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疲労回復にクエン酸?!クエン酸がたっぷりの野菜やフルーツと効能

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YOKARE編集部
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疲労回復にクエン酸?!クエン酸がたっぷりの野菜やフルーツと効能

クエン酸とは?

クエン酸とは柑橘系の果物(レモンやみかんなど)や梅干しの酸味成分のことです。食品添加物としても、爽やかな酸味で、常温で無色もしくは白い個体なため、清涼飲料水や加工食品にも幅広く使用されています。 クエン酸は、生体内では、代謝 (クエン酸回路) の中間体として、エネルギー産生において中心的な役割を果たしています。

クエン酸回路とは、TCAサイクル(Tri-Carboxylic Acid)とも言われ、エネルギーであるATP(アデノシン三リン酸)を作るシステムです。

クエン酸回路の役割は下記になります。

  • ATPの直接的な生成:クエン酸回路は1回転で2分子のATPを直接生成します。
  • 電子伝達系への電子供給:クエン酸回路はNADHとFADH2を生成し、電子伝達系へ電子を運び、ATP合成に貢献します。

ATPという難しい言葉が出てきましたが、とても大事な役割をしています。このATPは、私たち生物に存在しているエネルギーを蓄える重要な役割を担っています。ATPは、細胞内で起こる下記のような活動にエネルギーを提供しています。

  • 筋肉の収縮
  • 神経伝達
  • 物質輸送
  • タンパク質合成
  • DNA合成

ATPは、身体を動かしたり、筋肉を動かしたり、心臓や内臓を動かしたりするときにエネルギーとして使われます。

クエン酸の効果

疲れると酸味を体が欲することからも疲れにはクエン酸が効くと考えられ、「クエン酸が疲労回復に効く」という定説が生まれました。最近では、「日常生活や運動後の疲労感を軽減する」クエン酸を配合した機能性表示食品も販売されています。

クエン酸の主な効果は下記になります。

1. 鉄分の吸収を高める

スポーツ選手は鉄分不足で貧血を起こしやすいですが、運動後に大豆や野菜などの「非ヘム鉄」と一緒にクエン酸を摂取すると、鉄分の吸収を高め、貧血の改善に期待できます。

2. カルシウムの吸収を高める

クエン酸とカルシウムを一緒に摂取することで、カルシウムの吸収が促進され、骨の健康増進につながります。骨密度が低下が始まる中高年の女性にオススメです。

3. エネルギー産生を促進する

クエン酸は体内でエネルギー産生に関わるクエン酸回路の重要な働きを担っています。クエン酸を摂取することで、クエン酸回路の回転を高め、エネルギー物質であるATPの生成を早めることができます。

4. 疲労回復をサポートする

クエン酸は疲労物質である乳酸の分解を促進し、疲労回復をサポートします。運動後の疲労感やだるさを感じた時に効果的です。

クエン酸は本当に有効なの?

実は、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「 健康食品 」の安全性・有効性情報によると、ヒトでの有効性のデータがないとされています。

一部抜粋 「疲労回復によい」「筋肉や神経の疲労予防によい」「ダイエット効果がある」「痛風に効果がある」などと言われているが、ヒトでの有効性については、信頼できる十分なデータが見当たらない。
引用:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「 健康食品 」の安全性・有効性情報

クエン酸は機能性表示食品としても販売されています!

もちろん、海外の文献データや国内の食品メーカーの文献によると、クエン酸が疲労感を軽減するという研究もあります。クエン酸の機能性や有効成分ついて有効なデータがないと「機能性表示食品」として販売されることはありません。 「機能性表示食品」とは、事業者の責任で、科学的根拠を基に商品パッケージに 機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品です。「機能性表示食品」は臨床試験が必要な医薬品やトクホと比べると、研究レビューが科学的根拠に認められています。医薬品やトクホと比べると、臨床試験を行う必要もなく、科学的根拠レベルは低いのですが、全く根拠がなかったら受理されません。

クエン酸が豊富な果物トップ5の特徴と料理

1位:レモン

レモンは圧倒的なクエン酸含有量を誇り、疲労回復効果が期待できます。ビタミンCも豊富で、美容効果も期待できます。酸味が強く、そのまま食べるには刺激が強いですが、香りも強く、料理やお菓子の風味付けにも使えます。

レモン

料理例

  • 焼き魚や揚げ物にレモン汁をかける
  • 水や炭酸水で割ってレモンスカッシュを作る
  • 生地やアイシングにレモン汁を加えてレモンケーキを作る
  • レモンクリームをタルト生地に詰めてレモンタルトを作る
  • レモン果汁、水、砂糖を混ぜてレモネードを作る
  • サラダにレモン汁とオリーブオイルを混ぜてドレッシングを作る
  • 魚介類をレモン汁とハーブで漬け込んでマリネを作る

