メニューを閉じる
メニューを開く
  • 食・料理
  • 美容
  • カラダ
  • 食育
  • SDGs

ゴールデンエイジで決まる運動能力。コロナによる運動機会の損失が与える影響は?

カラダ
YOKARE編集部
プロフィール画像
ゴールデンエイジで決まる運動能力。コロナによる運動機会の損失が与える影響は?

子どもの運動能力を高めるのにもっとも適した時期「ゴールデンエイジ」。コロナ禍においては子どもも外出を控えることが増え、は、子どもも運動不足になっていないでしょうか。コロナ禍における子どもの運動不足が、将来的にも悪影響なのか気になっている方も多いのではないでしょうか。ゴールデンエイジと神経回路の発達、運動と認知能力の関係から「ゴールデンエイジ」の過ごし方を考えていきましょう。

ゴールデンエイジで運動能力が決まる?

10歳〜12歳までの間をゴールデンエイジと言い、3歳〜9歳までをプレゴールデンエイジと言われています。
脳、脊髄、視覚器、頭径など神経回路の約80%は9歳くらいまでに形成されます。つまり、運動能力の基礎はプレゴールデンエイジで決まるといっても過言ではないでしょう。運動神経の良し悪しは一般の多くの人が遺伝で決まると考えがちですが、プレゴールデンエイジの過ごし方の方が大きく影響します。

そして、ゴールデンエイジで神経系の発達がほぼ100%になります。短時間で初めて行う動作でもできたり、目的にかなった効率的な動きができたりするようなことがあります。もっとも人生の中で最大に運動能力が洗練される時期です。
何でもすぐに吸収するゴールデンエイジに、動作の習得を行うのに適した時期です。スポーツでも9歳〜12歳の時に覚えた技術は大人になってもずっと身に付いているといわれています。
ゴールデンエイジに特定のスポーツの基本技術を習得することで、そのスポーツの技術は伸びるでしょう。一方で、特定のスポーツのみの動きしかしていないと適応能力が低くなり、将来伸び悩む可能性もあります。他のスポーツを取り入れたり、さまざまな体験をしたりすることで、適応する能力やバランス能力が身につきます。

プレゴールデンエイジでの遊びの経験が神経回路の発達に大きな影響を与え、ゴールデンエイジでの動作の取得がスポーツでの活躍に左右していくでしょう。

withコロナ時代での運動機会の損失が子どもに与える影響は?

子どもの発達障害専門サイトの「パステル総研」を監修する脳科学をベースにした発達障害の発達支援が専門の吉野加容子氏は次のように解説します。
「習慣的に運動することは、健康な体づくりだけでなく脳全体の発達のために大変重要です。運動をつかさどる脳のエリアは脳の中心を貫くように位置しており、運動することで脳全体が活性化します。」

長年運動が認知機能をアップさせる研究が進められてきましたが、今年の7月に発表された国際共同研究では、毎日60~90分運動することで認知機能にプラスの効果があり、認知機能が低い子ほど効果が大きいことが証明されました。(※1)WHOは5-17歳の子どもが毎日60分の中強度の運動に取り組むことを推奨しています。
認知機能を高めるためにも、健康な体を作るためにも、毎日1時間しっかり運動することがポイントです。
運動系の習い事を始めることもおすすめですが、まずは毎日の活動量を上げることから始めましょう。お母さんと楽しい雰囲気の中で体を動かす習慣を作っていくのがいいですね。」

※1Baseline Cognitive Performance Moderates the Effects of Physical Activity on Executive Functions in Children

つまり、体を動かすことで運動能力が向上することはもちろん、脳にも影響を与えるということです。

運動不足のアンケート結果

日本臨床整形外科学会が、7月下旬から8月中旬にかけて、医療機関を訪れた1万2千人へのコロナによる外出自粛の影響を調査しました。その中で、小・中・高校生817人が回答した運動不足に関してのアンケート結果は下記になります。

出典:日本臨床整形外科学会 二階堂元重医師

 

自粛中の運動割合は、5.4%減少しており、「体力がなくなった」と回答したのは、小学生で35.3%、中学生で44.1%、高校生で55.1%に上りました。
また体重の増加したと回答した割合は、小学生で36.9%、、中学生で37.4%、高校生で34.9%、気力がなくなった11.4%、19.6%、24.3%」と報告されています。

運動ができれば勉強ができるは本当?

子どもの成長時期に、体を扱う経験はすべてのスポーツの基礎となります。スポーツの基礎だけでなく、運動は認知機能にもプラスの効果があるとわかりました。「運動もできて頭もいい」という文武両道のクラスメートがいたという記憶はありませんか。

「勉強ができば運動ができる」というわけではありませんが、「運動ができれば勉強ができる」ということはさまざま研究からわかってきています。運動ができれば勉強ができるという相関関係があるといえるでしょう。

例えば、中学生以上になって遊びからスポーツに変わっていくと、ある程度の空間認識能力が求められます。対戦相手やチームメートなど周りの「距離感」「大きさ」「スピード」を把握し、状況によって使いわける必要があります。これらの能力は勉強によって認知するのではなく、運動で培われた脳によって認知されるでしょう。

今しかない子どもの成長期に少しでも遊ぶという経験を増やしてあげるといいでしょう。スポーツだけ運動ではありません。アスレチックに行く、キャンプに行くなどそういった五感を使う経験も子どもにとっては十分な遊びになるでしょう。
 

SHARE