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身近な食品や腸内からも生成されるHMPAが作られるメカニズム

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YOKARE編集部
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身近な食品や腸内からも生成されるHMPAが作られるメカニズム

2026年3月13日(金)に世界へ発信するHMPA研究の最前線と題したテーマで「HMPAフォーラム2026」が開催された。

HMPAとは、米ぬかを乳酸菌で発酵させてできるポリフェノール由来の機能性表示食品の機能性関与成分。
HMPAの代表的なヘルスクレームとして、「BMIが高めの方の腹部の脂肪を助ける」「食後血糖値が高めの方の食後に上昇する血糖値を元に戻しやすくする」「LDLコレステロールが高めの方のLDL・総コレステロールを下げる」といった有効性がある。

HMPAフォーラム2026では、HMPAを安定的に産生する方法の研究をされた岡山理科大学 生命科学部 三井亮司教授から、どのような食品にHMPAが含まれているのか、体内で検出されるHMPAに腸内細菌はどのように関わっているのか、食物繊維などの結合体からHMPAにどのように変わるのかが説明された。

身近な食品や腸内からも生成されるHMPAが作られるメカニズム

HMPAは植物に由来するが、植物にHMPAそのものが含まれているわけではないため、何かしらプロセスにより産生する必要がある。
まずは、導入として、身近な食品にHMPAが含まれている例が紹介された。
「HMPAはサワードゥパンや黒酢、ぬか床に存在しています。これらの食品の共通項としては穀類の原料に由来する発酵食品であること。乳酸菌が関与すること、つまり嫌気的な発酵プロセス(無酸素の状態で発酵を行うプロセス)を含むことが挙げられます。」(三井亮司教授)

HMPAが含まれている例
穀類や全粒粉には、ポリフェノールの一種であるフェルラ酸やカフェ酸といった「フェニルプロペン酸誘導体」が豊富に含まれている。これらはHMPAの前駆体となる重要な成分である。
これらの成分は、穀物の細胞壁に付着しているセルロースやそれを囲むヘミセルロース(キシランやβ-グルカンなど)といった食物繊維と結合した状態で存在している

発酵食品の製造過程や腸内環境において、乳酸菌などの微生物が持つ酵素(フェルラ酸エステラーゼなど)の働きにより、この結合が分解される。これによってフェルラ酸などのポリフェノールが遊離し、さらに代謝されることでHMPAが生成されると考えられている。

私たちの体の中で、HMPAが生成される化合物もある。
「例えば、コーヒーのクロロゲン酸黄色い色が特徴のクルクミン米ぬかのγ-オリザノールは腸内細菌によってHMPAに変換されているという事例が報告されています。」(三井亮司教授)

クルクミン

クルクミン

HMPAは発酵食品由来、もしくは私たちのお腹の中で変換されるため、無酸素の状態で発酵を行うプロセスがHMPA生成の鍵になると考えて研究が始まったと言う。

腸内では乳酸菌が食物繊維にくっついて、それを切り離すことでHMPAが産生される。
研究では、キムチや味噌などの発酵食品から乳酸菌を取ってきて、フェルラ酸を切り離す働きが強い菌株を探した。

試行錯誤を繰り返す中で、乳酸菌の菌株によってもHMPAの生成メカニズムは違い、副産物も違うことがわかった。
副産物として4VGという成分が産生されずに、無酸素の環境でもHMPAを産生できる乳酸菌を見つけ出すことで、安定的なHMPAの生産に行き着いたという。

身近な食品からも腸内でHMPAを生成するものがあることがわかる。日常的に発酵食品を摂取することでトリプルヘルスクレームを有するHMPAが摂取できる。一方で、どの発酵食品を食べればHMPAを摂取できるのか、日常の買い物で判断できるわけではない。研究からも菌株によって産生する成分も違ったので、さまざまな条件が揃ってHMPAが腸内で産生されることは想像に難くない。
もちろん日常で発酵食品を意識的に摂取することも大切だが、HMPAが含まれる機能性表示食品を摂取することも一つになるだろう。
 

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