2位:グレープフルーツ

グレープフルーツはレモンに次いでクエン酸が多く、苦味と酸味のバランスが良いです。ビタミンCや食物繊維も豊富で、果肉が大きく食べ応えがあります。サラダやデザートなど、様々な料理に使いやすいです。

グレープフルーツ

料理例

  • グレープフルーツを薄皮ごと切ってサラダにトッピングする
  • 果汁を絞ってそのままグレープフルーツジュースとして飲む
  • 果肉をゼリー液に混ぜてグレープフルーツゼリーを作る
  • 果肉を砂糖漬けにして、おやつやトッピングにする
  • 果肉をシャーベット状にして、デザートとして食べる

3位:キウイフルーツ

キウイフルーツはビタミンCや食物繊維も豊富です。小さく食べやすく、種も食べられます。独特の甘酸っぱさと、プチプチとした食感

キウイスムージー

料理例

  • キウイを薄切りにして、ヨーグルトや他のフルーツと混ぜてサラダを作る
  • キウイ、牛乳、ヨーグルトなどをミキサーで混ぜてキウイスムージーを作る
  • キウイの果肉をペースト状にして、肉や魚のソースにする
  • キウイの果肉をタルト生地に詰めてキウイのタルトを作る
  • キウイの果肉をゼリー液に混ぜてキウイのゼリーを作る

4位:みかん

みかんはクエン酸以外にも、ビタミンCやβ-カロテンも豊富です。皮ごと食べられるので手軽で、甘みが強く子供にも人気です。

みかん

料理例

  • みかんを薄皮ごと切ってサラダにトッピングする
  • 果汁を絞ってそのままみかんジュースとして飲む
  • 果肉をゼリー液に混ぜてみかんゼリーを作る
  • 果肉を砂糖漬けにして、おやつやトッピングにする
  • 皮を砂糖で煮て、みかんの皮の甘煮を作る

 

5位:オレンジ

オレンジはビタミンCや食物繊維も豊富で、香りが良いです。酸味が少なく食べやすく、様々な料理に使いやすいです。

オレンジジュース

料理例

  • オレンジを薄皮ごと切ってサラダにトッピングする
  • 果汁を絞ってそのままオレンジジュースとして飲む
  • 果肉をゼリー液に混ぜてオレンジゼリーを作る
  • 果肉を砂糖漬けにして、おやつやトッピングにする
  • 皮を砂糖で煮て、オレンジの皮の甘煮を作る
  • 果汁と砂糖を煮詰めてオレンジマーマレードを作る
  • 果汁とリキュールなどを混ぜてオレンジカクテルを作る
  • 果肉をケーキ生地に混ぜてオレンジケーキを作る

クエン酸が豊富に含まれる果物ランキンTOP10

100gあたりに含まれるクエン酸含有量のランキングです。

順位 食品名 成分量
1 レモン/果汁 6.5
2 レモン/全果 3
3 グレープフルーツ(白肉種)/砂じょう 1.1
4 キウイフルーツ(緑肉種) 1
5 温州みかん
6 オレンジ(バレンシア)/果実飲料 0.9
7 オレンジ(ネーブル)/砂じょう 0.8
7 いちご 0.7
9 パインアップル 0.6
10 ぶどう/皮つき 0.4

  出典:食品成分データベース(文部科学省調べ)

クエン酸を多く含む野菜トップ5の特徴と料理の活用法

 

1位:ミニトマト

一口サイズで食べやすく、子供にも人気です。甘みと酸味のバランスが良く、サラダやパスタなど様々な料理に使いやすいのが特徴です。リコピンやビタミンCも豊富で、美容効果も期待できます。ミニトマトはトマトよりもβ-カロテン、ビタミンC、食物繊維、カリウムの含有量が多く、糖度も高い傾向があります。ただし、価格もトマトよりも高くなります。

ミニトマト

料理例

  • サラダ:ミニトマトを半分に切って、レタスやツナと合わせ、オリーブオイルとレモン汁で和える
  • パスタ:ミニトマトを湯剥きして、パスタソースに混ぜる
  • スープ:ミニトマトを丸ごとスープに入れて煮込む
  • おやつ:ミニトマトをヨーグルトにトッピングする

2位:トマト

生食だけでなく、加熱調理にも使いやすいのがトマトです。リコピンやビタミンC、カリウムなどの栄養素が豊富に含まれています。完熟トマトは甘みが増し、サラダやデザートにもおすすめです。

トマト

料理例

  • サラダ: 様々な野菜と合わせて、トマトを主役にしたサラダを作る
  • パスタ: トマトソースを作って、パスタにかける
  • スープ: トマト缶を使って、ミネストローネやトマトスープを作る
  • ソース: 煮込み料理やハンバーグのソースにトマトを使う
  • 煮込み料理: 鶏肉や野菜と合わせて、トマト煮込みを作る

