チンピ(陳皮)
チンピ(陳皮)は温州みかんからできている
チンピ(陳皮)は、温州みかんの皮を乾燥させて作られる生薬で、漢方薬に配合されることで有名です。吐き気や消化不良、血流改善、下痢に効く生薬として使います。
その他、医薬品、化粧品の分野で活用されています。
温州みかんは、日本独自の品種で400 - 500年前に発生したと言われています。
自家製で陳皮を作るのは簡単です。温州みかんの皮を洗い、風通しの良い場所でしっかり乾燥させた後、細かく砕いて保存します。これを調味料やお茶として活用することで、日常生活に漢方の知恵を取り入れることができます。
チンピ(陳皮)の漢方での役割
五行説に基づく漢方の概念では、食物は辛(しん)、苦(く)、甘(かん)、鹹(かん)、酸(さん)の5つの味に分類されます。
陳皮は「苦」と「辛」に属しています。「苦」は苦味に分類される食べ物で、心に働く食物です。「辛」は、辛い食べ物が肺に働くのを意味します。
- 「苦味」:心に働きかけ、余計な熱を取り除き、乾燥作用をもたらす。
- 「辛味」:肺を補い、陽気を循環させ、身体を温める。
これにより、陳皮は胃もたれ、消化不良、嘔吐、風邪による喉の痛み、咳、冷え性、肩こり、腰痛など、多岐にわたる症状に効果があると考えられています。
陳皮にはポリフェノール「ヘスペリジン」が含まれている
陳皮にはヘスペリジンと呼ばれるポリフェノールが豊富に含まれています。この成分は、特に温州みかんやオレンジ、レモンなどの柑橘類に多く含まれ、血流改善や中性脂肪の低減に効果があるとされています。日本では、この成分を水溶性に高めた「モノグルコシルヘスペリジン」として機能性表示食品にも活用されています。
陳皮に含まれるヘスペリジンを配合した機能性表示食品
ヘスペリジンは、温州みかんやオレンジ、レモンに含まれるポリフェノールの一つです。漢方薬では陳皮、ヨーロッパでは医薬品原料として使われている成分です。日本では水溶性を高めたモノグルコシルヘスペリジンとして販売されています。
モノグルコシルヘスペリジンは、気温や室内温度が低い時などの健やかな血流(末梢血流)を保ち、体温(末梢体温)を維持する機能があることが報告されています。また、血中の中性脂肪が気になる方の中性脂肪を減らす機能があることが報告されています。
これまでの研究によって一定程度の効果が確認されています。そうした研究成果を活用した機能性表示食品が国に届け出され、多数の関連製品が登場しています。
陳皮を手軽に活用し、寒い季節の血流の維持に
このように陳皮には、気温や室内温度が低い時などの健やかな血流を維持する作用や、中性脂肪を減らす作用が期待されています。
さらに、仕事や勉強でくたびれた時には、陳皮を使った薬膳料理でパワーアップも。また、家庭で作る料理に、ミルで細かく粉砕し調味料として陳皮を上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。
例えば、スープやサラダのドレッシングに加えることで、風味と栄養を同時に楽しむことができます。
ただ一番簡単に陳皮を取り入れられるのは陳皮茶です。市販で茶葉を手に入れることもできますし、自家製で作ることもできます。特に寒い季節や体調管理が必要な時に陳皮茶は最適です。