認知機能が気になり出したら機能性表示食品でサポート
「最近、記憶力に不安が…」という中高年が増加しています。加齢とともに認知機能は低下する一方。気になり出したら、脳トレや運動とともに食事の改善が大切。ここ数年では、認知機能の維持をサポートする機能性表示食品が登場し、注目されています。
認知機能って?
認知機能とは、記憶をはじめ、物事の判断、数字の計算、図形の認識、思考・言語などを含む脳の働きのこと。
認知機能が低下すると、「昨日の夕食のおかずは何だったかな?」といった物忘れや、友人の名前が出てこないといった失語などの症状が出てきます。これは脳の老化が原因。そうした現象は中年になると出始め、60歳を超えると顕著になります。
認知機能の低下を確実に防げる方法は確立されていませんが、有効な対策に有酸素運動があります。軽いジョギングやウォーキング、エアロバイクなどが適しています。
もう一つは食事の見直し。DHA・EPAを含むイワシやサバといった青魚、ポリフェノールとビタミン類が豊富な緑黄色野菜などを含むバランスの取れた食事が推奨されています。飲み物はコーヒーや緑茶がおススメです。
しかし、認知機能の低下の対策として、青魚や緑黄色野菜などを毎回の食事で摂取することは簡単ではありません。そこで、機能性表示食品の活用も有効な手段となります。
認知機能の維持をサポートする機能性表示食品
認知機能を維持する働きが確認された機能性表示食品の届出は多く、370製品を超えています(2021年10月15日現在)。機能性表示食品の総届出件数が4,500件超なので、全体の8%強を占めます。
認知機能に対応した機能性表示食品では、どのような働きが確認されているのでしょうか。主なものは以下のとおりです。
認知機能に対応した機能性表示食品の主な働き
- 数・ことば・図形・状況などの情報の記憶をサポートする機能
- 認知機能の一部である記憶力、判断力を維持する機能
- 言葉を記憶し思い出す能力『言語記憶力』を維持する機能
イチョウ葉由来成分と青魚のDHA・EPAが主流
認知機能の維持をサポートする機能性表示食品には、どのような成分が配合されているのでしょうか。
認知機能のの維持をサポートする機能性表示食品の配合成分の代表選手は、イチョウ葉由来のフラボノイド配糖体とテルペンラクトン、青魚に含まれるDHAとEPAです。
そのほか、大豆由来ホスファチジルセリン、鶏由来やホタテ由来のプラズマローゲンを配合した製品も多数販売されています。
このほかの配合成分としては、クルクミン、バコパサポニン、ラクトノナデカペプチド、ルテイン、ゼアキサンチン、アンセリン、カルノシン、アスタキサンチン、テアニン、茶カテキンなどがあります。
食品の形態はサプリメントが圧倒的に多く、認知機能を訴求した製品の約80%を占めています。
サプリメント以外で存在感を示しているのが、魚肉ソーセージや缶詰。このほか、スープ、ガム、乳酸菌飲料、クッキー、ドレッシング、緑茶飲料、ヨーグルトなどがあります。
生鮮食品も登場しています。鮮魚のブリ、精肉の鶏肉や豚肉などで、ブリにはDHA・EPA、地鶏の胸肉にはアンセリンとカルノシンが豊富に含まれています。
科学的根拠に基づく機能性と安全性
機能性表示食品の届出資料を読むと、認知機能の低下の原因に対するアプローチ方法にはいくつかあることに気づきます。
もっとも多いのが血流改善で、イチョウ葉エキスが代表格。イチョウ葉エキスの摂取により、脳の血流量が増加することがヒト試験で確認されています。脳の血流を改善し、認知機能の記憶力や判断力などをサポートするという働きです。
アスタキサンチンについては、「目」の健康に役立つ成分として知られていますが、その抗炎症作用、活性酸素補足作用、神経保護作用によって脳に働きかけます。
脳が衰える原因となる脳内のアミロイドベータやタウタンパク質の結合を抑制することによって、記憶力の維持に働きかけるという作用機序(メカニズム)に基づく製品も届け出されています。
また、疲労によって注意力が低下した状態を和らげることを通じて、作業効率の向上に役立つ機能を確認した製品もあります。
機能性表示食品では、これらのアプローチによるヒト試験を実施し、科学的に機能性を確認済み。安全性についても、安全性試験の実施や食経験の評価などによって確認されています。
生活習慣の見直しと機能性表示食品で対応
記憶力が気になり出したら、まずは運動と食事の改善を心がけましょう。睡眠をしっかり取って疲労やストレスを溜めないことも大切。そして、機能性表示食品の活用もおススメです。さまざまなタイプの製品が販売されていますので、無理なく続けられそうなものを選んでチャレンジしてくださいね。