3位:バターナッツ・スクワッシュ

栗のような甘みとホクホクした食感が特徴のバターナッツ・スクワッシュです。β-カロテンやビタミンC、食物繊維も豊富に含まれています。スープやポタージュにすると、体が温まります。サラダや煮込み料理にも使えます。

バターナッツ・スクワッシュ

料理例

  • スープ: バターナッツ・スクワッシュを切って、玉ねぎやニンジンと一緒にスープを作る
  • ポタージュ: バターナッツ・スクワッシュをバターで炒めて、牛乳や生クリームを加えてポタージュを作る
  • サラダ: バターナッツ・スクワッシュを茹でて、サラダにトッピングする
  • 煮込み料理: バターナッツ・スクワッシュを切って、カレーやシチューに入れる

4位:グリーンピース

たんぱく質や食物繊維も豊富で、栄養価の高いグリーンピースです。鮮やかな緑色が料理の彩りを添えます。冷凍グリーンピースは手軽に使えるので便利です。

グリーンピース

料理例

  • サラダ: グリーンピースを茹でて、サラダにトッピングする
  • パスタ: グリーンピースをパスタソースに混ぜる
  • スープ: グリーンピースをスープに入れて煮込む
  • 炒め物: グリーンピースをベーコンやニンジンと炒める

5位:ししとう

ピリッとした辛味がアクセントのししとうです。天ぷらや炒め物など、様々な料理に使いやすいのが特徴です。緑黄色野菜なので、栄養価も高いです。

料理例

  • 炒め物: ししとうをベーコンやニンジンと炒める
  • 天ぷら: ししとうを天ぷら粉に

クエン酸が豊富に含まれる野菜ランキンTOP10

100gあたりに含まれるクエン酸含有量のランキングです。

順位 食品名 成分量
1 ミニトマト 0.6
2 トマト 0.4
3 西洋かぼちゃ 0.2
4 グリンピース 0.1
4 ししとう 0.1
4 しょうが 0.1
4 カリフラワー 0.1
4 たまねぎ 0.1
4 アスパラガス 0.1
4 キャベツ 0.1

  出典:食品成分データベース(文部科学省調べ)

クエン酸を効果的に摂取する調理方法

クエン酸を効率的に摂取できる、煮込み以外の調理方法をいくつかご紹介します。

1. 生で食べる

  • サラダ: トマトやきゅうり、レタスなどの野菜と一緒にサラダにすると、クエン酸を効率的に摂取できます。
  • ドレッシング: レモン汁やオリーブオイル、塩コショウなどを混ぜて、クエン酸を含むドレッシングを作ることができます。
  • スムージー: トマトやオレンジなどの果物と一緒にスムージーにすると、爽やかな味わいで飲みやすく、クエン酸を効率的に摂取できます。

2. 軽く炒める

  • サッと炒める: オリーブオイルでニンニクを炒め、野菜を加えて軽く炒めることで、クエン酸の損失を抑えられます。
  • パスタ: ベーコンやきのこなどを一緒に炒めて、パスタソースにするのもおすすめです。

3. 漬物にする

  • 浅漬け: 塩や昆布茶を使って浅漬けにすることで、クエン酸の損失を抑えられます。
  • ピクルス: 酢や砂糖、塩などを合わせてピクルスにすることで、日持ちも良くなり、クエン酸を効率的に摂取できます。

4. その他

  • スープ: 野菜スープやミネストローネなどに入れると、クエン酸の風味を楽しめます。
  • ソース: トマトソースやケチャップなどのソースに使うことで、料理に酸味をプラスできます。

これらの調理方法を参考に、ぜひ色々なレシピを試してみてください。

5. 煮込み

どうしても煮込み料理でクエン酸を摂取したい場合は、以下の点に注意すると良いでしょう。

  • 煮込み時間を短くする: 弱火で短時間煮ることで、クエン酸の損失を抑えられます。
  • 酸味を補う: レモン汁や酢などを加えると、クエン酸の風味を補えます。

疲労回復にクエン酸はいかがですか?!

「日常生活や運動後の疲労感を軽減する」機能の有効成分としてクエン酸を配合した機能性表示食品も人気を集めています。クエン酸は疲労回復だけでなく、ミネラルの吸収を促進する作用もあります。カルシウムと一緒にクエン酸を摂取すると骨粗しょう症に、鉄分と一緒にクエン酸を摂取すると貧血に効果が期待できます。 クエン酸が多く含まれている果物や野菜を疲労回復に摂取してみてはいかがでしょうか。

また、クエン酸は熱に弱いので、加熱する場合は煮込み過ぎないようにしましょう。クエン酸は酸性なので、酸味が苦手な人は砂糖や蜂蜜を加えると食べやすくなります。クエン酸は様々な料理に使いやすいので、ぜひ色々なレシピを試してみてください。

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