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フレイルとは何?ロコモ、サルコペニアとの定義の違いって何?

高齢になっても健やかな毎日を送ることができるように、これまではロコモティブシンドローム対策などが一般的に使われてきました。ところがここ5年ほどで新たな概念が注目されています。それがフレイルとサルコペニア。それぞれ加齢に伴って起きる変化に関与していることは共通ではありますが、実際にどのような概念なのかを紹介していきます。

フレイルとは

まだあまり認知されていないものの、高齢者のサポートをしている方の間では少しずつ広まってきた感のあるフレイル。

フレイルとは、厚労省資料では下記のようなに説明されています。

加齢とともに心身の活力(例えば筋力や認知機能等)が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高くなった状態

引用:厚生省

これまでのロコモティブシンドロームでは身体的な機能障害を主に対象としていましたが、他にも認知機能の低下うつといった精神的・心理的な問題、社会からの孤立などの社会的な問題も背景として挙げられます。

フレイルの背景にある精神的・心理的な問題とは

加齢による精神的な変化で食べる楽しみも薄れる?

加齢に伴って顕著にあらわれてくるのが食事量の低下による低栄養状態。

年齢を重ねてくると口の中のものをうまく飲み込むことができない、食事中にむせてしまう、食べていて疲れてしまうといった嚥下障害を起こしやすくなります。嚥下障害があると、食べ物が間違えて気道に入り込みやすくなってしまうため窒息や呼吸困難のリスクも高まります。 そうなるとどうしても食べる楽しみというものがなくなってしまいますよね。

食べる気力がなくなれば徐々に食事量も低下してしまい、当然低栄養状態に陥りやすくなります。体重が減って体力が低下しやすくなりますし、一度体調を崩すとなかなか元に戻らないといったケースも稀ではありません。

また、筋力やバランス能力が低下してしまうことで転倒をしてしまったり、骨がもろくなって骨折をしてしまう場合も考えられます。高齢者の骨折で問題になるのは、ちょっとの期間の入院でも一気に歩けなくなってしまうこと。骨の治癒も遅くなり、筋力も低下してしまうので特に気をつけなければいけない問題の一つでもあります。

加齢により脳も軽くなり、認知機能の低下に影響

歳を重ねるごとに少しずつ脳は萎縮してしまいます。これは神経細胞の数が減少してしまうことのほかに、脳の血流量が低下してしまうことも原因として考えられています。30代から徐々に萎縮が始まり、60代になると明らかな萎縮が見られ、90歳になると60歳の脳よりも5〜7%程度軽くなると言われています。 脳の中でも特に意欲や意思の源となっている前頭葉記憶や言語を司る側頭葉の萎縮が大きいと言われており、これらが認知機能の低下に影響を与えてしまいます。

 

認知症の症状だけではなく、言葉が出てこない、物事をうまく考えられなくなる、順序立てて進めることができないなど、これまでできていたことができなくなることへのストレスを感じてしまうことも考えられます。

社会的な孤立が生きる意欲を削いでしまう原因に

加齢に伴う一番の問題は社会的な孤立かもしれません。人間に限らず、動物は集団生活をすることで生きる気力が生まれてくるもの。友人や伴侶との死別、息子家族と疎遠になる、外に出ることが億劫になり社会と隔絶されてしまう、といったことが起こると生きる気力というものも削がれやすくなります。

また、社会的に孤立していなくても、例えば耳が聞こえない、目が見えないといったことで孤独を感じるケースもあります。最近では高齢者の生活を体験できるワークショップなども増えてきました。耳を聞こえづらくして、目が見えない状態で生活するとどういう感情になるか、という体験をすると、孤独を感じる、周りから置いてかれている感じがするという感想がもたらされたそうです。それだけ社会の中で生きるというのは人間の生きる力につながっていると言えます。

フレイルとサルコペニアの相関関係とは

フレイルと似たような用語で最近注目を集めているのがサルコペニア。サルコペニアは高齢期の中でも筋量の低下や運動機能の低下に対する概念として定められています。フレイルとサルコペニアの間にも相関関係があるので、しっかりと理解しておきましょう。

サルコペニアとは

サルコペニアとは、簡単にいうと「筋量が減少することで筋力や身体機能が低下してしまう状態」のことを指します。サルコペニアは身体機能障害や転倒のリスクがあると言われており、特に高齢者は注意が必要です。 サルコペニアの診断基準は多様ですが、握力と歩行速度を基準として考えることが多いです。握力の低下(男性で26kg未満、女性で18kg未満)や歩行速度の低下(秒速0.8km以下)が見られるとサルコペニアとして診断されます。

フレイルとサルコペニアの関係性

フレイルもサルコペニアも加齢に伴う身体活動量の低下によるものと考えられますが、フレイルは心身の虚弱状態、サルコペニアは筋肉量の減少状態と捉えることができ、概念的にはフレイルの方がより大きいと考えることができます。

単純に握力が落ちてペットボトルの蓋が開けられなくなった、歩く速度が遅くなってきて横断歩道を渡れなくなってきた、という状態はサルコペニア。

ペットボトルが開けられなくなって飲むのも面倒臭くなってきた、横断歩道が渡れなくなって外に出たくなくなってきた、というのがフレイルの状態ですね。

ロコモティブシンドロームとの違い

これまで高齢者の運動器障害といえばロコモティブシンドロームが一般的でしたよね。ロコモとはどういった違いがあるのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

ロコモとは、運動器の障害によって「立つ・歩く」とった移動機能が低下した状態のことを指します。筋肉だけではなくて、骨や関節、神経といった様々な問題が原因として考えられるので、ロコモ中でも筋肉の問題として考えていくのがサルコペニアと位置付けておくのが良さそうです。

概念的にいうと、フレイルという大きな枠の中にロコモティブシンドロームがあり、ロコモティブシンドロームの原因の一つにサルコペニアを含めるのがわかりやすいと思います。ただし、サルコペニアによって心身が虚脱してフレイルになることもあれば、精神的な落ち込みから筋力や運動機能が低下してサルコペニアに陥ることもありますので、原因と結果は見極めるようにしておきましょう。

結局フレイルってなに?

まだまだ議論の余地がある概念ではありますが、健康な状態と要介護の状態の間の状態と捉える必要があります。要介護状態に入る手前としてフレイルの状態に陥っていることがほとんどで、適切な介入や支援によって生活機能の向上や維持が可能となってきます。 身体的・心理的・社会的なサポートというのは簡単ではありません。これまではロコモ対策として主に身体的なサポートが一般的ではありましたが、それ以上に心理的、社会的なサポートというのは地域としての取り組みが大切になってきます。