ゼラニウム
アフリカ生まれのゼラニウム
ゼラニウムは南アフリカのケープ地方を中心として、シリアやオーストラリアなどにおいて、約280種が栽培されています。一度咲いたら枯れてしまう一年草、毎年咲く多年草、低木など、その種類もさまざまです。
- 学名:Pelargonium Zonal Group
- 分類:フウロソウ科ペラルゴニウム属(テンジクアオイ属)/フウロソウ属
- 英名:Geranium / Pelargonium
ゼラニウムの種類
園芸では、大きく4つのグループに分けられます
ゼラニウム(ゾナータイプ)
一般にゼラニウムと言うと、このグループを指すのが一般的で、日本で栽培されているのはほとんどがこの系統に含まれます。赤、紅、淡紅、ピンク、サーモンピンク、白など、花色にバリエーションが多いのが特徴です。
ペラルゴニウム
グランディルフロラム、ククルラーツム、コルディフォリウムなどを掛け合わせてできた交雑種。初夏から夏にかけて開花します。ヨーロッパでは花壇の観賞用に多く栽培されていますが、日本ではあまり出回っていません。
アイビー・ゼラニウム
南アフリカ原産のペルターツムなどを中心とした交雑種を指します。星型のつた葉が特徴です。
センテッド・ゼラニウム
花や葉っぱに独特の香りを持つグループです。ハーブとして多く利用されており、ポプリやお茶などの用途に好まれています。
ゼラニウムの特長
ゼラニウムの中でも、オイルが抽出される種類のものは、ローズゼラニウムと呼ばれています。その名の通り、バラのような香りが特長です。ゼラニウムのアロマにはさまざまな効果があります。
虫よけ効果
ゼラニウムの特長で、もっとも知られているのがなものが虫よけ効果です。欧米では部屋の窓近くにゼラニウムの鉢植えを置いて、虫が室内に入るのを防いでいる家庭が多くあります。 ゼラニウムに含まれているシトロネールは、昆虫忌避作用のあるアルデヒド類で、特に蚊が苦手としている成分です。殺虫効果はないのですが、ゼラニウムは天然成分なので赤ちゃんがいる部屋でも安心して使用することができます。
ホルモンバランスの調整
ゼラニウムのオイルは、ホルモンの分泌や自律神経のバランスを調整してくれます。PMSや生理痛、更年期障害など、婦人科系のさまざまな不快な症状にも効果を発揮します。またメンタル面においても、イライラしたり落ち込んでいるときに、心を穏やかにしてくれたり、緊張を和らげたりしてくれます。気分を明るくしたいときに、ゼラニウムは強い味方となってくれるでしょう。
妊娠中のゼラニウムは禁忌です
ゼラニウムには、女性ホルモンに働きかける効果があります。妊娠中は、外部から人工的にホルモンに影響を与えるものは避けた方がよいと考えられています。ゼラニウムには子宮を収縮させる作用もあるため、妊娠中の女性は十分注意してください。一方で、子宮を収縮させることで陣痛を促す効果があるので、出産時にタオルに精油を含ませて妊婦さんに持たせる産婦人科の病院もあるそうです。 出産が近くなってきたら、ゼラニウムを積極的に使ってみてもよさそうですね。