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リンパ管に老廃物が蓄積されると、どうなるの?

カラダ
YOKARE編集部
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リンパ管に老廃物が蓄積されると、どうなるの?

リンパに老廃物が溜まると健康に悪いというのは、なんとなくご存じの方も多いでしょう。このリンパとは一体どこにあり、どのような役割をしているか紹介します。脳にもリンパが存在していると最近になり、発見されました。脳にも老廃物は溜まってしまうのでしょうか。

リンパはどこにある?

私たちの脊椎動物の体液は、血液、組織液(間質液)、リンパ液の3つに分類されます。

血液は血管を流れ、体の酸素を循環させたり、食事からの栄養を送り出したり、いらなくなった老廃物を運ぶ役割を持つ体液です。

組織液は、組織や細胞間の隙間を流れる体液で、血液の液体成分である血しょうの一部が毛細血管からしみ出したもので、細胞との間で物質の受け渡しをします。

そして、もう1つの体液であるリンパ液はリンパ管内を流れる体液。組織液の一部がリンパ管内へ流れ込んだもので、リンパ液に含まれるリンパ球が免疫に働きます。私たちの免疫に関係する場所とつながっており、体に入ってきた細菌や異物などをろ過、除去する役割を持ちます。


通常、リンパというと、全身を網の目のように張り巡らされている「リンパ管」、その管の中の流れている「リンパ液」、鎖骨や脇の下、脚のつけねの鼡径部、膝の裏などにある「リンパ節」を総称して言っていることが多いでしょう。
リンパ液は、一部は毛細リンパ管に入りリンパ管に送られ、最後は静脈に入ります。

毛細リンパ管として始まってから静脈に注ぐまでにリンパ管は合流を繰り返しますが、合流する部分にリンパ節と呼ばれる場所があります。リンパ節には、リンパ球、マクロファージなどの免疫細胞が集まっています。

リンパ管は、血液と違って心臓の様なポンプの役割をするものがないので、血液よりも流れが遅くなって老廃物や余分な水分がたまりやすくいのが特徴です。リンパ管の始まりである毛細リンパ管には弁がなく、筋肉運動やリンパケアなどの外圧によってリンパ液を移動させることができます。

リンパに老廃物が溜まるとは?

リンパの役割は老廃物の「排泄」と「免疫」の2つの役割があります。リンパ液はゆっくりと流れながら、毒素や老廃物を排出し、ウィルスや病原体から守ってくれる役割をしています。リンパの流れが滞ると体内の老廃物は余分な水分が排出されなくなり、免疫機能も低下します。

そのため、リンパに老廃物が溜まると、むくみ、頭痛、肩こり、肌荒れ、便秘、冷えなどの症状に悩まされたり、疲労物質が身体に溜まるため疲れを感じやすくなったりすると言われています。

脳の中にあるリンパ液が老廃物を蓄えたら?

最近まで、脳にリンパ管に相当する構造は認められていなかったのですが、脳にもリンパ系があることが発見されました。
ジョナサン・キプニス博士は、博士研究員の Antoine Louveau による2015 年のNatureの論文は「Structural and functional features of central nervous system lymphatic vessels (中枢神経系に存在するリンパ管の構造的機能的特徴)」というタイトルで発表されました。

さらに、Nature 2018年8月9日号の「Functional aspects of meningeal lymphatics in ageing and Alzheimer’s disease.(「加齢およびアルツハイマー病における髄膜リンパ管の機能的側面)」では、髄膜のリンパ管が、認知機能の維持にも、脳を流れる体液中(脳間質液や脳脊髄液)のタンパク質恒常性(タンパク質を適正レベルで維持すること)にも役立つことを明らかにしました。つまり、髄膜にあるリンパ管は、血管と相互作用して脳から有害な老廃物を除去しているということです。
これらの論文から、髄膜リンパ管は、正常な加齢やアルツハイマー病などの疾患に関係があると思われるようになり、研究が行われています。

どうやったらリンパの流れが良くなるの?

血液のように心臓のようなポンプがないので、リンパ管にはありません。リンパ液は筋肉の収縮、呼吸、血管の振動によって流れます。つまり、座りっぱなしや立ちっぱなしなど運動不足ではリンパの流れが滞ります。リンパの流れを良くするには、普段から歩いたり、運動をしたりして身体を動かす習慣をつけましょう。簡単な方法では筋肉の収縮をするストレッチがオススメです。
セルフケアでは調子が良くならない場合、リンパマッサージや外部からの刺激(リンパドレナージュ等)を試してみるのも良いでしょう。

  • ストレッチをする
  • 身体を適度に動かす
  • リンパマッサージやリンパドレナージュ

脳の老廃物と睡眠は関係している?

脳に蓄積する重要な老廃物の一つに「アミロイドβ(ベータ)」があります。アミロイドβの蓄積がこの認知症の発症に深く関与していると言われています。さらに睡眠時間が長いほど、アミロイドβの濃度が高くなることがわかっていて、睡眠中のアミロイドβの除去は覚醒時の倍以上。睡眠をしっかり取ることが脳の老廃物を除去するのに重要だと言うことです。特に40代以降から、脳内のアミロイドβの蓄積は40代前後から始まるので、残業や深酒をすることなく、睡眠を選ぶようにしましょう!

  • しっかり睡眠をとる
     

リンパマッサージとは?リンパドレナージュとは?

リンパマッサージは、全身に流れるリンパ液の流れをよくするために行われる施術で、美容を目的として人気があります。欧米では、リンパマッサージは体系化されていて、リンパドレナージュという資格があり、医療行為の一つとして確立されている国もあります。
リンパドレナージュとは、フランス語(英語)で「リンパ排出」という意味を持ちます。1930年頃、デンマーク人の理学療法士のエミール・ボッダー氏が考案したリンパ排出法(リンパドレナージュ)ルーツといわれます。

リンパドレナージュは、リンパ液の排水を目的にした手技で、リンパ液への働きかけにより、むくみ解消を目指したり、リラックス効果を得たりするための施術です。
ヨーロッパやアメリカでは医療現場での医療行為として認められていますが、日本では法律上で認められていません。国家資格が必要なあん摩マッサージや鍼灸と異なり、リンパドレナージュの施術が提供される場は、主にエステサロンといった場所にとどまっています。
「マッサージ」と「ドレナージュ」は、目的も方法も異なる施術を指し、少なくともリンパ浮腫の改善を目的として医療現場で行われている手技については、「リンパドレナージ」(=リンパドレナージュ)と呼ぶべきでしょう。

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