オートミールが流行っている!?一体なぜ?
若者や女性を中心にオートミールが流行しています。これまで日本人に馴染みがなかったオートミールですが、急にブレイクした理由とは?流行の背景を探ってみました。
シリアルと言えばコーンフレークかグラノーラだったが…
オートミールは燕麦(オーツ麦、オーツ麦とも呼ぶ)を脱穀して加工した食品で、シリアルの一つ。米国ではもともとポピュラーな食品ですが、私たち日本人にとっては親しみのないシリアルでした。
日本でシリアルと言えば、長い間コーンフレークでした。コーンフレームはコーンを平らに焼き上げたもの。朝食代わりに牛乳をかけて食べる方も多いことでしょう。
近年、コーンフレーク“一択”だったシリアル市場に割って入ったのがグラノーラ。グラノーラは麦・玄米・コーンなどに、ドライフルーツやココナッツ、ナッツを加え、砂糖やメープルシロップを混ぜて焼き上げたもの。グラノーラには、オートミールの原料となる燕麦を使用したものもあります。オートミールが流行する以前に、私たちは燕麦を口にしていたわけですね。
巣ごもりでダイエットに関心
では、コーンフレークやグラノーラを押しのける勢いで、オートミールが流行しているのはなぜでしょうか。
流行の背景として、新型コロナウイルス感染症の感染拡大があります。2020年に入り、日本国内でも感染拡大が始まり、同年4月には初の緊急事態宣言が出されました。多くの方は外出を最小限に抑え、自宅での生活を余儀なくされました。その結果、運動不足による肥満が気になる方が増加。コロナ禍とともに、ダイエットへの関心が高まりました。
そうした時期に、インターネット上ではユーチューバーたちが、ダイエット食としてオートミールを紹介する動画を配信。SNSを通じてネット上で一気に情報が拡散し、ダイエットに適した食品としてとくに若者層の間で人気に火が付いたわけです。
当然、メーカー各社は製品開発に乗り出し、宣伝に力を入れ始めました。テレビの情報番組でもオートミールを取り上げるようになり、その結果、40代以上の年配層にも関心が広がっていきました。
手頃な価格が若者層の支持を得る
国内で流通しているオートミール製品を見ると、300g入りの場合、300~400円程度。ほかのシリアルと比べても価格面で遜色なく、手頃な価格が設定されています。
オートミールは「代替食」として位置づけられ、白米やパンに置き換えるという感覚で利用されています。値ごろ感があることから、若者層も継続して気軽に利用できるわけです。
主食となるオートミール
オートミールが流行したのは、主食の代わりになることも大きな要因です。この点がコーンフレークやグラノーラと大きく異なります。
オートミールは水を入れて電子レンジで調理すると、まるでご飯のような食感になります。コーンフレークやグラノーラは温めずに食べますが、オートミールは炊き立てのご飯のように、温かく食べることができるのです。
調理のバリエーションも豊富。代表的なものにお茶漬けがあります。お茶漬けの素を利用したり、梅干しを入れたりすれば、あとは電子レンジで加熱するだけ。忙しい朝にもってこいのレシピですね。
オートミールのお粥やリゾットも定番。主食として多様な料理に使用されます。このように、食事としてしっかり食べることができる点を支持する消費者も多いです。
また、ダイエット中の方からは、スイーツの原材料としても注目されています。オートミールを使用したクッキーやマフィン、ケーキなどが人気です。
朝食にオートミールを活用
ここまで見てきたように、コロナ禍で巣ごもりを余儀なくされるなかで、オートミールはダイエットに適した食品として注目を集めています。そして、主食として利用できること、多様なレシピがあることなども、従来のシリアルのイメージを大きく変えたと言えます。
まだまだコロナ禍の終息が見通せない状況にありますが、ダイエットや健康のために、朝食などにオートミールを利用するのも選択肢の一つとしておススメします。