根元から3cmほどの茎部分。1株から5枚もの葉が採れる
- 根元を3~4cm程度残して切る。
- 小松菜の根元を容器に立てて並べ、水は根元が少し浸かる程度
- 明るい窓際や半日陰の場所に置く。
- 早ければ約7~10日で収穫可能。
収穫:葉が約10~15cmに成長したら収穫する。中央の新芽を残して収穫する
レタス
生長点は根元(芯)部分。成長が早い(小さい葉はベビーリーフとして食べられる)
- レタスの根元(芯)部分を3分の2ほど水に浸す
- 水は根元を浸す程度(水量は少なめにし、断面が水に触れる程度でOK)
- 直射日光を避けた明るい室内に置く
- 3〜4週間で収穫可能
収穫:芯の小さな芽は株元に残し、外側の葉から順に収穫可能
プロ直伝!野菜別リボベジ栽培のコツ
小さな容器と水だけでできるリボベジ栽培を紹介します。
まずは栽培上の注意点は、下記になります。
- 切り方は生長点を含む3〜10センチ程度残す
- 直射日光の当たらない明るい室内に置く。まんべんなく光が当たるよう、定期的に向きを変える。
- 古くなった葉や枝は取り除く
- 真夏は暑すぎると枯れたり腐りやすくなるため、直射日光を避ける
- 冬は寒すぎると枯れたり成長が遅くなるため、暖かい室内で育てる
- 水の管理:生長点が水に浸からないよう適量の水に浸す。水を定期的に交換する(水の入れすぎや汚れで濁った水は腐敗の原因になります)
主な失敗原因と対策
カビの発生
特に水耕栽培では、水の交換を怠るとカビが生えやすくなる。毎日水を替えることで防止に!
根腐れ
水耕栽培では、水を入れすぎると根が腐る原因に。水の量を浅めに保ち、酸素を供給しやすい環境を作る
茎が腐る
水に浸す深さを調整
日照不足
室内で育てる場合は、窓辺やライトを活用して十分な光を確保する
葉が落ちる
環境ストレスが要因。例えば日光が当たり過ぎてる可能性があるので日陰で管理する。
成長が止まる
長い期間収穫したい場合は液体肥料を与える。
適切な管理を続ければ、3~4回収穫、場合によっては半年以上も収穫を楽しむことができます。