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癌組織では間質圧が高くなりゴースト血管に…。血管構造を維持する植物エキスの重要性

カラダ
YOKARE編集部
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癌組織では間質圧が高くなりゴースト血管に…。血管構造を維持する植物エキスの重要性

2026年5月28日(木)、第24回 ヘルスフードエキスポにて、Tie2・リンパ・血管研究会によるミニセッションが行われた。Tie2・リンパ・血管研究会 会長の大阪大学微生物病研究所 髙倉 伸幸教授(以下、髙倉先生)は、「毛細血管のゴースト化と炎症ドミノ」と題して、がんや血糖値の高い状態で起こる「炎症ドミノ」について解説。

通常、血管は階層化されていて、余剰な血液は回収できる

動脈・静脈、細動脈・細静脈、毛細血管と大きさによって血管は階層化されている。
 

血管階層化
どの血管も内腔は血管内皮細胞により形成されている。毛細血管および細静脈の内皮細胞の周囲に接着する壁細胞はペリサイト(周皮細胞)と呼ばれる。動脈や静脈の太い血管の周りは、伸び縮みする血管平滑筋細胞が取り囲んでいて、血液を流すパイプのような役割をしている。

細静脈は炎症時に、白血球が血管の外へ遊走する場として機能する。

毛細血管は酸素を供給し、毛細血管から漏れ出た余分な血液(血漿成分)も8割は回収している。毛細血管が回収できなかった残りの2割の余分な血液はリンパ管によって回収される。

癌になるとペリサイトがなくなり(減少し)、血液が漏れ出てしまう

癌になると血管の階層性が失われ、血管内皮細胞の周りの血管壁細胞(ペリサイト)が減少し、血管から漏れ出した余分な血液も回収できなくなってしまう。

血管壁細胞(ペリサイト)の離脱
 
「通常は、血管内皮細胞の周りには、血管壁細胞(ペリサイト)がくっついて、血液が漏れたとしても回収できる状態を備えています。しかし、癌や炎症組織では血管の階層性がほとんどなくなっていて、拡張した血管が増えてしまい、余分な血液が漏れ出ても回収できない状態になってしまいます。」(髙倉先生)

血液が組織へ漏れ出てしまい、間質圧が上昇してくると、酸素を取り込めなくなり、低酸素状態になる。体内では酸素が欲しいという信号(VEGF:血管内皮増殖因子)が送られ、新しい血管が作られるが、未成熟な血管しか作られなくなってしまうという負のスパイラルに陥る。

加齢や高血糖でも血管構造が壊れ、炎症状態を作ってしまう

「加齢によってもペリサイトが血管内皮細胞から剥がれてしまう現象が起こりますが、加速させてしまう要因は劣悪な生活習慣とわかっています。」(髙倉先生) 

例えば、糖尿病や一過性の高血糖でも、血管内皮細胞から活性酸素が発生し、これが血管壁細胞(ペリサイト)の損失につながる。ペリサイトが減少すると、血管構造が不安定になり、例えば網膜で血管透過性が亢進すると、神経細胞への圧迫が起こり、視野の欠損につながる。

実際にマウスを用いた実験も行われている。高血糖による酸化ストレスにより、AGE(終末糖化産物)が血管内皮細胞に出現するが、このAGEをマウスに投与すると、血管壁細胞(ペリサイト)の数が低下してしまうことが報告されていると言う。

通常、毛細血管は必要な栄養素や酸素などを水と一緒に運びながら、老廃物を水と一緒に回収するという循環を繰り返しているが、ペリサイトの剥奪によって、漏れでた液体成分や老廃物が組織に蓄積し、炎症状態を作ってしまう。

血管構造を維持するために、生活習慣を見直して、血糖値の上昇を抑制するように心がけたい。

ゴースト血管では抗がん剤がほとんど運ばれていかない、毛細血管の構造を一定に保つことが重要

「癌になると間質圧が高くなることがわかっています。毛細血管がぺっちゃんこになってしまい、血液の流れがなくなってしまった血管を”ゴースト血管”と名付けています。ゴースト化した毛細血管では抗がん剤がほとんど運ばれていかない、組織は低酸素で放射線も効かないという状態になります。」(髙倉先生) 

もし、癌になってしまったら、血管構造を維持したいと考えるがどうしたらいいのだろうか。

薬剤が細胞になかなか届かない状態を改善するために、毛細血管の構造を一定に保ち、血管同士も接着された状態を維持する必要がある。また、血管壁細胞(ペリサイト)の数を維持して、血管を拡張させず、血管の構造の維持を誘導していくことも重要になると言う。

正常な血管構造を阻害する「アンジオポエチン2」と「VEGF」

低酸素や炎症が起きると、新しい血管を作らないといけないので、VEGFが発現する。血管内皮細胞で、VEGFの受容体が活性化されると、新しい血管内皮細胞が作られる。しかし、VEGFは血管内皮細胞同士のつながりを抑制してしまうため、漏れやすい血管になってしまう。

VEGFによる漏れやすい血管の新生を抑制するのが、Tie2受容体の活性化だと髙倉先生は話す。

「漏れやすい血管が作られないようにするためにも、血管壁細胞(ペリサイト)が必要と考えられます。ペリサイトは血管内皮細胞の近郊にやってきて、アンジオポエチン1という分子を分泌し、血管内皮細胞に発現する受容体Tie2を活性化します。アンジオポエチン1とTie2が結合し、血管内皮細胞同士が接着し、漏れない血管が作られます。」(髙倉先生)

アンジオポエチン1とTie2が結合

Tie2には、アンジオポエチン1とアンジオポエチン2の受容体があり、アンジオポエチン1はTie2を活性化(リン酸化することで、活性体に変換できる)できる。

しかし、アンジオポエチン2はTie2を活性化できない。低酸素な状態で不安定な血管ではアンジオポエチン2が過剰になっていて、血管壁細胞(ペリサイト)を脱落させてしまう。 

すでにアンジオポエチン2とVEGFを抑制する抗体医薬が開発され、「加齢黄斑変性」「糖尿病黄斑浮腫」を効能として、承認されている。

病気になってしまった患者さんには抗体医薬は使えるが、未病の段階では使えない。

生活習慣や加齢による血管の構造変化を日常の中でどのように止めるかが非常に重要なことだと髙倉先生は指摘する。血管構造を維持するために、Tie2受容体を活性化するシナモンやヒハツといった植物エキスを摂取することが可能である。

「血管がゴースト化していると、健康食品の有効成分も届けられません。まずは、Tie2受容体を活性化し、血管構造を安定化させることから始めていかないといけません。」(髙倉先生)

調味料としてもヒハツは販売されていて、料理にも日常的に使うことができます。「ヒハツを使ったレシピ一覧」でヒハツレシピを紹介しているので、ご覧ください。

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