イチョウ葉エキスの効果とは?機能性表示食品が注目される理由とは?
イチョウの実の銀杏(ぎんなん)は、さまざまな料理に使用されます。一方、イチョウの葉に健康に役立つ重要な成分が含まれていることは、あまり知られていません。葉から抽出される「イチョウ葉エキス」はサプリメントの原料として使用され、その効果が注目されています。
イチョウ葉エキスとは?
イチョウの葉には、ケルセチンやケンフェロール、イムラムネチンなどのフラボノイド類の成分と、ギンコライドA・B・Cやビロバライドといったテルペノイド類の成分が含まれています。
イチョウ葉エキスは、葉を乾燥させた後、エタノールなどを用いて有効成分のフラボノイドやテルペノイドを抽出したものです。
イチョウの種子の外皮には、「ギンコール酸」という皮膚炎やアレルギーの原因となる有害成分が多いのですが、葉にもわずかながら含まれています。このため、イチョウ葉エキスのメーカーでは、「ギンコール酸」の含有量を厳しく管理しています。
ヨーロッパではイチョウ葉エキスを医薬品に使用
ヨーロッパではイチョウ葉エキスは健康食品だけでなく、医薬品としても販売されています。品質を一定レベルに確保するため、成分の含有量を規格化し、有害成分のギンコール酸の含有量についても「5ppm以下」と規定しています。一方、米国やカナダなどでは、イチョウ葉エキスを配合したサプリメントが人気です。
日本でも医薬品ではなく、サプリメントとして販売されています。当然ですが、サプリメントに用いるイチョウ葉エキスも、機能性と安全性を担保する必要があります。そこで、業界団体がイチョウ葉エキスの規格基準を策定し、サプリメント1粒中の含有量や、ギンコール酸の含有基準(5ppm以下)などを定めています。
イチョウ葉エキスの効果
イチョウ葉エキスの効果を見ると、生理作用としては抗酸化作用や血液凝固抑制作用などが報告されています。
血液凝固抑制作用があるため、血液凝固抑制剤やワルファリンなどの抗血栓薬を服用している方は、イチョウ葉エキスのサプリメントの使用を避けなければなりません。
国内外で確認されているイチョウ葉エキスの主な効果として、「認知機能のサポート」があります。具体的には、中高年の記憶力に対する効果です。
その他の効果については、今のところ、十分な科学的根拠が整備されていません。
イチョウ葉エキスは機能性表示食品“一択”!?
イチョウ葉エキスを配合したサプリメントは多くの商品が流通していますが、そのなかでも注目を集めているのが「機能性表示食品」です。
というのも、機能性表示食品は「記憶力を維持」する効果を商品パッケージに表示できて、消費者にとって理解(選択)しやすいからです。加えて、国が運営する制度の下で、機能性と安全性が企業責任によって担保されているため、一般的な商品よりも安心して利用できることも人気の理由の一つです。
イチョウ葉エキスの機能性表示食品は、2022年3月25日現在で162件の届出が消費者庁のホームページで公表されています。
各商品に含まれる機能性関与成分は、イチョウ葉由来フラボノイド配糖体とイチョウ葉由来テルペンラクトン。各商品の1日あたりの摂取目安量に、イチョウ葉由来フラボノイド配糖体が19~28mg程度、イチョウ葉由来テルペンラクトンが4~7mg程度含まれています。
次に、機能性表示食品の表示内容を見ましょう。代表的なものを以下に挙げました。
- 認知機能の一部である記憶力(日常生活で生じる行動や判断を記憶し、思い出す力)を維持する機能がある旨。
- 中高年者において、認知機能の一部である記憶力(日常生活で見聞きした言葉・数字・図形・位置情報を覚え、思い出す力)を維持・サポートする機能がある旨。
基本的に中高年の方を対象としています。商品によって、図形や数字の記憶力、行動や判断の記憶力などの違いがあります。
「怪しい」と思ったらイチョウ葉エキスも選択肢に
「最近、もの覚えがちょっと怪しくなってきたかも」と感じ始めたら、脳トレに加え、イチョウ葉エキスのサプリメントも選択肢の一つです。
その際、安心して利用するためには機能性表示食品がオススメ。上手に利用して、脳の健康をしっかり守りましょう。