イヤホン表面の細菌数は便座の20倍?!夏の耳ムレ対策とイヤホン選び
夏は熱中症や紫外線による肌トラブルが注目されていますが、夏の高温多湿な環境下では耳の負担も大きくなり、耳ムレや耳カビといったトラブルが増加します。
6月19日、NTTソノリティ主催の「オープンイヤーと耳の不快に関するラウンドテーブル」が開催され、梅雨から夏にかけてのイヤホン・ヘッドホンの使用実態や、それに伴うリスクについての調査結果が発表されました。さらに、耳鼻咽喉科専門医・内尾紀彦先生(そらいろ耳鼻咽喉科センター北駅前院 院長)も登壇し、夏場に増加する耳のトラブルの原因や、具体的な対策について解説しました。
夏場に耳のケアしてますか?
NTT ソノリティの調査では、夏のイヤホン・ヘッドホンによる不快は43.2%の人が感じたことあることがわかりました。しかし、夏の暑さ・湿気の対策の実施状況を部位別で調査したところ、顔のケアは61.6%の人が実施しているのに対して、耳のケアは11.0%にとどまる結果となっています。
「夏のイヤホンやヘッドホンを装着時に汗や蒸れなどの不快感に対して対策したことがあるか」という質問に、54.6%の人が「我慢している」と回答し、何もしていない人と合わせると82.9%の人が対策をしていないことが判明。
夏の耳トラブル、5時間以上のイヤホン装着でリスク4倍!
耳鼻咽喉科専門医・内尾紀彦先生(そらいろ耳鼻咽喉科センター北駅前院 院長)によると、夏の耳トラブルには以下の3つの原因があるといいます。
- 長時間のイヤホン・ヘッドホン使用
- 耳掃除のしすぎ
- 高温多湿な環境
1. 長時間のイヤホン・ヘッドホン使用
夏の耳のトラブルの原因としては一つがイヤホン・ヘッドフォンの長時間利用。イヤホン・ヘッドフォンの利用時間が1時間未満の人と比べると、5時間以上の人は4倍も耳のトラブルの発症リスクが高まります。
イヤホン・ヘッドホンの長時間使用によって、外耳炎や耳のカビ、耳のかゆみなどの症状が出やすくなってしまいます。
2. 耳掃除のしすぎ
日本人は耳かきが好きな国民性とのこと。アメリカでは耳掃除は禁止するガイドラインもあるくらい耳に良くない習慣という認識が定着。耳を頻繁に掃除しすぎると、外耳道の皮膚が傷つき、細菌感染が起こりやすくなるため、「月に1~2回に見える範囲で優しく拭く程度で十分です」と内尾先生。
3. 高温多湿な環境
夏場は気温が高く、発汗量も多くなるため、外耳道が湿った状態が続き皮膚のバリア機能が低下します。
夏と言えばプールですが、耳にとっては注意が必要。プールの水は清潔ではないので、細菌感染を起こしやすくなります。
水泳や入浴後は清潔なタオルで耳の入り口や耳介を優しく拭き取りましょう。耳の奥(外耳道)まで触ると傷つけてしまうので手前を拭くようにしましょう。
気になる場合は、ドライヤーの冷風を耳から30cm以上離して当て、乾燥させることも有効です。ただし、長時間は火傷には注意が必要です。
耳の不快をセルフチェックして生活の質を向上
NTT ソノリティは調査の結果を受け、そらいろ耳鼻咽喉科センター北駅前院 院長の内尾 紀彦先生監修のもと、耳の不快感を可視化できる「耳の不快指数」セルフチェックシートを独自に開発しました。
- 0~1:非常に良好。理想的な耳のコンディション。
- 2~4:耳の中に軽い湿気やムズムズ感などを感じたことがある。外耳炎の前段階にあたるリスクあり。
- 5~8:耳の中のムレ感・違和感を自覚している。既に耳のバリア機能が弱まりかけているサイン。放置すれば炎症や感染の進行可能性あり。
- 9~12:耳の中がムレてかゆい、違和感が続く、イヤホンが当たると痛いなど、不快が継続している状態。すでに軽度の外耳炎や皮膚炎の可能性あり。具体的な対処が必要。
- 13~15:痛みや強いかゆみ、耳垢の異常、分泌液など、明らかに異常な症状が複数該当。外耳炎・湿疹・真菌症などを既に発症している可能性あり。すみやかに耳鼻科を受診すること。
「エンタメや仕事でイヤホンは日常的に使われます。耳の状態をチェックし、イヤホンの見直し、耳のケアといった新習慣なれば、QOL(生活の質)自体も上がります。多くの方に、このチェックシートを活用していただけたらうれしいです。」とNTTソノリティ株式会社 マーケティング&クリエイティブ・コミュニケーションG ディレクター 清野裕美さんは夏の耳ケアの大切さを呼びかけました。
夏に向けてイヤホンの見直し、オープンイヤー型のイヤホンで耳の負担を軽減
nwmが販売しているオープンイヤー型の「耳スピ」はライフスタイルに寄り添うようにライナップが充実しています。
「耳スピ」の特長は、装着していても周囲の声が聞こえることで、人に声をかけられても気づくことができます。コミュニケーションロスを防ぎ、マルチタスクに適していることが訴求され注目を集めていました。さらに「オープンイヤー型の耳スピは耳ムレしにくく、夏の耳の負担を軽減します。」と夏場にも最適であると清野裕美さん。
イヤホンを長時間装着すると、湿気がこもりやすくなり、細菌が繁殖しやすい環境になります。“イヤホン表面の細菌数は便座の約20倍”という研究結果もあり、「イヤホンを清潔に保つことが非常に重要です」と内尾先生。これに対して、清野裕美さんは「オープンイヤーは汚れが気になるイヤーピースがなく、そもそも耳アカが入りにくい構造です。」とオープンイヤーの優れた特徴を紹介。
外耳炎の耳の中は、「生乾きの靴下」「長時間履いたレインブーツの中」のような状態になると内尾先生は外耳炎の深刻さを紹介し、治療にも時間がかかるため、早期発見・早期治療を呼びかけました。
高温多湿の夏場、オープンイヤー型のイヤホンは夏の耳ムレ対策の選択肢になるのではないでしょうか。