韓国の伝統発酵食品「キムチ」の栄養と効能
キムチは、食欲がないときや調子が悪いときに食べたくなったりしませんか?キムチは発酵食品だけに栄養面に優れている食品でさまざまな健康効果が期待できます。今回はキムチの歴史、キムチの栄養価と効能についてご紹介します。
キムチの歴史
穀物を主食するようになり、人間はでん粉からエネルギーを摂取していましたが、ビタミンやミネラルが摂取できる野菜も必要な栄養になっていきました。しかし、穀物は貯蔵や保存ができますが、野菜は乾燥させると本来の味が失われてしまいます。
そこで、長い間、人が工夫を重ねて、今のキムチとなりました。
起源 約3000年前の中国の「詩経」には、ウリを切って菹(チョ)を漬けようとした記録が残っています。当時は塩に浸けて乳酸発酵させるタイプと、酢に漬けるタイプの二種類ありました。
チョ(菹)はムチを意味しますが、この時代のキムチは塩漬けか酢漬けの漬け物です。 韓国のキムチの記録 中国の「三国志」に、「高句麗人は貯蔵発酵食品を作るのが上手い」という記録があります。
高麗時代に沈菜(チムチェ)が登場
「東国李相国集」には、瓜・茄子・蕪・葱などの野菜を醤漬けや塩漬けにしていたことが記述されています。キムチを意味する沈菜(チムチェ)の記述があり、ニンニクや生姜を入れた塩漬けも食べられていたようです。
唐辛子の伝来
中国に唐辛子が伝わったのは、壬辰倭乱(1592年)の頃です。「芝峰類説」(1613年)には、日本から唐辛子が入ってきたと記されています。日本から入ってきかどうかは諸説あります。
「本草網目拾遣」(1765年)によると唐辛子が韓国で栽培されていたことがうかがえます。唐辛子が渡り、普及するまでおよそ100年くらいかかったことになります。 トウガラシを使ったキムチが始まる 「増補山林経済」(1766年)には、34種類の菹菜類の作り方が紹介されていて、キムチに初めて唐辛子が使用された例が紹介されていますこの頃からトウガラシを入れた漬け方が広まっていきました。
キムチと言えば白菜ですが、白菜がキムチに使われ始めたのは19世紀末から20世紀初頭です。それまで韓国には葉肉の厚い結球白菜がなかったことからです。
キムチの栄養
食品の品質を維持するために食品添加物があります。食品添加物とは、保存料、甘味料、着色料、香料などのことで、食品の製造過程または食品の加工・保存を目的に使用されます。
キムチが韓国の伝統的な発酵食品で、冷蔵庫ない時代に貯蔵食品として作られています。今は一年を通して食べられる食品で、栄養の観点からも非常に優秀です。 キムチの栄養価は含まれている食材によって変わります。
キムチは100gあたり45.9 kcalの低カロリーですが、栄養は豊富です。
キムチの7つの効能
豊富な栄養
ビタミンK、ビタミンC、ビタミンB6、ビタミンB2、ビタミンEなどのビタミンが豊富に含まれています。アミ塩辛やイワシ塩辛にはたんぱく質を分解したアミノ酸が含まれています。 野菜にはカルシウム、リン、マグネシウム、鉄などのミネラルが豊富です。
整腸作用がある
野菜に含まれている食物繊維が便秘を予防してくれます。また、キムチが発酵することでできる乳酸菌は、腸内で有害な細菌を抑制します。乳酸菌は腸内微生物の働きも活性化し、大腸ガンの予防にも効果あるという研究も報告されています。
消化作用をサポート
キムチには、りんごなども含んでいるので水溶性食物繊維のペクチンが多く含まれています。胃腸内のたんぱく質分解酵素であるペクチン分泌を促進させます。消化や吸収作用を助けて腸内の微生物を正常にさせます。
脂肪を燃焼
トウガラシに含まれているカプサイシンは、脂肪を燃焼し、新陳代謝を高めてくれると言われています。キムチを食べることで脂肪燃焼効果と発汗作用が期待できます。
食欲増進
トウガラシに含まれるカプサイシンは脳を刺激し、食欲増進効果があります。
殺菌効果
ニンニクに含まれているアリシンは殺菌効果あります。
美肌効果
トウガラシはビタミンAやビタミンCが豊富に含まれていて、美肌やアンチエイジングに効果が期待できます。
キムチのすすめ
3000年も昔から韓国で作られていたキムチ。トウガラシや白菜が韓国でも栽培されるようになり、今のキムチが作られるようになりました。 整腸作用や消化作用などお腹にもいいキムチ、ぜひ食欲がないときなどに試してみてはいかがでしょうか。