新しいトレンド「スポーツビール」とは?スポーツ後の身体に良い?
スポーツで思い切り体を動かした後で必要となるのが、水分補給です。発汗によって失われた水分やミネラルを、効率良く体内に補給するためのスポーツドリンクは、アスリートにとって欠かすことはできません。 スポーツドリンクも、ミネラル含有量やビタミン、カロリーなど、発売元によってその差はさまざまです。 そして今、運動後のドリンクとして、新たに注目され始めているのが「スポーツビール」です。 「スポーツ後のアルコールはNG」という概念が根づいていますが、「スポーツビール」とは一体何でしょうか。
スポーツビールとは?
スポーツビールの発祥は、ビール王国ドイツです。 ドイツのミュンヘン工科大学スポーツ医学部の教授であり、スポーツドクターであるヨハネス・シェール氏が、ノンアルコールビールは、運動後の免疫力の低下を防ぎ、身体の回復を早める、という研究結果を発表しました。 一般的に、マラソンランナーやアスリートなどは、レース中に肉体を酷使し、レース後に体調を崩しやすくなります。ノンアルコールビールには、ポリフェノールを多く含まれているため、運動後に飲むと、疲労回復に効果的とのことです。 つまりスポーツビールは、ノンアルコールのビールです。
スポーツビールの栄養
日本でノンアルコールビールというと、車を運転して帰らなければいけない人が、仕方なく選ぶ飲み物というイメージです。 しかし、ノンアルコールビールには、スポーツに適した栄養が含まれています。
スポーツビールの成分
ポリフェノール
ポリフェノールが豊富に含まれているノンアルコールビールを飲むことで、運動後の免疫力が高まり、風邪などの感染症を未然に予防してくれます。運動後の体の炎症反応も軽減されるとの報告もあります。
ビタミン
麦芽やホップを原料とするビールには、ビタミンB群が含まれています。ビタミンB群には、B1、B2、B6、B12、ナイアシン、葉酸、イノシトールなど、たくさんの仲間が存在していますが、それらのほとんどがビールには含まれています。
- ビタミンB1:疲労回復、食欲増進
- ビタミンB2:アンチエイジング、動脈硬化の予防
- ビタミンB6:免疫機能の維持・強化、ヘモグロビンの合成
ミネラル
麦芽には、カルシウムやカリウム、マグネシウム、ナトリウムといったミネラル成分が含まれています。
スポーツビールは低カロリー?!
通常のビールのカロリーは、350mlの缶で約150kcal。それに対して、ノンアルコールビールのカロリーは、販売元によって多少の差があるものの、350mlで0?70kcalほどとなっています。運動をしていて、摂取カロリーが気になる方にもおすすめです。
スポーツビールはいつ飲んだらいいの?
スポーツビールを飲むのに、一番適した時間は、スポーツを終えた後です。汗をたくさんかいて、体内からミネラルが流れ出してしまったのを補うためにも、運動後が最適です。
海外では運動中に飲むケースも!
ドイツで毎年開催されているベルリンマラソンのゴール地点では、エルディンガー社がノンアルコールビールを公式飲料として配っています。
出典:https://www.instagram.com/gabri_0279/(@gabri_0279)
ヨーロッパでは、マラソンのゴール後だけではなく、レース中の給水地点にビールが配られる大会もあります。気分が盛り上がって楽しく走れそうですね。
スポーツビールでさらに体が進化するかも
2018年冬に開催されたピョンチャンオリンピックのバイアスロン(クロスカントリースキーとライフル射撃を組み合わせた競技)で銀メダルを取ったジモン・シェンプを始め、たくさんのドイツ選手団がメダルを獲得しました。 前述のチームドクターであるヨハネス・シェール氏は、ドイツが勝てた理由として「たくさんのノンアルコールビールを飲んだこと」と答えています。シェール氏によると、彼が管理している選手のほぼすべてが練習の合間にノンアルコールビールを飲んでいるとのこと。 東京オリンピックを控えて、アスリートとスポーツビールの関係は、ますます面白くなりそうですね。