発酵食品って何?アンチエイジング力の高い発酵食品
発酵食品ってなんだろう?
お酒、味噌、醤油など、わたしたちの身の回りには、発酵という微生物のはたらきを利用した食品があふれています。 醤油、味噌、酢、味醂(みりん)などの発酵調味料、日本酒、甘酒、麹漬けと言った発酵嗜好品で、これらはすべて麹菌を活用した発酵食品です。 日本人にとっては発酵食品は欠かせない存在になっています。
例えば、米麹は蒸したお米に麹菌というカビが生えたもの。まずは発酵という現象から説明します。
発酵とは
発酵とは、広辞苑によると下記のように記載されています。
細菌・酵母などの微生物が、有機化合物を分解してアルコール・有機酸・炭酸ガスなどを生ずる過程。本体は酵素反応。酒・醤油・味噌、さらにビタミン・抗生物質などではこの作用を利用して製造する。狭義には、糖質が微生物によって酵素の関与なしに分解する現象を、また広義には、これと化学的に同じ反応課程である生体の代謝(解糖系など)、および微生物による物質生産を指す
出典:広辞苑
要するに、発酵とは、「微生物が生産する物質が、人の健康に役立つものであり、さらに必要な物質を作り出す手助けをしていること」です。
発酵はいつから始まったのか?
意図的に発酵食品を生産するようになったのは、新石器時代に農耕と牧畜が開始されてからのことだと言われています。そして、現代にいたるまでに、お酒、味噌、醤油、酢、みりんなどの発酵食品を作ってきました。
麹菌以外の発酵食品は?
現在では、麹菌以外の菌を使い、調味料にとどまらず、原料や製法の過程で発酵を取り入れたものも発酵食品として普及しています。 チョコレートもカカオマスを発酵させてつくる発酵食品です。 さらに、地域性をいかして特産品や伝統産業との融合が各地でみられます。
発酵が特産品や伝統産業との融合
例えば、2015年4月にオープンした「発酵の里こうざき」は、まるで発酵食品の博物館のような専門店です。さらに、麹菌の名前がそのまま店名になったレストランで、発酵食品を用いた食事を体験できます。
こうざきは、千葉県の北部にあり、近くを流れる利根川の水源を利用して、江戸に清酒や醤油を供給していた歴史があります。そのため、醸造文化が根付いている町でした。“発酵文化”を広く内外に発信していきたいと、千葉県の一番小さな町は発酵パワーで輝いています。
わたしたちをきれいに導く発酵食品。アンチエイジング力の高い食材を紹介
発酵食品は、菌が食材をやわらかくしているものが多いので、消化が良いものばかり。
発酵食品は、人の体の中で分解しやすい形になっているので、消化するためのエネルギーを浪費することなく、栄養素を効率よく供給することができます。 消化がスムーズになると、便通もよくなりデトックス効果も期待できます。 さらに天然の塩を使った発酵食品は、老廃物の排泄を促進します。
食事にかける時間がとれない日は、味噌をお湯で溶かしたものを飲むだけでも、前日の食べ過ぎやのみ過ぎをリセットしてくれます。 世界でもアンチエイジング力の高い食材トップ3は、味噌、テンペ、納豆といわれています。
味噌
大豆と米や麦などの穀物に、塩と麹を加えて発酵させる発酵食品です。米味噌、麦味噌、豆味噌、調合味噌の4種類に分けられます。
テンペ
インドネシア発祥の発酵食品です。テンペ菌で大豆などを発酵させて作られます。「インドネシアの納豆」とも言われています。
納豆
日本のソールフードかつ、日本が誇るスーパーフード。大豆を納豆菌で発酵させて作られる日本の発酵食品です。
食品学的に見ても、若々しい体をキープするために味噌は積極的にとるべき発酵食品です。 トップ3の原料として共通する大豆はたんぱく質も豊富で、天然のプロテインということです。