ポリフェノールの効果を発揮する活性本体の1つHMPAとは?

3月4日が「HMPAの日」として登録されたことを記念し、2025年2月21日に記念日登録証授与式が開催された。
HMPA(エイチエムピーエイ)は、ポリフェノールの活性本体の一つで、正式名称は3-(4-Hydroxy-3-Methoxyphenyl)Propionic Acidである。
構造式で表すと下記のようになる。
BMIが高めの人の腹部の脂肪とウエスト周囲径を減らす機能や食後血糖値が高めの人の食後に上昇した血糖値を下げる機能、LDLコレステロールが高めの方のLDLコレステロールや総コレステロールを下げる機能が報告されている。
ポリフェノールの不思議
「ポリフェノールは体に良い!」というのはなんとく多くの人が把握しているが、調査によると、ポリフェノールの効果を実感した人は5人に1人。
ポリフェノールは体に良いとされているが、効果を実感している人は少ない。
そんな不思議なポリフェノールの研究に取り組んだのは丸善製薬だ。
「HMPAの日の記念日登録証授与式」にて、丸善製薬株式会社 研究開発本部 本部長 桒原さんは、ポリフェノールは吸収に個人差があることが課題としてあり、腸内環境とのかかわりに着目し、研究を進めたことを明かした。
HMPAならすべての人が効果を実感できる?
丸善製薬の研究員はポリフェノールを摂取すると、腸内細菌によって活性本体となる成分(コアポリフェノール)へと変換され、活性本体が吸収されることで効果を発揮すると考えた。
そのコアポリフェノールの一つがHMPAだ。
腸内フローラ構成は日々の食事や体調でも変化し、人によっても異なるため、ポリフェノールを活性本体であるHMPAに変換できない人がいると考えられる。それであれば、HMPAそのものを摂取すればよいのではと考えた。
その後、丸善製薬のプロジェクトチームは、さまざまな検討を重ね、HMPAを規格化した「米ぬか発酵物」を安定的に製造、供給できるようになったという。
このHMPAの開発により、腸内環境に左右されずにすべての人がさまざまな効果を実感できるようになることが期待される。
丸善製薬株式会社 代表取締役社長 日暮さんは、「HMPAはほぼ無味・無臭で使いやすく、どんな食品でも混ぜて使うことができます。』と述べ、HMPAの幅広い応用可能性に期待を寄せた。
最近はHMPAが配合される機能性表示食品も増えている。「お腹周りが気になる方必見。続々と登場しているHMPA配合の機能性表示食品」の記事でもおやつとして食べられるHMPA配合の機能性表示食品を紹介している。
HMPAを手軽に食卓で活用できる日も近いかもしれない。