新型コロナ対策にゴースト血管の活性化は有効か?
新型コロナ対策の主な症状として熱・咳・だるさが挙げられます。重症化すると、肺炎症状が増悪し、集中治療室での治療が必要になり、最悪の場合は死に至ります。この新型コロナに対抗するために健全な免疫力をつけることが注目されています。またゴースト血管を改善して健全な毛細血管を維持することも重要だと考えられています。新型コロナウイルスが重症化しやすい人、日頃からできるゴースト血管の改善などの予防法を紹介します。
新型コロナ感染症の推移
日本では2020年1月16日に最初の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が確認されてから、感染は全国へ広がっていきました。未だ収束の目処が立たない新型コロナの9月までの感染者数をまとめてみてみました。
出典:新型コロナウイルス感染症について(オープンデータ)|厚生労働省
感染拡大が広がり、緊急事態宣言が発令された4月より、7〜9月に感染者数が多くなっていることがわかります。さらに統計から高齢者や基礎疾患を持っている人ほど重症化するリスクが高いことがわかりました。
重症化しやすい人はどんな傾向があるの?
高齢者ほどリスクが高まる
下記のグラフは8月19日に内閣官房が公表した年齢別の死亡者数です。年齢が高いほどリスクが高いことが伺えます。
出典:新型コロナウイルス感染症対策分科会 - 内閣官房(8月19日時点)
死亡率(陽性者数に対する死亡者数の割合)は、80代以上で18.1%、70代で8.5%、60代で2.7%、50代で0.6%、40代で0.2%となっています。
また、年齢だけでなく、慢性腎臓病、がん、冠動脈疾患等の基礎疾患がある者は症状が重篤化するリスクが高いとされています。米国CDC 「People of Any Age with Underlying Medical Conditions」によると、
- 慢性腎臓病
- 慢性閉塞性肺疾患
- 固形臓器移植による免疫不全状態
- 肥満(肥満度指数[BMI]30以上)
- 心不全、冠動脈疾患、心筋症などの重篤な心臓疾患
- 鎌状赤血球症
- 2型糖尿病
など疾患がある人は年齢に関わらず、重篤化するリスクが高いと発表されています。
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症COVID-19診療 の手引き」では、重症化のリスクがある人の特徴として、
- 65歳以上の高齢者
- 慢性呼吸器疾患
- 慢性腎臓病
- 糖尿病
- 高血圧、心血管疾患
- 肥満(BMI 30以上)
が挙げられています。
新型コロナはどんな病気なの?
2019年12月に初めて中国・武漢で新型コロナウイルスの患者が確認した。世界保健機関(World Health Organization:WHO)は、患者が報告された「2019年」と組み合わせて正式名称を「COVID-19」としました。COVID-19は「corona」の2文字「CO」+「virus」の2文字「VI」、「disease」の頭文字「D」をとって付けられました。
ウイルス名はSARS(重症急性呼吸器症候群)を引き起こすウイルス(SARS-CoV)の姉妹種であるとして、「SARS-CoV-2」と名付けられました。
今まであまり聞いたことがなかった「コロナウイルス」ですが、実は私の身近に存在していたウイルスです。2002年に感染が報告されて流行した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や2012年に患者が報告された「中東呼吸器症候群(MERS)」もコロナウイルスの一種です。
コロナウイルスはおよそ60種類が確認されていて、そのうち人に感染するウイルスは7種類と言われています。SARS、MERS、新型コロナウイルスを除く、4つのコロナウイルスは風邪です。
新型コロナウイルスはどうやって体に侵入してくるの?
ウイルスのエンベロープ(表皮)に王冠(コロナ)のような突起(スパイク)があり、この突起がアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)に結合して、細胞内に侵入します。
肺に侵入した新型コロナウイルスは、肺胞上皮細胞に発現するangiotensin converting enzyme 2 (ACE2)受容体を侵入経路として利用し、肺胞上皮細胞内で増幅し、上皮細胞の炎症が肺水腫をもたらせ呼吸障害を誘導しています。ウイルス感染から肺炎に至る病気の進行自体は、COVID-19に特異的なことではありません。しかし、このウイルス感染の重症化では、あまりに急速に多臓器不全が生じてくることが非常に不思議に考えられてきました。
新型コロナでは、肺で過剰炎症が起こり、多臓器不全に至って死亡するケースが報告されています。
引用:緊急提言 ゴースト血管の改善による感染症の未病予防 ~ウイルスを寄せ付けない身体を作る~前編
抗体は、本来ならウイルスから体を守るもの。しかし、抗体がウイルスと結合して免疫 細胞に取り込まれ、細胞内でウイルスへの感染が促進さます。その後ウイルスに感染した免疫細胞が暴走してサイトカインを過剰に放出し、症状を悪化させます。
免疫細胞はウイルスと戦うためにサイトカインを作り、制御不能となって放出され続ける「サイトカインストーム」。サイトカインストームが起こると、自分の細胞まで傷づけてしまう現象が起こってしまうのです。
ACE2は血管内皮細胞にも発現し、体内に侵入したウイルスは末梢血管の血管内皮細胞に発現しているACE2を見つけると、血管内皮細胞の中に侵入し、そこで増幅し、血管透過性を亢進させ出血に至る組織破壊をもたらしていたのです。
サイトカインストームを起こさないためには
サイトカインストームを起こさないことが、新型コロナウイルスへの対策として重要であることがわかります。サイトカインストームを起こさないためには、免疫力が健全であること。
基本的な免疫力を維持するために、乳酸菌や納豆やキムチいった発酵食品は役立ちます。これらの食品は消化管粘膜の免疫細胞を活性化させますが、継続して摂取して問題はありません。
ゴースト血管を改善し、ウイルス感染に対峙
COVID-19は未だ収束の目処が立っていません。治療法や特効薬もまだ確立されていない中、健康を維持することが一番の対策。
新型コロナウイルスの感染が生じてしまうと、血管を修復しようとしている弱った血管内皮細胞に侵入して、急速にそこがウイルス増殖の現場になってしまうようです。このことから、ダメージを受けてきているような血管の血管内皮細胞を活性化させて元の成熟した機能的な血管内皮細胞へと変化を促し、健康な毛細血管を維持していくことで、「ゴースト血管」を作らないようにしていく、あるいは、できてしまったゴースト血管をなんとか元に戻していくように、血管をよみがえらせることが必要だと思います。
引用:緊急提言 ゴースト血管の改善による感染症の未病予防 ~ウイルスを寄せ付けない身体を作る~ 後編
血管透過性が致死の原因となるようなウイルス感染にも打ち勝つためには、健康な毛細血管を維持できるように対策をしましょう。
血管内皮細胞を活性化し、ゴースト血管を改善することをオススメします。
参考資料
緊急提言 ゴースト血管の改善による感染症の未病予防 ~ウイルスを寄せ付けない身体を作る~ 前編
緊急提言 ゴースト血管の改善による感染症の未病予防 ~ウイルスを寄せ付けない身体を作る~ 後編