コレステロールに対応した機能性表示食品〜HDL(善玉)コレステロールを増やす機能性表示食品とは〜
現代の食生活やライフスタイルは、血中コレステロールのバランスを崩しやすいと言われています。
コレステロールに対応した機能性表示食品は、ここ数年で増加しています。
コレステロールに対応した機能性表示食品は現在(2024年10月31日時点)、約245商品の届出が公表済みで、大きな市場を形成しています。
2023年5月ではおよそ約180商品の届出でしたので、1年間でコレステロールに関する機能性表示食品が増えていることがわかります。
悪玉コレステロールを減らす機能性表示食品と善玉コレステロールを増やす機能性表示食品の2つに大きく分けることができます。
この記事ではHDL(善玉)コレステロールを増やす機能性表示食品を紹介します。
HDL(善玉)コレステロールを増やすと良いの?
HDLコレステロールは、いわば「血管のお掃除屋さん」と呼ばれる存在です。HDL(善玉)コレステロールは、抹消組織にある余ったコレステロールを回収し、肝臓に戻す働きがあり、血管壁へのコレステロールの沈着を抑制する働きをします。
肝臓でコレステロールは代謝されて胆汁として排出されるため、血管内での蓄積が防がれます。
血液中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪の値が高く、HDL(善玉)コレステロールが低いと、血管の内壁にコレステロ-ルが沈着し、動脈硬やそれに伴う心血管疾患(心筋梗塞や脳梗塞)を起こすリスクが高くなります。
善玉コレステロールを増やす機能性表示食品とその成分
HDL(善玉)コレステロールを増やす機能性表示食品は、心血管疾患のリスク低減に役立つとされています。HDL(善玉)コレステロールに対応した機能性表示食品には、下記の機能性成分を含まれています。
トマトなどに含まれる赤い色素「リコピン」
リコピンは、トマトやスイカ、ピンクグレープフルーツなどの赤い色素成分で、健康効果が多く研究されています。
トマトなどに含まれる赤い色素「リコピン」には、血中HDL(善玉)コレステロールを増やす働きが報告されています。血中コレステロールが気になる方にお勧めです。
「KAGOME(カゴメ)カゴメトマトジュース低塩」「KAGOME(カゴメ)カゴメトマトジュース高リコピントマト使用食塩無添加」があります。
また、リコピンには悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を下げる効果があると報告されていています。
カカオに含まれるポリフェノール「カカオフラバノール」
カカオフラバノールはカカオに含まれるポリフェノールの一種であり、チョコレートやココア飲料などに含まれる食品成分。カカオに含まれるポリフェノールで、血管の柔軟性を維持し、HDLコレステロールの増加をサポートするとされています。カカオフラバノールには、血中HDL(善玉)コレステロールを増やす働きが報告されています。また、血流を改善することで、血圧が高めの方の血圧を低下させる働きが報告されています。
明治「チョコレート効果WプラスCACAO(カカオ)72%」や森永製菓「ココアカカオ 90 スティック」などがあります。
キューバの経済的作物である「キューバ産サトウキビ由来ポリコサノール」
キューバ産サトウキビ由来ポリコサノールは、血中HDL(善玉)コレステロールを上昇させる機能が報告されています。
サトウキビはキューバの主な経済的作物であり、かつて国民総生産の約25%、総輸出額の80%を砂糖が占めていました。1990年代早期、キューバの研究者は、独特な成分組成を持つキューバ産サトウキビ由来ポリコサノールを作製しました。
日本でも長寿因子 HDL研究会がキューバ産ポリコサノールの摂取により、HDLの数が増加し、さらに血管内のコレステロール回収能力が向上することが証明しました。
日本人の主要な死因、動脈硬化や心筋梗塞の治療には、アスピリンやスタチンなどの薬が用いられますが、主な目的は悪玉コレステロール(LDL)の減少で、肝機能の悪化など副作用リスクがあります。キューバ産ポリコサノールは、血管プラークのコレステロールが効率的に排出され、心血管疾患の改善に役立ち、治療薬の代替となることが期待されています。
常緑⾼⽊アフリカマンゴノキの種子由来「アフリカマンゴノキ由来エラグ酸」
アフリカやインドなどの熱帯地方に自生する常緑⾼⽊アフリカマンゴノキの種子に含まれるアフリカマンゴノキ由来エラグ酸には、健康な方の中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロールを低下させる機能、HDL(善玉)コレステロールを上昇させる機能があることが報告されています。
大正製薬「中性脂肪やコレステロールが気になる方のタブレット」などがあります。
HDLコレステロール値の低下は生活習慣にあり
HDLコレステロール値の低下は、生活習慣が関係していることが多いです。食べ過ぎ、喫煙、運動不足など。
機能性表示食品はコレステロールが気なる方へはおすすめだが、生活習慣の見直しも欠かせません。
運動することでLDL(悪玉)コレステロールを減少させ、HDL(善玉)コレステロールを増加させることが分かっています。これにより、動脈硬化の予防にもつながります。
一方、喫煙は体に悪影響を与えるだけでなく、HDLコレステロールを減少させ、LDLコレステロールを増加させる原因となります。
適量の飲酒は、HDLコレステロールを増やし、動脈硬化の予防に一役買うことがありますが、注意が必要です。お酒を過剰に摂取すると、肝臓で中性脂肪の合成が促進され、これが血液中の中性脂肪値を上昇させます。その結果、HDLコレステロールが減少し、LDLコレステロールが増えてしまうことに。健康的な飲酒は適量を守ることが肝心です。
機能性表示食品を摂るだけでなく、日常生活から健康に気をつけた取り組みが必要です。