いまどきバレンタイン事情
2月14日はバレンタインデーです。キリスト教圏の祝いで主に欧米で、毎年2月14日に行われるカップルが愛を祝う日とされています。
日本のバレンタインは、なんとモロゾフが火付け役でした。
1931年、神戸トアロードのチョコレートショップからスタートしたモロゾフ。日本ではまだチョコレートそのものが珍しかった時代に、高級チョコレートの販売を始めました。
翌1932年、モロゾフは日本で初めて〝バレンタインデーにチョコレートを贈る〟というスタイルを紹介しました。太平洋戦争が始まる前の1940年2月まで6年間、モロゾフは毎年バレンタイン広告を掲載していました。
戦後、メリーチョコレートカンパニー、森永製菓、ソニープラザなどバレンタインを営業目的で普及し、気づいたら日本に独自のバレンタイン文化が定着していたと言われています。
バレンタインに誰に渡すのか、イマドキのバレンタイン事情を紹介します。またバレンタインの原料である生産現場での取り組みを紹介します。
いまどきバレンタイン事情
2月14日の「バレンタインデー」を前に公開されたバレンタインに関する調査(インテージ調べ)では、今年のバレンタインは誰向けに用意するかを女性に質問したところ、「家族チョコ」が42%と最も多く、続いて「自分チョコ」(13%)「友チョコ」(11%)となりました。
義理チョコを渡す人は全体の1割に満たない結果となっていますが、義理チョコはもはや消滅の危機なのでしょうか。有職者の男女それぞれに「職場の義理チョコ」に対する考え方・感じ方を尋ねました。
結果、女性は「参加したくない」が8割を超える結果に。コロナ禍で「不参加」にある種の免罪符が与えられ、建前としても「参加すべき」「参加したい」と考える人がさらに減った形と推測されます。
そんなチョコレートの原料であるカカオ生産の課題と取り組み
カカオ豆の外皮を再利用
チョコレートデザインとアサヒユウアスの共同開発により誕生したサスティナブルプロダクツ「カカオハスクの森のタンブラー」が販売されました。
カカオハスクは、チョコレートの原料となる「カカオ豆」の外皮です。
カカオ豆を焙煎・粉砕する時に外皮の「カカオハスク」と、中身の「カカオニブ」に分けられ、カカオハスクはチョコレートを作る過程で使うことがありません。
チョコレートデザインでは、チョコレート生産によって年間でおよそ12トン排出されるカカオハスクをアップサイクルする方法の1つとして、タンブラーを開発しました。
児童労働のない世界の実現に向けた取り組み
認定NPO法人ACE(エース)は、カカオ生産における児童労働の解決に向けて、2009年から「しあわせへのチョコレート プロジェクト」を実施しています。ガーナのカカオ生産地の子どもたちを危険な児童労働から守り、教育の質の向上と就学の徹底をめざす取り組みです。
ガーナ国内でもカカオ生産量の多いアシャンティ州とアハフォ州で、ガーナ第2の都市クマシから車で約3時間程度で交通の便が非常に悪く、自治体の行政サービスが届きにくい地域です。住民の大半がカカオ栽培で生計を立てており、ガーナ北部や近隣諸国からの移住者も多く、その中で児童労働や子どもの人身取引が起きています。この活動の結果、2009年から2022年の13年間で、10村595人の子どもたちを児童労働から解放しました。2022年8月にプロジェクトを終了した2村では、100%の出席率を達成しました。
ACEはチョコレートの原料カカオの生産における児童労働の撤廃をめざし、日本の主要なチョコレート企業との連携を強化しています。今年はACEが支援パートナーのひとつである森永製菓の「1チョコ for 1スマイル」キャンペーンが15周年を迎えるにあたり、限定商品「1チョコ for 1スマイル<ベイクドチョコ>」が2023年1月10日を発売開始。
キャンペーン特別月間の2023年1月5日から2月14日には、この限定商品を含む対象商品を1つ購入するごとに1円が寄付として積み立てられ、これに加えて、“溶けない”ベイクドチョコも、通年暑いカカオの国の子どもたちに送られます。ACEは2023年1月下旬に、これまでガーナで支援してきた10村の子どもたちにベイクドチョコを届けます。日本で応援する消費者と現地の子どもたちが同じチョコを食べることでつながりを感じ、メッセージを伝えあうことで応援の輪を広げたい。バレンタイン・デーを前に、この活動を通じて、児童労働のない世界の実現に向けた取り組みへの幅広い参加を日本の消費者へ呼びかけます。