便秘気味の方には「整腸作用」の機能性表示食品
「最近、お通じが…」とお悩みの方は、規則正しい食生活や適度な運動を心がけることが大切です。それにプラスして、機能性表示食品の利用もオススメ。整腸作用を訴求した機能性表示食品は、多くの企業からさまざまな商品が販売されています。整腸作用がある機能性表示食品について解説します。
「整腸作用」は届出全体の1割強
整腸作用は、もともと特定保健用食品(トクホ)で多数の商品が許可されてきた分野であり、機能性表示食品でもポピュラーな商品群の1つです。
整腸作用を持つ機能性表示食品の届出は600件(2022年9月21日現在)を超え、全体の1割強を占めています。
「便秘気味」や「便通改善」の表示も
整腸作用を持つ機能性表示食品では、どのような表示をしているのでしょうか。大きく分けると、「お腹の調子を整える」「便通を改善」「便秘気味の方に」「お通じを改善」があり、どれも同じ意味です。以下に代表的な表示例を並べました。
- 腸内フローラを良好にし、便通を改善する機能が報告されています。
- 便秘気味の方の便通を改善する機能が報告されています。
- お通じを改善する機能が報告されています。
- お腹の調子を整えることが報告されています。
人気の成分は「難消化性デキストリン」「イヌリン」「ビフィズス菌」
整腸作用の機能性表示食品に配合する成分(機能性関与成分)には、多くの種類があります。主なものを挙げると、以下のとおりです。
難消化性デキストリン、イヌリン、ビフィズス菌、乳酸菌、小麦ブラン由来アラビノキシラン、マルトビオン酸Ca、グアーガム分解物、フラクトオリゴ糖、ラクチュロース、サイリウム種皮由来食物繊維、イソマルトデキストリン…。
このうち、もっともポピュラーなのが「難消化性デキストリン」「イヌリン」「ビフィズス菌」です。
難消化性デキストリンは、トウモロコシのデンプンに微量の塩酸を加えて加熱し、酵素で処理して得られる水溶性食物繊維。
イヌリンは、チコリやゴボウなどに含まれる水溶性食物繊維。日本では難消化性デキストリンが大きなシェアを占めていますが、EU諸国ではイヌリンが一般的です。
ビフィズス菌は乳酸菌と混同されがちですが、腸内フローラの善玉菌であるビフィズス菌と乳酸菌の比率は99.9%対0.1%で、ほとんどがビフィズス菌なのです。
有効性を確認するために、どのような試験を行うの?
整腸作用の機能性表示食品は、トクホの試験方法に準拠して有効性を確認します。試験方法は、「二重盲検並行群間比較試験」または「二重盲検クロスオーバー比較試験」です。
二重盲検並行群間比較試験は、被験者を特定の成分を含む食品の摂取グループと、同成分を含まない食品のグループに分けて、結果を比較する手法です。二重盲検クロスオーバー比較試験はグループ分けをせずに、特定の成分を含む食品の摂取期間と、同成分を含まない食品の摂取期間をずらして、それぞれの結果を比較する手法です。
試験の指標(目標とする結果)は、排便回数・排便量・便性状などをあらかじめ設定しておきます。摂取期間は2週間以上で、測定は原則1週間ごとに行います。
整腸については、健常者と病者の間に位置する「境界域の方」を被験者とすることが可能。このため、便秘傾向の方を対象とするのが一般的です。
便秘気味の方は機能性表示食品にチャレンジを!
整腸作用を持つ機能性表示食品はインターネット通販でも、スーパーマーケットやドラッグストアでも手軽に購入できます。サプリメントや飲料をはじめ、菓子類、デザート類などさまざまな商品がそろっています。
便秘気味の方はぜひ一度、チェレンジしてみてはいかがでしょうか。