要注意!夏冷えの原因と対策
昔から、「冷えは万病の元」と言われていますが、夏の冷え性には注意が必要です。
夏は、外気温が高いため汗をかいて体温を下げようとします。汗をかいた状態で急に室内に入ると、冷房で身体が冷え過ぎてしまいます。このように夏は、暑い場所と寒い場所などの温度差を繰り返し自律神経も乱れやすく、ホルモンバランスにも影響があります。
また、夏の食べ物は身体を冷やすものが多く、内臓の冷えにも繋がります。
夏の冷えこそ、冬の冷え症に繋がってしまうかもしれません。冷え性は寒い時期よりも、外気が高い夏の方が冷えを治すのに効率的!これを、東洋医学では「冬病夏治」という治療法で自然界の環境を利用して、より一層治療効果を高めるという方法です。
夏こそしっかりと冷えを改善し、寒い冬に備えることが大切なのです。ここでは、夏冷えの原因と対策をご紹介していきます。
冷え症のメカニズム
まず、そもそも冷え性とは何か?ここでは、そのメカニズムを考えていきます。
私たちの身体は、暑い時は汗をかいて、寒い時には筋肉を震わせて、熱を作り出して体温を調節しています。こうした一連の働きは、自律神経が司っています。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つがあります。寒い環境にいると体内の熱を外に逃がさないように交感神経が優位になり手足の末梢の血管が縮小し、体が緊張状態になります。これは、体温を保つための自然現象です。
しかし、何らかの原因で自律神経がうまく機能しなくなり、暖かい環境に戻ってもいつまでも血管が収縮した状態が続き、血流の循環が悪くなって手足の皮膚温度が低いままの状態になることがあります。これが、一般的に「冷え症」と言われる状態です。
冷えに対する感覚には個人差があり、自分が冷え症かがわからない方や、冷えに気づいてない方もいます。
冷え症の方は、身体の中心部と手足の温度の差が夏で2度、冬では5度程度の差があると言われています。
額に手のひらを5秒程度あて、その手をもう一方の手、または足の裏にあて、当てた場所が冷たいと感じたら、冷え性である可能性が高いです。ぜひ、セルフチェックしてみて下さい。
冷え症で起きるさまざまな症状
冷え性を放っておくと、さまざまな不調を引き起こします。血流が悪くなることで循環機能の働きの低下、免疫不全、あらゆる臓器の代謝が悪くなり、機能が低下します。
- 冷え症にともない起きる主な症状
肩こり、頭痛、胃腸の不調、更年期障害、不妊、不眠症、花粉、アレルギー、生活習慣病、ガン、肌トラブル、むくみ、肥満、生理痛、生理不順など
夏に冷える主な原因
冷房による冷え
夏の冷えの原因には、冷房に当たり過ぎたがゆえの冷えが挙げられます。
暑さが激しい屋外から、エアコンが良くきいた冷えた室内に入ると涼しさを感じ、汗がひきます。
屋外から冷房が効いた室内に入ったとき、急激に変化する温度差が要注意です!
この温度差は、身体に負担がかなりかかります。
身体が対応できる温度差は7度くらいまでと言われています。
それ以上の気温差がある場所に頻繁に出入りすると、体温を調節する自律神経がうまく働かなくなります。これが俗にいう「冷房病」といわれています。
更に、夏は薄着でノースリーブやスカートなど薄手の服装やサンダルなど肌の露出が増えるのも冷える原因の一つです。
首や足首には、太い血管が通っており、これらの部位に直接冷房の風が当たると、すぐに身体が冷えてしまいます。
血の巡りが悪いと、酸化物質や疲労物質などの老廃物が滞り、疲れがとれにくくなる原因にも。
内臓の冷え
そして、夏はキンキンに冷えたアイスやビールなどが美味しく感じられる季節ですが、冷たいアイスや飲み物を摂ると、内臓温度が4度近く下がると言われています。
内臓の温度が下がると臓器の機能が低下するとともに基礎代謝や免疫力も落ちます。
内臓温度が1度下がると基礎代謝は11~12%落ち、免疫力は30%以上低下。
病気やさまざまな不調を引き起こす可能性があるため、内臓の冷えは身体の表面の冷えより深刻です。
夏冷え対策
夏は外側からも、内側からも冷える可能性があります。今日からできる夏冷え対策をまとめましたので、参考にしてみてください。
- 冷房の効いた部屋では、カーディガンを一枚はおる。素材は、吸湿性・保温性にすぐれた、天然素材のシルク100%がおすすめ
- 首、足首、手首を冷やさない
- 夏でも、常温もしくはホットの飲み物で内臓を冷やさない
- お風呂につかる
- 5本指ソックスをはく
- エアコンの温度は外気温度-3℃~-5℃までにする
- カラダを温める食材を摂取する
からだ温め食材で内臓から温める
冷え性改善効果のある食材を積極的に摂ることが内臓の冷えに有効です。
しょうが
しょうがには、身体を温める2つの成分ショウガオールとジンゲロールという成分が含まれています。
ショウガオールは、加熱した時に摂れるもので、ジンゲロールは非加熱の状態で摂れる成分です。
この2つの性質を持つしょうがは加熱したもの、非加熱のものどちらも摂取することで高い効果を得られます。
かぼちゃ
かぼちゃに含まれるビタミンEは血管を広げ巡りを良くし身体を温める作用があります。冷えて弱った胃腸にぴったりの食材です。
にら
にらは血流を良くし、胃腸を温める効果が期待されている食材で、夏冷えにぴったりの食材です。にらに含まれる匂いの成分は消化酵素を促し、食欲を増進させる働きがあり夏バテにも◎
きのこ類
夏の発汗で失われやすいカリウムを補給することもできるため、ナトリウムを排出しやすくし、血圧調整やむくみ改善効果が。また、エネルギー代謝を高めて体を温める効果が期待されます。
ネギ
ネギに含まれる特有の香りと辛味成分のアリシンが血行を良くし体を温めます。また、疲労物質である乳酸を分解してくれるので肩こりの解消にも。
室内と室外の温度差のある夏は、自律神経が乱れやすくなります。自律神経の乱れから、冷え性につがることもあります。特に夏冷えは女性の大敵です。しっかり対策して冬の冷えが辛くならないようにしましょうね。